CellVoyager High-Content Analysis System CQ3000は細胞を培養しながら高精細な三次元画像を高速取得できるハイコンテントアナリシスシステムです。
用途に応じたオプションと組合わせ、目的にあったシステムを提供します。
蛍光励起光源 | 405nm、488nm、561nm、640nm固体レーザ |
対物レンズ | 2x、4x 、10x、20x 、40x、60x (ドライ、水浸、長作動) |
カメラ | 最大2台 sCMOS 有効画素数:2000×2000 画素サイズ:6.5µm |
オートフォーカス | レーザ方式 |
観察方式 | 共焦点画像、ワイドフィールド画像*1 |
ソフトウェア (オプション) |
ハイコンテント解析ソフトウェアCellPathfinder |
*1 Uniformizerオプション選択時に撮影可能です
はじめに
創薬市場において、薬効評価スクリーニングにおけるハイコンテントアナリシスシステムへの需要は年々高まっており、2Dから3Dやライブセルでの評価が主流となっています。
また、様々な臓器の一部を再現したオルガノイドやチップ上で臓器を再現するOrgan-on-a-chipなど、より人体に近い環境で評価する実験系や、複数の蛍光色素を用いた多色イメージングにより、細胞の成分、小器官などを形態学的にプロファイリングするCell Paintingなど、より複雑な評価系の構築が求められています。
ソリューション
CellVoyager High-Content Analysis System CQ3000は高速に高精細な画像を取得できる、ベンチトップのHCAシステムです。
低退色・低光毒性で高速に撮影できるYOKOGAWA独自の技術、共焦点スキャナユニット「CSU」と、高精度インキュベータが、安定したライブセル観察を可能にします。用途に応じてオプションを組み合わせることで、実現したいことにあわせた最適なシステムを提供することが可能です。高NAで深部が観察しやすい水浸対物レンズ、組織切片などタイル撮影に有効な均一化照明、条件に合ったサンプルを自動撮影するTarget Searchなど、実験の質の向上だけでなく、高速化・自動化にも大きく貢献します。また、Deep Learningに対応した専用の解析ソフトCellPathfinderを組み合わせることで、複雑な解析の実施、グラフによる結果表示までをサポートします。
ラボに最適な高性能ベンチトップHCA誕生!
高精細に撮影できる高NA水浸レンズ、視野全体を均一かつ効率的に照射できるUniformizer、2波長同時に撮影できるセカンドカメラなどをアプリケーションに応じて選択可能です。
ハイスループット
・独自の共焦点方式で高速に3D画像を撮影
・セカンドカメラで2波長同時撮影が可能
・心筋、カルシウム発火など、高速なアプリケーションに最適な最速100fpsオプション
高画質
・高NAの水浸レンズで明るく深部まで観察可能
・高量子効率のsCOMSカメラ搭載
・画像の隅まで均一に照射可能なUniformizer
ライブセル
・業界トップクラスのインキュベータ性能で、安定したライブセルイメージングを実現
・最長7日間のインキュベーションが可能
・低退色、低光毒性に撮影できる共焦点スキャナユニットCSU
オートメーション
・全体をスキャンし、条件に合ったサンプルを自動撮影
・外部連携可能なインタフェース(API)に対応
・OME-TIFF、Omeroなど、連携しやすいデータタイプの出力
詳細
シンプルな操作でハイスループットに撮影
2カメラオプション使用時のThroughput比較
2色を同時撮影できるので、高速で撮影が可能です。
また、低倍率での撮影など共焦点性を重視しない場合には、ワイドフィールド撮影で、露光時間の短縮が可能です。
YOKOGAWAだからできるライブイメージング
- 共焦点スキャナユニットCSUの低光毒性と、高精度な温度・位置制御技術が細胞にやさしく安定した培養環境下でのタイムラプス撮影を実現
- 自動給水機構にも対応し、より長時間の撮影が可能
CQ3000は一般的なCO2インキュベータと同等の環境を維持したまま、培養・撮影が可能です。
環境保持性だけでなく、細胞への影響も最小限に抑えることができます。
大量の情報を秘めた高精細画像
- 水浸レンズ搭載で高S/Nのクリアな画像を撮像
- 高倍率での詳細観察はもちろん、高NAレンズで撮影することで、今までより少ない撮影視野でも正確に画像解析
自社開発の高NA 20倍水浸レンズなら、20倍ドライレンズと比べ高精細に撮影できます。
40倍、60倍を置き換えることで効率よく撮影解析できます。
スフェロイドの撮影例
20倍水浸レンズは深部も高S/Nで撮影できます。
Uniformizer
励起系を調整し、視野全体が均一励起されるようにします。画像の中心部と外周部の輝度差がない、輝度分布がフラットな画像を得ることができます。 複数の視野を繋いで評価するタイリング解析などは視野間のつなぎ目のシェーディング由来の輝度差を低減できるため、画像間のつなぎ目などの影響を少なく解析ができます。
ソフトウェア
Target Search
低倍率でウェル全体をスキャンし、解析結果に基づいて対象物の位置を検出、高倍率で画像を取得できます。ウェル内のどこに対象物があるかわからないようなサンプルや、多数の細胞の中から条件に合った細胞のみを画像化・解析することができます。
- ターゲットを検出した視野のみで高倍率撮像するため、データ量と撮影時間を大きく削減
- ターゲットを中心に撮像するため、画像内の不要なスペース、タイリング作業を削減
- 2つの撮像プロセスを自動化することで、人の介在する時間やヒューマンエラーを削減
高速タイムラプス
最大で毎秒100枚(100fps)2波長同時に画像を撮像できます。
心筋の拍動やカルシウム発火、軸索内のシグナル伝達などなど、今までとらえることが難しかった高速現象を捉えることができます。
細胞培養用ゼラチン繊維基材(Genocel® 心筋評価用プレート、日本毛織株式会社)上で培養中のiPSC由来心筋細胞明視野像(左)と、カルシウム感受性蛍光色素(右)での染色像
