横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

水力発電ソリューション

水力発電は、水資源に恵まれた日本において古くから利用されている再生可能エネルギーであり、近年は中小水力発電の建設も活発化しています。YOKOGAWAは、制御および計装製品とソリューションを提供し、水力発電所の運営に貢献しています。

課題と解決

水力発電所構内における設備の見える化

お客様の課題

水力発電所には、水車や調速機をはじめ、ポンプ、圧油装置、冷却装置などの数多くの設備があり、これらの保全のためには定期的な点検が欠かせません。近年では、従来は対象としていなかった付帯設備の稼働状況など、確認することが望ましい点検項目は大幅に増加しており、その点検作業が大きな負担となっています。また手入力での集計には、台帳への記載ミスの課題も残ります。
さらに、お客様は定期的なメンテナンスによる予防保全を行っていますが、予期せぬ状況の変化により設備の突発的な故障も発生します。この突発的な故障への対策は、発電所の計画外停止の防止や、メンテナンス業務のさらなる効率化を図る上で必要不可欠です。
他方、重要設備に関しては、既にオンライン監視がなされているものの、上述の点検項目を反映することはシステム改造上の大きなハードルがあり、簡易的に収集できるシステムが望まれていました。

課題解決

YOKOGAWAは、以下のソリューションで効率的な運転、操業の実現に貢献します。

運転時の適切なデータ収集

  • 高信頼かつ優れた長期安定性
    YOKOGAWAの圧力伝送器・流量計をはじめとしたフィールド機器は、長年の実績に裏打ちされた高信頼かつ長期安定性に優れ、安定した操業の基盤となるセンシングを提供します。
  • 簡単な測定手段の提供
    Sushi Sensorは、設備保全用途向けのソリューションであり、ネットワーク設計が不要でかつ長距離無線通信を特長とするIIoTセンサです。広域にわたって配置された設備の保全に必要なデータを効率的に収集できます。
  • 柔軟な入力、監視画面の構築
    データロガーGM10はユニバーサル入力に対応し、メーカを問わず様々な機器から出力される統一信号を介してデータ収集を行うことができます。監視室に設置することにより、既設の各種機器のデータを集約・監視することが可能です。他方、遠隔地に設置された計器の出力信号をバッテリー駆動の無線入力ユニット(子機)で読み込み、920MHz帯無線通信を介してGM10(親機)で収集することも可能です。無線通信を活用することで配線を最小限に抑えられます。また、これらのデータはデータロギングソフトウェアGA10によって簡易的に監視画面を構築できます。
  • 入力ミス防止、長期傾向の把握
    測定データは、GM10およびGA10内にて自動収集・連続記録されるため、巡回時の読取ミスおよび集計時の手入力ミスを防ぐことができます。また長期間のトレンドを見られるため、傾向把握に役立てることができます。

業務の効率性向上

  • 巡視作業の負担減
    事務所での常時監視が可能になることで、計器の確認が不要となり、点検作業の負担を軽減します。
  • 本社・現場間のコミュニケーション向上
    公共/独立回線を経由し、本社などでも遠隔監視ができます。現場への点検指示や技術サポートなど、現場とのスムーズなコミュニケーションに活用できます。

データのさらなる活用

  • AIによる設備の予兆検知
    GA10には、正常状態を学習して、通常と異なる挙動がないかを監視するAI機能(違和感検知)が搭載されています。複数パラメータをリアルタイム解析し、正常状態と比較することで、設備故障が発生する前に予兆検知が可能です。お客様は、専門知識なく設備予兆保全に取り組むことができます。

YOKOGAWAは、お客様の操業上の課題を、データ収集機器と無線機器の組合せにより解決します。大規模システムの構築と比較して、追加の配線と工事を最小限にし、短期間での導入ができることから、低コストで運用開始できます。

水力発電所構内における設備の見える化

機器構成例

流れ込み式発電所の水門自動制御

お客様の課題

水路式および流れ込み式水力発電所とは、ダムのように貯水池がなく、川の水をそのまま発電所に引き込んで発電する水力発電所です。ごみや砂が取水に混入すると、発電機の水車の摩耗・損傷の原因となるため、取水を水車に入れる前に固形物を分離します。大雨などにより濁流が予想されるときは、取水口制水門を閉鎖して取水を停止する必要があります。
このため、取水停止のトリガーとして、河川やダム等の水位を非接触で測定可能な電波式水位計がよく使用されます。しかし、河川の水位と含まれる砂の量にはあまり相関がないため、水位のみで制御すると、取水停止が間に合わず砂が大量に発電所へ侵入し、設備の損傷や停止を引き起こすおそれがあります。また大量の土砂に埋没してしまった場合には、復旧に長い時間を要します。したがって、適切な制水門の制御の実現が求められていました。

