お客様と共に成功させた48時間でのオフサイトシステム更新

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概要

Seibu Oil Company Limited, Yamaguchi, Japan
西部石油株式会社, 山口県山陽小野田市 ※画像をクリックすると西部石油様オフィシャルサイトへリンクします。

山口県にある西部石油株式会社山口製油所は、日産12万バレルの原油処理能力を持つ製油所です。ほかにも、真空蒸留装置、重油直接脱硫装置、連続触媒再生式接触改質装置、流動接触分解装置、ナフサ水素化精製装置、芳香族製造装置など高度な処理装置を持ち、環境にやさしい良質なガソリン、軽油、灯油、キシレンやベンゼンなどの石油製品を、昭和シェル石油やコンビナート各社に供給しています。

山口製油所のオフサイトシステムは、YOKOGAWAの最新の計算機システムオフサイトソリューションパッケージ『OMS-VP(OIL Movement Suite VP)』および統合生産制御システム『CENTUM VP』に同時更新されることになりました。製油所の操業への影響を最小限に抑えるため、YOKOGAWAに与えられたシステム切替の時間は48時間でした。YOKOGAWAは、既設システムを熟知している山口製油所のエンジニアの方々や代理店である新川電機のエンジニアと共に綿密なシステム更新計画を立て、予定されたスケジュールどおりにトラブルなくリプレースを成功させました。

お客様の課題とソリューション

山口製油所の入出荷、ブレンディングなどの操油作業を制御するオフサイトシステムと、操油プロセス全体を操作監視するための『CENTUM-XL』は、導入後25年が経過しており、さらなる操業の効率化を図るために、システム更新が検討されていました。また、原油受入や、中間製品・石油製品をタンクや出荷設備に移送するためのルートが紙で管理されていたり、限られた工数のなかでベテランから若手へのノウハウの伝承がなかなか進まないことなども課題でした。

短期間でのシステム切替を成功させた綿密な更新計画

製品を市場に安定供給するため、オフサイトシステムの停止期間は48時間以内というのが、お客様の絶対条件でした。需要や生産計画に応じてさまざまな石油製品を供給する製油所のオフサイトシステムは、非常に複雑です。YOKOGAWAは、既設システムを熟知しているお客様のエンジニア、代理店のエンジニアと共に、システム切替の1年以上前から、切替方案などの検討を始めました。工期を短縮しながら、工事の品質を確保しリスクを軽減するために、事前設置工事や事前通信テストなどの実施可否や、効率的な総合ループテストの方法などを検討しました。その結果、事前に可能な工事をできる限り進めた上で、48時間の停止期間内にシステムを切替えるという更新計画が策定されました。

A very detailed schedule

切替工事の詳細なスケジュール

A very detailed schedule

タイムスケジュールごとに定められた作業チェックリストの一部

計装室には、工場受入試験FATが完了した新しい計算機システム『OMS-VP』のサーバや、『CENTUM VP』のHIS (HumanInterface Station) とFCS (Field Control Station) が搬入されました。 操業中の操油計器室では既設のオペレータコンソールの反対側のスペースに、新しいHISが大型モニタと共に設置されました。

Control room during the construction phase

事前工事中のオペレーション・ゾーン

既設システムでの運転が続けられるかたわらで、新システムの立上げ確認や、上位システムとの通信テストなどの事前作業が行われ、いよいよシステム切替の日を迎えました。

既設システムがシャットダウンされた後、新しいFCSへのハードウェア更新、配線をつなぎ替えるなどの切替作業が行われました。新しいシステムを立ち上げ、昼夜を問わず約1,000点のループテスト、総合ループテスト、上位システムとつないでの最終テストが計画どおりに行われ、システムを再起動。計画通り48時間という短期間でのシステム切替に成功。新システムでのオフサイトの操業は、トラブルなく開始されました。後日、既設システムの撤去工事が行われ、プロジェクトは無事に完了しました。

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現地調整、ループテストの様子

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現地調整、ループテストの様子

オフサイトソリューションの導入による操油管理の改善

既設のオフサイトシステムは、YOKOGAWAのオフサイトソリューション『OMS-VP』にリプレースされました。冗長化されたフォールトトレラント・サーバを導入したことで、システムの信頼性も大幅に向上しています。

『OMS-VP』は、操油制御管理の分野において30年以上に渡りアプリケーションシステムを提供してきYOKOGAWAが、蓄積されたノウハウを元に開発したソリューションで、オフサイト自動化に必要なさまざまな機能が標準化されています。
『OMS-VP』は、
操油制御管理を行うOMC (OIL Movement Control) 、
タンクデータ管理を行うTIM (Tank Inventory Monitoring)、
操油制御を行うJOBCON (Job Control)および
配管管理を行うPATH などのパッケージから構成されています。

製油所のオフサイトでは、タンク間または入出荷設備とタンク間など、原油およびさまざまな中間製品・石油製品が複雑に移送されています。山口製油所では、3,500もの油移動のパスが、バルブやポンプなどの機器情報も含めてPATHパッケージによって定義され、可視化されました。パスリストと呼ばれるこのパス情報は、OMC による操油管理に用いられる非常に重要な情報です。

