概要
微粉炭を燃料とした発電用ボイラの大部分は大型の設備であり、燃焼の制御と管理に酸素計は不可欠です。
サンプリング方式の酸素計を用いた場合、微粉炭ボイラにおいてはダストの発生量が多くしかも排ガスの流速が大きいため、磨耗や詰りなどによってメンテナンスの工数や費用が増大するという問題があります。
この問題を解決するのが、完全ノーサンプリング方式であり、かつ、長寿命のセンサを持つ 「ZR22G/ZR802G ジルコニア式酸素濃度計」です。
なお、検出器には、プローブ部の磨耗対策としてプローブプロテクタを付加します。
お客様の期待
- 微粉炭ボイラの燃焼効率を上げたい
- 連続で安定した湿度を測定したい
- ランニングコストを削減したい
- 設備更新のイニシャルコストをミニマムに抑えたい
プロセス概略
ボイラの燃料として一般に油や天然ガスが使用されますが、安価で価格も安定している石炭も使用されます。石炭は油や天然ガスと異なり,燃焼後に多量の灰を発生させます。
微粉炭ボイラは、灰の除去装置(サイクロンなど)が付いてはいるが排出ガスに多量のダスト (10~30 g/Nm3 )が含まれること、多量の空気を吹き込むので排ガスの流れも速いことが特長です。大型ダクトにおいてのO2測定には、挿入長の長い検出器が使用されます。
YOKOGAWA のソリューション
フィールドデータ
プロセス条件
測定点:エコノマイザ出口
温度:300 ~ 400℃
流速:≦ 30 m/s
圧力:± 1.5 kPa
ダスト量 :約 15 g/Nm3以下
燃料:微粉炭
ユーティリティ
定格電圧:100 ~ 240 V AC
定格周波数:50/60 Hz
消費電力:通常 330 VA、最大 800 VA
計装用空気(比較ガス用)
圧力:300 ~ 700 kPa
測定システム
検出器:
ZR22G- □□□ -S- □ - □ - □ - □ -J-A/CV
プローブプロテクタ:
ZO21R-L- □□□ - □ *B
変換器:
ZR802G-□-□-N-N /□
流量設定器:
ZA8F-J *C
校正ガスユニット:
G7001ZC
G7013XF
E7044KF
留意点
- 検出器のプローブ部をプローブプロテクタで保護し、ダストによってプローブ部が磨耗等のダメージを受けるのを防いでください。
プローブプロテクタは、先端の切り欠き部が排ガスの下流側になるよう取り付けます。 - 検出器は、できるだけプローブ先端が下向きになるよう設置することをお勧めします。下図のように、水平方向となるように設置しても構いませんが、プローブ先端が測定ガスの上流向きとなることは避けてください。
業種
関連製品&ソリューション
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分離型ジルコニア式酸素濃度計ZR22G, ZR802G
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校正ガスを使用せずにセンサの劣化状態を自己診断でき、現場でヒータアセンブリ一式を交換できるなど、メンテナンス性に優れ、OPEX削減に貢献します。 -
酸素分析計
燃焼管理や制御に最適なジルコニア式、可燃性ガスを含むガスでも測定可能な磁気式、リフロー炉・グローブボックスなどの雰囲気ガスを測定する低濃度酸素濃度計など安全計装のため用途に合わせたラインアップです。