日本の石油産業の各お客様は、プラントの老朽化や運転員の世代交代といった運転リスクの増大に対して、現場の保安力強化をはじめとする様々な取組みを進められています。
当社は、計測・制御・情報の分野で長年培ったノウハウと最新・最高の技術をベースに、日本の産業基盤を支えるお客様の課題解決ソリューションを提供し、お客様の将来の発展に向けた新たな価値を共創していきます。
KBC事業ユニットでは、主に石油・石油化学・ガス産業のアップストリーム(開発・生産工程)からダウンストリーム(精製工程)で培ってきた経験を活用し、シミュレーション・解析技術をベースにした卓越したコンサルティングサービスとソフトウエアを提供しています。
お客様の使用資本利益率(ROCE)の最大化を目指し、操業効率の向上や収益性の改善と継続的発展を実現します。
さらに、横河グループの傘下に入ったことで、その現場操業のノウハウを統合し、コンサルティングの結果を実績に結び付けていきます。
|KBCコンサルティングに関する横河のソリューション|KBCの主なコンサルティングメニュー|KBCの提供する付加価値|KBC Co-Pilot Program|
全世界で200名以上のコンサルタント・エンジニアが活躍しています。
OpX | Operational Excellence ワールドクラスプラクティスの導入と維持定着プログラム |
RAM | Reliability Availability Maintenance 保全戦略・計画立案、定修・日常保全の最適化プログラム |
省エネ | ベンチマーキングから改善案件の発掘・評価・実行・定着まで網羅する包括的な 省エネプログラム |
PIP | Profit Improvement Program 収益改善のための包括的プログラム |
RPI | Refinery and Petrochemical Integration 製油所と石化プラントの連携強化プログラム |
SCM | サプライチェーン最適化プログラム LP・スケジューラーのアップグレード、原油選択の最適化など |
HPI | Human Performance Improvement 人財育成強化、シフトチーム効率化、プロセス産業むけ教育プログラム |
TSA | Technical Service Agreement コンサルティングのための全般的なサポート |
KBC Co-Pilot Programは、KBCの戦略・技術コンサルタントと世界トップレベルのシミュレーション技術であるPetro-SIMを、クラウド上のIIoT型DaaS(※)ソリューションと組み合わせることで、お客様のプロセスオペレーションの遠隔からのパフォーマンス監視と改善支援を実現します。
※DaaS:Data as a Service の略。データを経営上の資産として有効活用できるように提供するクラウドサービス
♦主な機能
♦関連ページ
*KBC Co-Pilot Program、Petro-SIMはKBCの登録商標です。
「効率的な運転」によって省エネルギーを実現するYOKOGAWAの技術
製油所の省エネルギーは「効率的な設備本体」と「効率的な運転」の切り口で取り組んでいます。YOKOGAWAは「運転」の視点から製油所の省エネルギーをご支援します。
ターゲット選定、簡易診断、詳細診断、FS (Feasibility Studay)、設計、施工、保守というステップを踏みながら、長期にわたりお客様のプラントが最大パフォーマンスを発揮できるようご支援します。
製油所では非常に多くの設備を活用して生産活動を続けています。
幅広く、また複雑な設備群の中での省エネルギー活動は1970年代の石油ショックから長い年月を掛けて地道な改善努力を積み重ねてきています。
制御改善 | 最適化システム改善 |
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エネルギー管理システム(エネルギー消費の見える化)、加熱炉O2制御、加熱炉パスバランス制御、ボイラ制御改善、塔リフラックス流量削減、コンプレッサモル比低減、タンク温度制御、塔運転圧力低下、ボイラ排ガス温度制御、スチームトラップ管理、温調トラップ設置 | スチーム電力バランス最適化ガイダンス、制御システム、タービン/モータ切り替え管理、リフォーマ反応系最適化、装置最適化制御(収率改善/省エネルギー)、スタートアップ/シャットダウン時のロス改善 |
設備改造 | 新技術導入 |
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ポンプインペラーカット、ホットチャージ、熱交再配置、増設、廃熱回収設備設置(給水予熱等)、オフガス回収、水素ガス回収装置、コンデンセート回収、パワーリカバリー装置(FCC装置)、ポンプ回転数制御 | コンバインドガスタービン発電設備(ヒートポンプ導入検討、ピンチテクノロジー活用検討) |
運転管理改善と設備改善の面で推進されている省エネルギー活動は確実に前進していますが、気候変動に対する地球環境対策や激変する経済状況の中において更に加速させる事が急務です。
