鉄鋼業界は今、かつてない変革期を迎えています。脱炭素化・カーボンニュートラルの実現に向けた技術革新、生産体制の強化・再編による国際競争力の向上、人手不足への対応と技能伝承を支えるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、さらにIoTやAIを活用した自動化・自律化により、生産性と安全性のさらなる向上が求められています。
YOKOGAWAは、長年培ってきた計測・制御・情報技術の知見を活かし、お客様にとって唯一無二のTrusted Partnerとして、変革の現場における課題解決と新たな価値共創をともに進めていきます。
課題と解決
DX推進
プラント情報管理システム Exaquantum
複雑な製鉄プロセスでは、操業データの収集・蓄積・編集・可視化が重要です。Exaquantumは、操業に関わるさまざまな部門で必要なデータを統合し、操業の改善点を定量的に把握できる環境を提供します。さらに、データのエクスポート機能により、外部ツールでの解析や帳票作成業務の効率化にも貢献します。
課題
- 操業データが一元管理されておらず、有効に活用できていない
- アラームから、品質異常や設備故障につながる要因を早く特定したい
- 工場のエネルギー使用量にバラツキがあり、コストがかかる
解決
- 制御機器や各種設備など、工場全体の操業状況を即時に把握できる環境を提供し、操業現場とスタッフの迅速な意思決定を支援
- アラームの履歴を自動集計し、アラーム発生時のプロセスデータや操作履歴と関連付けて分析することで、迅速に根本原因を特定して操業改善に貢献
- 設備ごとのエネルギー使用量を継続的に収集し、使用傾向を分析することで、エネルギー効率を向上
ソリューションリンク
リモート操作監視サーバ TSE
CENTUMで操業中の画面を遠隔環境で監視操作することができます。通常操業、保全業務、トラブル発生時など、製鉄所の多様な場面での即応性向上、業務効率の改善に寄与します。
課題
- 電気室でのメンテナンス時、オペレーターと連携しながらの情報共有が煩雑になっている
- 現場対応が必要な警報発生時、実際の操業画面の状況を把握しながら対応することが難しい
- 遠隔地から操業状況を共有する手段が限られている
解決
- ノートPCやタブレットPCを活用し、専用回線なしで電気室からCENTUMの画面を確認・操作可能(操作権限の制限も設定可能)
- 現場で警報発報状況や関連するプロセスデータをCENTUMの画面で確認でき、迅速な状況把握と初動対応が可能
- 遠隔地からのCENTUM画面共有により、リアルタイム操業状況の把握、トラブル対応、技術支援を円滑に実施
統合情報サーバ CIサーバ
製鉄所内のさまざまなシステムや設備のデータ、さらには他工場の情報も統合します。統合したデータから必要な情報を活用することで、「コストの最適化」「品質の向上」「運用効率の向上」を支援します。また、AIやロボットなどの多様なアプリケーションと連携することで、自律化・省人化運転や全体最適化の実現を支援します。
課題
- 熟練オペレーターの減少による現場対応力が低下している
- 各プラントやサイトの情報が一元管理できず、全体最適が困難になっている
- DX推進に必要なデータを活用できていない
解決
- 複数拠点の操業状況を遠隔から監視・操作可能にし、人財に依存しない運転体制を構築
- 地域や工場をまたいだ情報を統合し、操業状況の横断的な把握と活用
- 統合データをAIやシミュレーション技術に活用し、生産性向上と予兆保全を実現
製品リンク
安全・環境・防災
レーザーガス分析計 TDLS
プロセス配管やダクトに直接設置できる非接触型のレーザーガス分析計です。スペクトル面積法による高精度な測定、SIL2適合による高い信頼性、そして最短1秒(オプション)での高速応答により、製鉄所の過酷な環境下でも安定したガス分析を実現します。転炉ガスの回収や加熱炉煙道の爆発防止対策などに活用できます。
課題
- 高温・高ダスト・腐食性ガスにより測定が困難になる
- 高ダスト流体サンプリング装置を設けると、設置が困難なうえ、応答遅れが発生する
- 同一プロセスで複数のセンサーを使用して2成分を測定すると、応答タイミングのズレが発生し、メンテナンスも煩雑になる
解決
- 測定対象に触れない構造と、高精度なスペクトル解析による、過酷な環境下での安定測定の実現
