現状と課題
ベルトコンベア火災に伴う経営/社会的信頼へのダメージ
ベルトコンベアのローラはベアリングの摩耗等が原因で回転不良となり、最終的に火災を引き起こすことがあります。その場合、プラントは長期間の生産停止を余儀なくされ、経営に致命的なダメージを与えます。このため、コンベアの全てのローラを常時監視することは、火災回避/生産性の確保のために重要ですが、従来方法では課題がありました。
ポータブルのサーモカメラを用いた巡回点検
- 温度上昇のし始めなどは検知できず、あくまでも巡回点検時に異常を発見
- コンベアは危険エリアに存在することも
無線ポイント型センサの設置
- 一部のローラの健全性監視のみ
- 全てのローラにセンサを設置した場合、初期導入コスト/ランニングコストがかさむ
従来型の火防線(LHD)の設置
- 2つの金属線の被覆が溶け短絡することで火災を検出する仕組みのため、ローラの異常温度の検出は不可能
ベルトコンベアの火災は、経営へのダメージだけでなく、社会的責任という観点からもそのリスクは 計り知れません。
当社のソリューションとお客様メリット
火災を予知する、統合されたソリューション
- 長大なコンベアのリアルタイム監視が可能
- 監視画面にコンベアを描画することで高い視認性を実現
- リモートの監視/診断によりローラ故障を予知
- 事後保全/予防保全に比べ、生産停止期間は 7~10分の1、OPEX は70 %削減
各保全方法の生産停止期間の比較
統合されたベルトコンベアローラ監視ソリューション
DTSXによる「光ファイバセンシング」の特長
1 m ごとの温度分布監視
- 監視距離:~ 50 ㎞
- 監視温度:-200 ~ 300 °C
- 最短監視周期:約 5 秒
- 温度分解能:0.03 °C
*: 各仕様は条件に依存
おもな特長
- 広いエリア、普段人が立ち入らないエリアでも、24時間365日監視可能
- 電源不要/防爆/電磁ノイズの影響なし
- フレキシブルな敷設
- DCS などの上位システムとの高い親和性(Modbus/TCP)
その他事例
新たなベルトコンベア火災検知システムの早期導入
本お客様はもともと火災検知を目的に火防線(LHD)を導入していましたが、その火防線のカバー範囲は最長3 kmで、かつ火災発生場所をピンポイントで特定することはできないという課題がありました。
その後、予期せぬ火災が発生し、早急に新たな火災検知システムの導入を行う必要がありました。
当社は早急に現場でのフィージビリティスタディを行い、少ないリードタイムでシステムが納入できたことで、お客様から確固たる信頼を得ることができました。

広大な銅山におけるバイオリーチングの管理を実現
バイオリーチングは、低品位の鉱石から金属を抽出するための一般的な有機処理です。 有機処理にはバクテリアの適用を含みますが、それは高温または低温の場合にその効果を失います。課題は、広大なエリアの井戸水位の温度プロファイルを測定することでした。従来型の電気的な温度センサではそのような温度監視は困難であったため、本お客様は当社のDTSX を採用されました。このソリューションは高解像度の温度プロファイルを提供し、また、特別な知識を必要としません。
監視画面に 24 時間表示された温度データにより、お客様は温度調節のための必要なアクションを取ることができています。

* いくつかの図は Frost & Sullivan 作成の eBook「Digitalize Conveyor Belt Monitoring」から引用しています。
関連製品&ソリューション
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光ファイバ温度センサ DTSX200
DTSX200 は、温度測定対象や領域が小中規模で、光ファイバケーブルが短距離の場合に最適な、普及版機種です。低消費電力であることと、温度測定環境に左右されることが少ないため耐環境性に優れています。
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光ファイバ温度センサ - 火災検知/火災予防 -
光ファイバケーブルそのものが温度センサとして機能する技術を採用。長距離、広範囲に渡る温度分布を測定し部分的な温度変化を見逃さないので、プラントはもちろん、温度監視を要する分野で威力を発揮します。