心筋の拍動に対応して周期的に変動するカルシウムシグナル波形(上段)毎秒100フレームの高速撮像により波形の速い立ち上がり部分を十分なサンプリング頻度で捉えられている。(中段: 拡大波形、下段: 拡大波形の各タイムポイントの蛍光画像)
CE- Bright Field
複数のZ位置で撮影した明視野画像から、コントラストを強調した画像を撮影しながら生成します。生成画像は、細胞核の認識などに有効な落射蛍光画像のような画像(Fluor Type)と、細胞質の認識などに有効な一般的なDPC画像のような画像(Phase Type)から、どちらかまたは両方生成可能です。
明視野画像の輪郭を強調することで、状態の変化を正確に把握できます。また明視野画像解析で、領域認識が難しい場合に有効です。
ハイコンテント解析ソフトウェア CellPathfinder
直感的で使いやすいインターフェースで、大量の画像データを多角的に解析・グラフ表示にまで導いてくれます。また、Machine LearningとDeep Learning機能は解析対象の認識力を格段に向上、3D培養系やライブセルイメージング等より複雑で難易度の高い解析にも対応したHCAの強力なツールとなります。
【機械学習】
シンプルな操作で、ビギナーでも機械学習を用いた高度な解析が可能
【3D解析】
【ラベルフリー解析】
明視野画像から、ワードフィールド画像*1を作成しラベルフリー解析が可能
*1 Uniformizerオプション選択時に撮影可能です
製品仕様
項目 | 仕様 |
---|---|
共焦点方式 | マイクロレンズ付き広視野ニポウディスク共焦点 |
蛍光観察 | レーザ:最大4色 必須:488nm、561nm オプション:405nm、640nm ハイパワーレーザ オプション:488nm、561nm EMフィルタ:最大10枚(透過照明用1枚を含む) 観察方式:共焦点画像、ワイドフィールド画像*1 |
透過照明 | 明視野 LED光源 |
搭載カメラ | sCMOSカメラ 最大2台 2波長同時励起可能 有効画素数: 2000×2000ピクセル、視野サイズ:13.0×13.0mm |
対物レンズ | 下記より最大6本(水浸レンズ最大2本) ドライ: 2x、4x、10x、20x、40x 、60x 長作動:20x、40x 水浸:20x、40x、60x |
水浸レンズ機構 | 自動水補給機構 |
照明均一化機構 |
Uniformizer |
対応観察容器 | マイクロプレート(6、12、24、48、96、384、1536 ウェル)、スライドガラス*2、カバーガラスチャンバ*2、35mmディッシュ*2 |
ステージインキュベータ | 温度制御範囲 35 ~ 39 ℃ 温度設定分解能 0.1℃ 時間安定性 ±0.2 ℃以内 空間安定性 設定温度 ±1 ℃以内(周囲環境21 ~ 25℃の場合) 加湿方式 強制加湿 自動給水機構 |
オートフォーカス | レーザ方式、イメージベース方式 |
高速タイムラプス (オプション) |
最速100fps 2波長同時励起撮像対応 |
サンプル探索機能 (オプション) |
Target Search |
解析ソフトウェア (CellPathfinder) | 顆粒解析、神経突起解析、核形態解析、核トランスロケーション解析、細胞膜トランスロケーション解析、マシンラーニング、ラベルフリー解析、3D解析、テクスチャー解析、Deep Learning 他 |
その他機能 | 自己診断機能、CQ Analysis |
サイズ・質量 | 本体 W1031 mm x D401 mm x H600 m 84 kg 本体(Uniformizer、または2ndカメラ搭載時)W1177 mm x D401 mm x H600 mm 102 kg ユーティリティボックス W275 mm x D432 mm x H298 mm 17.6 kg ガス混合器 W275 mm x D432 mm x H298 mm 9.3 kg 専用ワークステーション W176.5 mm x D452.1 mm x H417.9 mm 21.7 kg ディスプレイ W611.6 mm x D190.1 mm x H535.2 mm 6.8 kg |
消費電力 | 本体 100 – 240 VAC 50/60 Hz 400 VA Max ガス混合器 100 – 240 VAC 50/60 Hz 60 VA Max 専用ワークステーション 100 – 240 VAC 50/60 Hz 1350 WMax ディスプレイ 100 – 240 VAC 50/60 Hz 55 WMax |
動作環境 | 本体、ユーティリティボックス:15 ~ 30℃、30 ~ 70%RH 結露なきこと |
*1 Uniformizerオプション選択時に撮影可能です
*2 サンプルホルダ(別売)が必要です
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ハイコンテント解析ソフトウェア
直感的で使いやすいインターフェースで、大量の画像データを多角的に解析・グラフ表示にまで導いてくれます。また、Machine LearningとDeep Learning機能は解析対象の認識力を格段に向上、3D培養系やライブセルイメージング等、より複雑で難易度の高い解析にも対応、HCAの強力なツールとなります。
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ニュース
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プレスリリース 2024年1月31日 CellVoyager High-Content Analysis System CQ3000を開発
~創薬や再生医療分野における研究開発の効率向上と新薬の迅速な実用化に貢献~
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