製油所での省エネルギー、CO2 削減推進には、プラント内でのエネルギー消費、CO2 発生状況、エネルギー原単位等を常時把握できるようにすること、すなわち「見える化」が必要です。YOKOGAWAは、センサーから操業管理レベルまで、エネルギーに関する監視・管理を行うためのトータルシステムをご提案し、具体的な省エネルギーポテンシャルを示します。
エネルギーKPI管理
エネルギー消費の見える化、KPI管理
オンサイトプロセス
オフサイトプロセス
ユーティリティプロセス
♦年、10万BDあたりの省エネルギー効果ポテンシャル
(お客様の取り組み状況によって数値が変わります)
ETSVision-Refinery とは
ETSVision-Refinery は、製油所向けのトータルソリューションモデルです。 経営情報と制御情報をリアルタイムにつなぐことにより、フレキシブル経営、フレキシブル生産を実現します。その概要について以下にご紹介いたします。
|基本コンセプト|ねらい|構成する主な機能|位置付け|実施画面例|
ETSVision は製造業における業務フローを定義し、最新の IT 技術をもとに設計された各種ソフトウエアコンポーネントを提供するものです。これらのコンポーネントは優先度の高い課題から段階的に導入可能で、最終的に各種機能を有機的に統合した理想的な生産管理システムが構築できるように設計されています。
ETSVision はプロセスコントロールシステム (PCS) 領域から運転・操業管理 (MES)、経営管理 (ERP) 領域まで「生産効率向上」実現に向けて、幅広くカバーします。
ETSVision-Refinery は、製油所向けのトータルソリューションモデルです。
経営情報と制御情報をリアルタイムにつなぐことにより、フレキシブル経営、フレキシブル生産を実現します。
ETSVision-Refinery は、既存システムを再構築し、本社と製油所間を有機的につなぐ大規模システムを実現します。
品質管理
最適制御、高度制御
運転支援
接続DCS群
操業実績管理
在庫管理
設備管理
オフサイト操業管理
接続PIMSパッケージ群
業務に役立つ多数の画面テンプレートとエンドユーザコンピューティング環境を提供。
従来の手法では、手作り部分が多いことにより初期導入時や運用時の仕様変更に対する柔軟性、迅速性、コストに問題がありました。
ETSVision-Refinery では、生産管理システムを構成する各種ビジネスロジックとテンプレートを提供することにより、容易にシステムの構築、変更が可能です。
製油所操業サマリ
各油種別に生産量と出荷量が一目で分かります。
原油スケジューリング
月間のチャージ計画が容易にスケジューリングできます。
常圧蒸留装置運転実績
計画値と実績値を対比して確認できます。
海上出荷実績
海上出荷実績の詳細を確認できます。
バーススケジューリング
船の予定変更が生じても迅速にバース繰りができます。
ユーティリティ実績
全体のユーティリティ・バランスを確認できます。
|STEP1:現状課題の把握|STEP2:真のプロセス情報の追求|STEP3:更なる高度安定化|STEP4:非定常運転の自動化|STEP5:設備の監視と安全強化|
DCS による CRT オペレーションが定着する一方、プラントオペレーションにおいては、アラームの多発や頻繁な手動介入が新たな課題となっています。 原因の一つとして、アラームの設定値、PID 等のチューニング常数が初期値のまま使用されている事もあげられます。
これらに対する解決の最初のアプローチとして、アラームや手動操作回数の多いループのワースト10 をリストアップする事により、課題を抽出する方法が取られております。 具体的には、アラーム解析ツール Exaplog(横河電機) やアラーム解析パッケージ (三菱化学エンジニアリング社) を用い、DCS 内のヒストリカルデータをパソコンで解析することができます。
下図の様に、アラームや手動操作頻度をグラフ化することで、現状の課題が一目瞭然に把握できます。
イベント解析パッケージ Exaplog
プロセス制御においては、製品の性状や品質などを直接知ることができないため、流量、圧力、温度などを制御しています。
運転指標である製品の性状や品質の変化を早く知るために、アラームの設定幅を狭くしたり、監視用のセンサーの数を増やして対応しています。 製品の性状や品質データを直接測定しようとしても、従来は、分析に時間がかかる、オンライン分析計がない等の理由から困難でしたが、今日の技術の発展で可能になってきています。
その代表的なものとして、プロセスガスクロマトグラフ、近赤外分光分析計などがあります。 また、モデリング技術等を利用して、これまで測定できない製品の性状や品質を推定することも可能になってきています。 最近話題になっている方法として、 フーリエ変換近赤外分光分析計 NR800 による製品の性状・品質のリアルタイム測定やニューラルネットワーク Exaneuroによる製品の性状・品質の推定があります。
これらの方法は、従来の分析方法と異なり、時間遅れ無しに結果がわかるため、制御ループに組み込むこにより直接製品の品質制御が可能となりました。
フーリエ変換赤外分光分析計
NR800
プロセスガスクロマトグラフ
GC1000 MarkII
ニューラルネットワークによる性状推定例
本例は2段の蒸留塔の温度、圧力、流量から2段目の性状予測した例です。