課題解決

設備の損傷軽減

一般的な水位計で測定する水位と併せて、YOKOGAWAの表面散乱式濁度計TB400Gによって濁度を測定します。濁流によって流れ込もうとする砂を濁度計で計測することによって、水位だけでなく濁度も制御パラメータとして活用し、取水口制水門の開閉制御を行います。これにより、万一大量の土砂が発生した場合であっても、早期に検知し制水門を閉鎖して取水を停止できるため、設備に対する損傷を軽減させることができます。

低コスト・短期間での導入

一般に取水口制水門は監視室から離れた場所にあり、有線での配線にはコスト・工期的にも難しい側面があります。測定データは、データロガーGM10の920MHz帯無線通信を介して、離れた監視室にある産業用IIoTコンピューティングプラットフォーム FA-M3Vに取り込むことで短期間・低コストでの導入が可能です。

利用率の向上

取水を停止させた後に河川に流れ込む砂が減った際は、門を開放し取水を再開できるため、発電所の利用率の向上にも貢献します。

業務効率の向上

一連の門の開閉操作を自動化することにより、操作時に必要となる作業を削減できます。
また、産業用IIoTコンピューティングプラットフォーム e-RT3 PlusまたはデータロギングソフトウェアGA10によって、測定データの見える化や、公共/独立回線を経由した遠隔監視も可能となり、巡回点検作業の削減や、本社・現場間のスムーズなコミュニケーションに活用できます。

流れ込み式発電所の水門自動制御

機器構成例

関連製品・ソリューション

表面散乱形濁度計TB400G 表面散乱光測定方式の濁度計で、河川への土砂流入検知など高濁度測定用にも使用されています。自動洗浄、レンジフリー、自動校正ゼロなどの多くの機能を搭載しています。また、ランプ断線検出などの自己診断機能が充実しており、高性能・高信頼性を実現しました。
プログラマブルロジックコントローラFA-M3およびリアルタイムOSコントローラ e-RT3 あらゆる条件下でも安定した制御を実現するシーケンスCPUモジュール(ラダー言語)を含む、IIoT時代のエッジコンピューティングプラットフォームです。OSSや3rdパーティー製品との連携を可能にするLinux対応CPUモジュールとのマルチ構成により、設備の遠隔監視(状態監視/故障予知)も同時に実現します。
産業用IoT向け無線ソリューション Sushi Sensor 発電所内設備の状態基準保全(CBM)を実現する、産業用IoT向け無線ソリューションです。ポンプなどの各種設備の振動・温度・圧力のデータをオンラインで容易に収集できます。予期せぬ設備停止の回避、設備の点検工数の削減、および異常の早期発見に貢献します。
SMARTDAC+ データアクイジションシステム GM10 各計器やセンサーからのデータを、長期間にわたり記録することができるデータロガーです。信頼性、ノイズ耐性、測定精度、および使いやすさやメンテナンス性に優れています。920MHz帯無線通信にも対応し、現場―事務所間の省配線に役立つ他、現場での設置に便利なバッテリ駆動タイプもご用意しております。
SMARTDAC+ データロギングソフトウェア GA10 敷地内に分散設置された複数機器のデータを、ネットワーク経由でデータ収集できるソフトウェアです。点在するデータをPCへ一元化することで、監視・記録業務の効率化を進め、作業者の負担を軽減します。また専門知識がなくても使える「AI 違和感検知機能」を標準搭載し、設備の予兆保全に役立ちます。
圧力伝送器 EJA430J 水や蒸気などの気体、液体の圧力を測定し、4~20mA DCの電流信号に変換してロガーやPLCに伝送できる圧力伝送器です。精度±0.1%かつ長期安定性±0.1%/6ヶ月と高性能高安定、またタービンの蒸気量計測などの高速制御にも対応できる高速応答特性を特長としています。
電磁流量計 ADMAG AXW 主に水の流量を4~20mA DCの電流信号に変換して、ロガーやPLCに出力できる流量計です。耐摩耗性、耐腐食性に優れたライニング材質を用意しており、高精度で安定した流量測定をご提供します。迅速なスタートアップを実現するウィザード機能、機器の健全性診断機能などの特長があります。

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