- 配管への直接設置による省スペース化と、応答時間2〜5秒(最短1秒)の高速応答を実現
- 1台で2成分を同時測定することにより、応答ズレを排除しメンテナンス性も向上

製品リンク
光ファイバ温度センサ DTSX
フレキシブルに敷設可能な光ファイバセンサーにより、広範囲にわたる温度異常をリアルタイムで検知することができます。光ファイバのどの位置で温度異常が発生しているかを把握できるため、ベルトコンベヤの火災検知や炉体の劣化監視など、設備の状態に応じた適切かつ効率的な保全を実現します。
課題
- 広範囲の温度測定において、熱電対や測温抵抗体ではコストが高い
- ベルトコンベヤでの火災発生時や炉体での温度異常時、異常箇所の特定に時間を要し、損失が拡大する可能性がある
解決
- 光ケーブルをベルトコンベヤに沿わせる、または炉表面に巻き付けて敷設することで、広範囲の温度監視を実現
- SMARTDAC+ との連携によるグラフィック表示により、監視PC上で異常発生箇所を視覚的にわかりやすく特定可能

製品リンク
関連製品(アプリケーション事例)リンク
SMARTDAC+™ データロギングソフトウェア GA10 アプリケーション事例
フィールド無線ソリューション (ISA100無線の利活用)
フィールド無線技術を導入することで、従来の有線計装では設置が困難だった場所への機器設置や、短期間の仮設にも柔軟に対応することができます。ISA100.11a規格に準拠した高信頼・高セキュリティのデジタル無線通信により、有線伝送と同等の性能を実現します。
課題
- 配線が困難な箇所や配線コストの問題により、伝送器による監視をあきらめていた
- セキュリティ面の懸念により、無線システムを採用できなかった
- バッテリー消耗が早く、交換作業の工数や負担が懸念される
解決
- 有線での設置が難しい場所への機器設置と監視が可能であり、設置位置の変更も容易
- ISA100.11a規格に準拠した強固な暗号化技術により、高信頼・高セキュリティの通信が可能
- 通信およびセンサー動作の最適化による消費電力の低減とバッテリーの長寿命化により、交換作業の負担軽減と保守効率の向上に貢献
(例:EJX Lシリーズ差圧・圧力伝送器:更新周期30秒で約10年間/更新周期10秒で約5年間)
製品リンク
安全計装システム ProSafe
proSafeは、安全シャットダウンシステムとして国際規格 IEC 61508 に定められた高い安全レベル(SIL2〜4)を満たしており、安全機能の自動化と定量化を実現します。プラント異常時に安全にプラントを停止させることで、人員・設備の安全確保と環境リスクの低減に貢献します。
課題
- 水素関連設備の導入等に伴い、国際規格に準拠した安全システムの導入が求められている
- リレー式シャットダウンシステムは、設計変更や確認試験に多大な工数がかかる
- 燃焼炉設備の設置・運用において、JIS B 8415(工業用燃焼炉の安全通則)に対応した安全機能の強化が必要になっている
解決
- 導入時のコンサルティングからI国際規格準拠のエンジニアリングを含む安全計装システムの提供が可能
- 既存リレー回路のソフトウェア化と安全機能ロジックの見える化により、設計変更を容易にし、確認試験のを迅速化
- 安全機能を従来の制御系から分離し、SIL3適合の安全計装システム(ProSafe)で構築することで規格要求に対応
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設備保全管理
設備保全管理システム eServ
保全管理を支援するプラットフォームです。工場内に散在する予備品、図面、対応履歴などの保全関連データを集約し、保全業務の効率化と予防保全への転換を支援します。作業手順や点検ポイントの記録・活用により、保全計画の立案と技能継承を促進し、生産機会損失の低減に貢献します。また、クラウド機能により拡張性が高く、小規模なスタートにも柔軟に対応できます。
課題
- 故障後の対応が中心となり、生産機会損失が発生している
- ベテラン保全員の技能が属人化し、継承が困難になっている
- 全業務の工数が多く、報告作業に時間がかかっている
解決
- 過去の対応履歴や点検情報を活用し、故障前に計画的な対応を実現
- 保全作業記録を標準化し、情報共有を強化して技能継承を促進
- 予備品・対応履歴を集約し、報告書を自動生成して業務負荷を軽減
