水/蒸気注入法による渦流量計

通常の回収技術で原油をできるだけ回収しても、貯油層にかなりの量が残っている場合があります。原油価格が一定水準以上ならば、残留油回収は採算が見込めます。この回収法として主に用いられているのが、水注入法と蒸気注入法です。これらの技術は、古い油井から残留油を回収するのに役立つのみならず、稼働中の油田の一次回収率も改善します。
 
これらの技術を用いる際には、プロセスの制御と最適化のために水と蒸気の流量を計測することが望まれます。この計測には、従来オリフィス板と差圧伝送器が用いられてきました。しかし、この用途に多くの利点があるという理由から、渦流量計の利用が増えています。以下では、このプロセスの詳細と、渦流量計の有用性を紹介します。

水/蒸気注入法による渦流量計

期待される利点

このプロセスに渦流量計を用いると、特に以下のような利点が期待されます。

  • 配管と配線のコストをオリフィス式流量計の1/3にまで削減
  • ISO14000の基準では、シール箇所がオリフィス式流量計の1/10にまで削減
  • オリフィス式流量計の3倍の精度。プロセスノイズ耐性に優れ、正確なコスト計算が可能
  • オリフィス式流量計の1/3の圧損。プロセスに対する影響が減少し、省エネルギーを実現
  • 高温(450°C)・高圧(ANSI#2500)に対応

 

プロセスの説明

図 渦流量計の設置
図 渦流量計の設置 

水注入法では、注入された水が貯油層に入り残留油の一部が同じ貯油層中の生産井の方に向けて移動します。生産井でこの油と水を汲み上げます。
蒸気注入法では、地上で蒸気を発生させ、この蒸気を、注入井を通して貯油層に圧入します。蒸気によって油分が加熱され、粘度が低くなります。蒸気の熱は、同時に原油を気化させるので全体の流量が増します。この気体と蒸気がさらにガスドライブとなり、熱水も加わって希釈された油分を生産井の方に押し動かします。
このプロセスでの動作温度と圧力は、最高90°C(194°F)、290bar(29MPa、4200psi)にもなります。この条件に適合するには、最高でANSI#2500のフランジが必要です。
水と蒸気の正確な流量計測は、油井の生産性に影響を及ぼす重要因子です。効率を向上し操業コストを抑制するためにも、計測は必要です。この計測には従来オリフィス板が用いられてきましたが、オリフィス板による測定には制約と欠点があります。

  • 精度が低い
  • レンジアビリティが限定的( 3 : 1 または 4 : 1 )
  • 圧損が高い
  • 平方根誤差が避けられない
  • 設置コストが比較的高く、所有コストも高い
  • 導圧管には熱トレースが必要で、詰まる可能性もあり
  • ゼロ調整が必要
  • 漏出危険箇所が多い
  • オリフィス板の摩耗や損傷が精度に大きく影響する

 

ソリューション

当社の渦流量計digitalYEWFLOには、オリフィス板に比べて多くの利点があり、今回のようなアプリケーションでの利用が増えています。すでに述べたように、導圧管が不要でフランジ設置でインライン計測ができるため、配管と配線のコストが削減できます。シール箇所が少ないため定期保全コストが削減できて省エネルギーに役立ち、ゼロ点とスパンの調整が不要なためスタートアップが簡単です。レンジアビリティ(ターンダウン)はオリフィス板の10倍も大きく省エネルギーに役立ち、また圧損が小さい利点もあります。
この他にも、渦流量計にはオリフィス形流量計に比べて下記の利点があります。

  • 長期安定的な精度と再現性
  • ディジタル測定(オリフィス式流量計はアナログ)
  • 直線関係(平方根計算の必要なし)
  • オリフィス式流量計に比べて設置コストがかからない
  • 導圧管が不要
  • 定期保全が不要
  • プロセス流体の漏出の可能性を低減
  • 摩耗する可動部分なし
  • 極端な気象条件に対しても特別な保護が不要
図 digitalYEWFLO
図 digitalYEWFLO 

さらに、digitalYEWFLOは高温・高圧のアプリケーションにも対応できます。許容プロセス温度範囲は–196~+450℃(–328~+842°F)で、ANSI#900までのフランジが選べます。さらに、digitalYEWFLOにはデュアルセンサ形もあり、精油所で安全計装のためによく求められる冗長性と特殊な制御・警報機能に加えて、予知保全のための自己診断機能も備えています。これらの機能は、平均故障間隔が400年という高い信頼性のうえに築かれたものです。また、マルチバリアブル形もあり、内蔵温度センサの出力と、ソフトウェアに組込まれた蒸気表から、飽和蒸気の質量流量を演算します。これによって、圧力センサや温度センサを別途取付ける必要も、流量演算器を準備する必要もありません。

 

渦流量計の利点

  digitalYEWFLO渦流量計 オリフィス式流量計
精度 指示値の±0.75%(液体) 指示値の±3%
レンジアビリティ(ターンダウン) 10倍 -
圧力損失 1/3 -
資本支出(CAPEX) 1/3 -
操業コスト(OPEX) 1/10 -
導圧管 不要 必要
ゼロ点・スパン調整 不要 必要
口径 15~400mm 25~3000mm
プロセス温度 –196~+450℃ –40~+120°C
周囲温度 -29~85℃ -
圧力規格 ANSI#900まで 420barまで

 

おわりに

当社のdigitalYEWFLOは、1979年の発売以来、累積出荷台数は45万台を超え、世界ナンバーワンのマーケットシェアを獲得しています。

この技術を用いて、石油やガスの回収を最も効率的に行うことができます。

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