当社のニューラルネットワークパッケージ (Exarqe) を使用し、蒸留塔の性状を予測しています。予測データ (上段の青線で示されたデータ) と、オンライン分析計の出力データ (中段の赤線で示されたデータ) を重ねてみると推定結果 と分析データが非常に良く一致しています。
ニューラルネットワークを利用した場合の特徴は、
などがあります。このような特徴を利用して、分析計のクロスチェックや直接性状制御への応用が考えられます。
プラント運転の更なる安定化を進めていく上で高度制御等の導入も検討に入れる必要があります。
プロセス制御の更なる安定化や製品品質の直接制御を目指し、横河電機は高度制御エンジニアリングをご提供します。
高度制御 (Advanced Process Control) の導入にあたり、フィージビリティー・スタディから高度制御パッケージの導入のエンジニアリング、導入後の保守サービスまでをトータルサポートいたします。
多変数モデル予測制御は、従来のシングルループ制御と異なり、プロセスユニット単位の複数の入出力を制御します。 また、制御アルゴリズムとしては、プロセスの応答特性モデルを持ち、将来を予測した操作出力を決定します。
手動操作の削減や多変数モデル予測制御の導入においては、既存ループ構成の見直しや PID の最適チューニングが不可欠です。この様な制御性の改善を行う事だけでも、運転効率をあげ、直接の利益の向上が期待できます。
横河電機では、プロセスの制御性改善支援として、お客様に代わってアラームや操作頻度の解析を行い、プラント運転の問題点の抽出と整理を行い、その結果を基に制御性の改善提案を行います。
日本海石油株式会社 様 導入事例-原油蒸留プラントへの適用
非定常運転は、運転員が主体で運転されており、これがプラントの安定化,省人化のボトルネックになっています。
熟練運転員の非定常運転のノウハウを自動化できれば、運転の効率化 (コスト改善) に大きく寄与します。非定常運転の自動化に対し、横河電機は運転効率向上支援パッケージ Exapilot をご提案します。
主な非定常運転
一般的にバッチプロセスでは、バッチ開始から終了までの工程の自動化が進んでおります。しかし、連続プロセスにおいては、頻度の低い非定常運転は手動運転を前提とした設計になっているために、リモート化されていないセンサや操作端も多く、バッチプロセスで実現されているような自動運転の実現を困難にしています。
一方、定修期間の延長による非定常運転の機会の減少、熟練運転員の減少の中で、非定常運転の自動化と安全運転確保の必要性が近年益々高まっております。
運転効率向上支援パッケージ Exapilot は既存 DCS に容易に接続可能で、オンラインSOP (Standard Operation Procedure) による非定常運転の自動化と運転支援を実現します。
これにより
が可能となります。
運転効率向上支援パッケージ Exapilot
近年、ダイオキシン、環境ホルモン等、社会的な環境・安全問題について関心が高まっています。 このような状況の中で、以前にも増してプラントの安全運転が重要視されております。
具体的な対策として、
が重要になってきています。
定常・非定常運転の自動化のためのシステムの高度化に伴い、ますます異常時における安全確保のシステムが必須となります。このための ESD (緊急シャットダウンシステム) はより高信頼性が要求されます。
近年、従来のリレーによる ESD から安全計装システムよる、よりフレキシブルで信頼性の高い ESD の構築が検討されております。グローバルな環境問題への関心の高まりの中で、IEC による「国際安全標準規格」に対応して、日本でも JIS 規格化の動きがあります。
YOKOGAWA ではこのような御要求にお応えできるソリューションとして、30 年以上にわたる豊富な実績を持つ安全計装システム ProSafe をご提案いたします。
とったユーザの声に対する評価ツールとして、各種機能が用意されています。
制御性能評価
制御性指標/操作性指標および制御性能評価指標および AUTO 投入率指標を用意することによって制御性能を評価します。
右図のような形で、制御性指標と操作性指標を分布図で表現する事で、制御性能を評価する事が可能です。
この他に XY 相関図/ヒストグラム/XbarR 管理図などの機能があります。
Advanced Process Control Station (以下APCS と記載) は、高度制御や高度演算、効率改善などを実現するために、CENTUM CS 3000 システムにラインアップしました新しいステーションです。
CS 3000 システムだけでなく、既存の CENTUM CS、CENTUM-XL、CENTUM-V システムにも接続が可能です。また、APCS のハードウエアは、汎用の PC-Server を用い、安価にシステム構築することができます。
APCS には、以下の特長があります。
システム構成例
統合生産制御システム CENTUM CS3000 R3
OMS-VP (OIL Movement Suite VP) は、オフサイト全般に渡るオペレーションの自動化を目的としています。