製品リンク
産業用IoT向け無線ソリューション Sushi Sensor
設備の振動・圧力・温度・スチームトラップなどの状態をオンラインで長期監視することで、異常兆候を早期に検知し、状態基準保全(CBM)を実現する産業用IoT向けの小型無線センサーです。収集したデータをもとに、故障リスクの高い設備を優先的にメンテナンスすることで、設備の稼働率を維持し、生産性の向上に貢献します。
課題
- 巡回点検において、異常の兆候を見逃すことがある
- 人手不足により、すべての設備を十分に監視できない
- 点検結果の管理が属人的であり、定量化・データ化されていない
解決
- 設備の傾向監視により、「いつもと違う」異常兆候を早期に検知し、見逃しを防止
- 高所や危険箇所を含む設備データの自動収集とオンライン化により、点検工数を削減
- 点検結果を定量的に評価・可視化することで、属人性を排除し、保守業務の標準化・効率化を実現
ソリューションリンク
産業用IoT向け無線ソリューション Sushi Sensor
スチームトラップリモート監視 スチームトラップ監視パッケージ
関連ソリューションリンク
Sushi Sensor収集データ活用パッケージ 振動監視パッケージ
設備保全向け遠隔監視クラウド 広域モニタリングシステム
設備保全向けデータ解析システム 産業用IoT データロギング&ダッシュボード
統合機器管理ソフトウェア PRM
フィールド機器や装置の状態、保全情報をオンラインで管理するツールです。メンテナンスやオペレーションの視点から設備情報を可視化し、総合的な管理を可能にします。制御ループ診断、バルブ診断、故障予測などの幅広い機能により、保全業務の効率化と設備パフォーマンスの最大化を支援し、TBM(時間基準保全)からCBM(状態基準保全)への変革を促進します。
課題
- 現場に行かないと設備の状態が把握できない
- 設備故障によって生産能力が低下する
- 報告業務の負荷が高く、保全リソースが不足する
解決
- 設備状態をリアルタイムで把握し、迅速かつ正確なアクションを立案・実行
- バルブ診断による劣化状態検出や制御ループ診断機能により、トラブルの未然防止や制御パフォーマンス改善を図り、安定操業を実現
- 保全作業の自動化とレポートの自動生成により、少人数での効率的な保全業務を実現
製品リンク
操業効率化
モノづくり変革ソリューション
モノづくり変革ソリューションは、お客様の製造現場におけるシステムと人をつなぐことで、“変化への柔軟な対応力”を実現するDXソリューションです。 製造業では、サプライチェーンの変化、設備の老朽化、気候変動などにより、4M(※)の変化が加速しています。従来の設計通りのモノづくりでは品質を維持できず、ベテランオペレーターの経験に頼って品質を維持している事態が増えています。 YOKOGAWAは、ベテランの知恵やモノづくり実績データからAIを活用して4M変化に対応する知恵を作り出し、これを既存の制御システムに加えてシステム化することで、4M変化に追従する新しい生産システムを実現します。
※4M:Man・Machine・Material・Methodの頭文字
課題
- 4M変化による歩留まりの低下が発生している
- 技術伝承・人財育成がうまく進まない
- DXを実施したいが、何から始めればよいか分からない
解決
- ベテランの知恵やモノづくり実績データからAIを活用し、4M変化に追従するための知恵を創出(①知恵の創出)
- 従来の自動化システムに加えて、創出した知恵をいつでも誰もが活用できる環境を実現(②知恵の利活用)
- 常に変化する4Mに備え、データを蓄積し知恵を創出するサイクルを実現(③知恵の蓄積・研鑽)
ソリューションリンク
関連ソリューションリンク
DPI仮説検証型ワークショップ
運転効率向上支援パッケージ Exapilot
Process Data Analytics
コントロールルームデザインサービス
製鉄所の自動化・自律化が進む中で、「人」と制御システムが協調する場としてのコントロールルームの設計はますます重要になっています。YOKOGAWAは、ISO 11064「コントロールセンターの人間工学的設計」に基づき、安全かつ効率的な操業を持続するために、働く人を考慮した設計を支援します。
課題
- 設備の集約や操業効率の向上を目的とした統合計器室の最適化設計が求められているが、専門知識が不足している