パスリストを用いて常に適切にパスが選択されることにより、製品にコンタミネーション(不純物が混じること)が生じるおそれがなくなり、製品品質の維持・ギブアウェイの最小化につながりました。また、これまでパスの変更時など設備の保守にはベテランのノウハウが必要でしたが、PATHパッケージによってパス変更の影響範囲が自動的に表示されるようになるなど、人に依存しない設備管理が可能になりました。

より働きやすく、コミュニケーションしやすいコントロールルーム

システム更新と合わせて更新された操油計器室の新しいデザインは、コントロールルーム・デザインを数多く手掛けるYOKOGAWAのインダストリアル・デザインチームがデザインしました。デザイナはお客様を訪問し、お客様の声に応える提案を作成しました。計器室の照明は、十分な輝度を保ちつつ、使用するランプの数を35%削減しました。HSE (Health, Safety and Environment) を考慮し、オペレーション・ゾーンの壁面を照らすように照明を配置することで制御画面とのコントラストを抑え、オペレータの目の疲労の軽減にも配慮しています。空調は、オペレータに直接風が当たらないようレイアウトされています。

Pre-revamp control room with CENTUM-XL

変更前の制御室(CENTUM-XL)

New control room with CENTUM VP

オペレータの健康と働きやすさを考慮した新しい制御室(CENTUM VP)

また、課題であったベテランから若手オペレータへの技術伝承を促進するために、計器室の一角に、大型モニタを備えたコミュニケーション・ゾーンを設けました。オペレータは少し顔を向けるだけで、コミュニケーション・ゾーンにいるメンバーと会話ができます。大型モニタでプロセスの状況を共有しながらのアドバイスなども、容易にできるようになりました。

Communication zone with large display

大型モニタを備えたコミュニケーションゾーン


今回の計器室更新では、オペレーション・ゾーン、コミュニケーション・ゾーンから隣接する計装室までのスムーズな動線を確保した、働きやすいレイアウトを実現しています。
(オペレーション・ゾーンは冷静な判断をするための寒色系に、コミュニケーション・ゾーンはリラックスしてミーティングが できるよう暖色系の色彩に、それぞれデザインされています)

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お客様の声

プロジェクトリーダーを務められた情報システム部門の制御技術係長笠井英充様は、更新プロジェクトについて次のようにおっしゃっています。

「私たちが重要視したのは、とにかく確実に更新を行うことでした。お客様への出荷の遅れがあってはいけませんし、関係装置の緊急停止や事故などは絶対に起こしてはなりません。決められた納期で確実に切替が行われ ることが重要でした。そこで、弊社のシステムを熟知しておられる横河殿とプロジェクトを進めることにしました。

Mr. Kasai

西部石油株式会社 情報システム部情報システム課 制御技術係長笠井英充様

今回のオフサイトシステムの更新では、各部署から経験豊富なベテランと若手と2名ずつ選出してプロジェクトメンバーに割り当てました。前回のシステム更新も経験したベテランのノウハウと、多くの更新経験を持つ横河殿のスキルが融合したことで、綿密な更新計画の策定、さらには足並みを揃えての確実な更新作業ができたのではないかと思っています。それを若手が一緒に経験することで、ノウハウの継承ができました。弊社ではあと1~2年でシステムを熟知しているベテランがみな退職してしまうという状況であったため、今回の更新は本当に良いタイミングで、最強のメンバーで臨むことができたと思っています。

計器室の更新については、横河殿から提案されたデザインをそのまま採用しました。収納場所も多く設計してくれたので、決まった場所に決まったものを収納でき、マニュアルなどもすぐに取り出せます。1日の仕事は、コミュニケーション・ゾーンの大型モニタを使って、当日のジョブの説明やシフト交替の情報共有をすることから始まります。大型モニタはオペレータの教育にも利用され、活用されています。

更新後の明るく清潔な計器室には、弊社のオペレータも大満足しているようです。」

YOKOGAWAのプロジェクトマネージャー山本英雄の声:

「今回のプロジェクト遂行にあたっては、西部石油様をはじめ、新川電機、YOKOGAWA間で相互に密なコミュニケーションが取れ、情報共有でき、非常に良い関係でプロジェクトを進めることができました。また、ベテランから若手への技術の伝承ということでは、プロジェクトメンバーにお客様の若手メンバーを起用していただき、それをベテランがサポートするという理想的なプロジェクト体制で臨めましたので、今後のシステム運用、保守につながっていくものと思っています。

西部石油殿にはパスリストの作成・検証、既設システムの移行、および48時間での切替工事に向けてのさまざまな調整や検討など共に行っていただき、感謝しております。おかげさまで無事故・無災害で切替工事を完遂することができました。今後もお客様の良きビジネスパートナーとなれるよう努力してまいります。」

Celebrating completion of the project

システム更新工事竣工のお祝いの様子

 

業種

関連製品&ソリューション

CENTUM VP

CENTUM VP(センタム・ブイピー)は、プラントの設計から、エンジニアリング、システム・機器の据え付け、生産立ち上げ、さらには稼働後の改修や変更を経て運転を終了するまで、プラントのライフサイクルにわたり最適な操作・エンジニアリング環境をお客様に提供する、CENTUMシリーズ最新の統合生産制御システムです。

既設システムの更新

現在お使いいただいているCENTUMシステムを含めた生産制御システムを、最小の投資で最新型の生産制御システムに更新するご提案をしています。自社システムだけでなく、他社の生産制御システムの更新についても対応をしています。

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