OMC (OIL Movement Control) は、操油制御管理システムの分野で YOKOGAWA が過去30年以上に渡りアプリケーションシステムを提供することによって蓄積された多くのノウハウを元に、オフサイトの自動化で要求される各種機能を標準化しました。
OMC は、タンク在庫管理機能と JOBCON (運転制御監視) とともに使用し、油移動とブレンドオペレーションの制御を実現します。
OMS-VP (OIL Movement Suite VP) は、オフサイト全般に渡るオペレーションの自動化を目的としています。
JOBCON (Job Control) は、OMCで選択されたパス情報を基に起動/停止および運転中の流量計、ポンプ、バルブなどの監視を行うことにより、出荷作業、ブレンド作業、入荷作業などの操油作業の運転/監視制御を実現するパッケージです。
JOBCON は、上位計算機 OMC (操油制御管理機能) とともに使用し、JOB 単位で割り当てられた操油作業単位 (JOB ID単位) で運転制御を行います。
OMS-VP (OIL Movement Suite VP) は、オフサイト全般に渡るオペレーションの自動化を目的としています。
PATH は、OMC (Oil Movement Control) のパス選択機能で使用されるパスリストをシステム構築時に自動的に作成し、保守作業を容易にすることを目的として開発されたパッケージです。
PATH は、OMC (操油制御管理) と ともに使用します。
ブレンド性状制御機能は、オンライン分析計による閉ループ性状制御を実現し、コストミニマムかつ高品質なブレンドオペレーションを可能にします。
タンク在庫管理機能は、サブシステム通信を経由してタンクゲージシステムからレベルやボリューム等のタンクデータを収集するとともに、タンクの運転状況管理や異常監視を行います。
タンク在庫管理機能は、CENTUM VPの HIS (Human Interface Station) と FCS (Field Control Station) 上で動作し、その機能を最大限に活用しています。
オペレーションをサポートする使いやすい GUI スクリーンを各種用意しています。
法的基準を満たす災害対策として、 YOKOGAWA ではプラントワイドフィールド無線によるバルブ緊急遮断ソリューションを提供しています。無線でバルブを遠隔操作できるため、安全面・コスト面で大きなメリットがあります。
法的基準により、危険物施設は震災等対策ガイドラインに基づいた対策が必要です。
[対象となる通達(抜粋)]
平成17年1月 消防危第14号「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令等の施行について」
液面揺動が生じて浮き屋根上に貯蔵危険物が滞油した場合、排水設備を介して外部に漏えいすることを防止するため、流出するおそれが生じた場合に速やかに流路を遮断することができる等の機能を有すること。このため弁を設ける場合にあっては、非常の場合に自動又は遠隔操作によって閉鎖する機能を有すること。
平成24年8月 消防危第197号「危険物施設の地震・津波対策に係る予防規程の策定について」
タンク底板から3メートル以上の津波浸水が想定された特定屋外貯蔵タンクにあっては、配管を通じた当該タンクからの危険物の流出を防止する措置について予防規程に定める必要があること。
出展:消防庁ホームページ(http://www.fdma.go.jp/)
低コストでスピーディーな導入が可能
フィールド無線用電磁弁操作モジュール FN910 とフィールド無線用通信モジュール FN110 と組み合わせることで、空気式バルブの無線遠隔操作を実現しています。有線ではないため、防爆仕様のケーブルや配線設備・工事などが不要です。それにより導入コストが抑えられ、工期も短縮できます。
無線通信やバブル開閉の電源は電池です。(電池寿命10年/条件依存) そのため、災害時による電源喪失の影響を受けることなくバルブを遠隔操作できます。さらに、一度設置すればメンテナンスはほぼ不要で、ランニングコストも低く抑えられます。
* 以下の条件で内部への侵入がないこと
塵埃試験: 8時間/浸水試験: 水深1m 30分間
石油・化学・鉄鋼・ガス・電力・紙パルプなどの業種に適応します。
プラント(石油・化学)
焼却場
パイプライン
タンクヤード
排水設備
井戸元
海上プラットフォーム
発電所
燃焼制御、燃焼排ガス
業種: 化学/石油化学
製品: コリオリ式質量流量計 ROTAMASS3 シリーズ
キーポイント: 断熱箱仕様による溶融硫黄(溶解金属類)測定
バスバーまたはバスダクトの温度を正確に把握することができれば、過熱の発生箇所を特定し、破損や焼損を未然に防ぐことができます。YOKOGAWAのDTSXは、強電界下でも電磁ノイズの影響を受けない 『光ファイバケーブル』 を使用しているため、温度分布を1メートル単位で素早く正確に測定できます。また、連続的なバスバーの温度監視によって、過熱が起こっている箇所すなわちボルトの増し締めなどの保守作業が必要な箇所を特定することができます。
広大なプラントのオート監視における技術面、コスト面の課題をDTSX光ファイバ温度センサが解決します。