- オペレーターの負荷が高く、安全性や快適性に配慮した作業環境が十分に整備されていない
- 設計から実装までのプロセスで、関係者間の認識のズレや検討漏れが発生するリスクが高い
解決
- 国際規格(ISO 11064)と豊富な実績に基づき、現状を分析し、最適な統合計器室の設計を提案
- 「働く人の特性」に配慮した人間中心設計により、安全で安心できる作業環境を実現
- 構想段階から実施設計まで一貫してサポートし、抜け漏れのない設計とスムーズな合意形成を支援


サービスリンク
品質管理
品質情報管理支援パッケージ OpreX Laboratory Information Management System
品質管理部門や試験部門、受託分析業において、高品質な試験結果の提供、業務の迅速化・正確性向上、コスト削減といった課題を解決するために開発されたLIMS(※)パッケージです。試験計画から出荷判定までの試験工程全体を支援し、自動化によって業務効率の向上とデータ品質の向上を実現します。
※LIMS: Laboratory Information Management System
課題
- 計算・転記作業に時間がかかり、ヒューマンエラーのリスクがある
- 紙ベースの記録により、過去データの検索や保管が非効率になっている
- 試験進捗や品質データの可視化・共有が困難になっている
解決
- 計算・報告処理の自動化と分析機器からのデータ自動収集により、作業効率と正確性を向上
- 大量の分析データを扱う場合でも、データの保管やメンテナンスが容易
- 電子記録によるトレーサビリティーの確保と、進捗の可視化による業務全体の効率化
ソリューションリンク
品質情報管理支援パッケージ OpreX Laboratory Information Management System
カーボンニュートラル対応
エネルギー最適化ソリューション
製鉄所では大量のエネルギーを消費するため、エネルギーの最適運用は重要な課題です。製鉄所全体のエネルギー設備をモデル化し、常に変化する需要と供給に対して、各種操業条件を満たしながら、制御技術を活用してエネルギーの最適化を実現します。
課題
- 多様なエネルギー源(副生ガス・電力・蒸気など)の有効活用が難しく、ムダやコスト増が発生している
- 需給や操業条件が常に変化し、最適なエネルギー配分が難しい
- 設備更新や経年劣化で、最適な運用を継続できないリスクがある
解決
- 製鉄所全体のエネルギー設備をモデル化し、リアルタイムで需給を把握して効率的に運用
- BTG設備や共同火力へのエネルギー供給量を制御し、操業条件を満たしながら最適運用を実現
- 導入後もモデルのリチューニングが可能な仕組みを提供し、継続的な最適化を支援
製鉄所エネルギー関連設備の最適化運用

ソリューションリンク
工場エネルギー操業支援システム Enerize E3
製鉄所におけるエネルギー消費を「熱量」「電力」「コスト」「CO₂排出量」などの多軸で可視化・分析することで操業の現状を定量的に評価し、改善の方向性を明確にします。製品ロット単位でのCO₂排出量の算出も可能で、環境対応と操業効率の両立を支援します。
課題
- CO₂排出量の把握が不十分で、環境対応が後手に回っている
- ユーティリティー設備の運転効率が見えづらく、改善が進まない
解決
- 製品ごとのエネルギー使用量をもとにCO₂排出量を定量化し、環境報告や顧客対応に必要な根拠あるデータを提供
- 蒸気・電力・冷却水などの使用状況のKPI評価と、ムダの可視化による改善ポイントの明確化
製品リンク
関連情報
焼却炉のためのソリューション
業種: 鉄鋼
製品: 2線式電磁流量計ADMAG AXR
キーポイント: 2線式二周波励磁方式による集塵水流量測定
4つのリモート入力と8個の内部スイッチの組み合わせで 8種類のメッセージ書き込みが可能です
動画
広大なプラントのオート監視における技術面、コスト面の課題をDTSX光ファイバ温度センサが解決します。
YOKOGAWAは、ワンストップソリューションビジネスを更に広く伝えるため、INCITとの提携によってS.I.R.I.フレームワークを提供しています。
本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください
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