YOKOGAWAは、2050年度までの温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロの実現に向け、サプライチェーン全体で排出量削減を推進しています。
当社は、パリ協定の「1.5℃目標※1」と整合した排出削減目標および取り組みが評価され、SBTi(Science Based Targets initiative)からNet-Zero目標※2の認定を取得しています。
さらに、Scope1およびScope2排出量については、中期経営計画GS2028におけるサステナビリティ指標として、2030年度までのカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、グループ一体となって排出量削減に取り組んでいます。
※1 1.5℃目標:産業革命以前に比べて、世界の平均気温の上昇を2℃以下に、できる限り1.5℃に抑える目標。パリ協定で定められている。
※2 Net-Zero:Scope1、2、3においてGHG排出量を90%削減したうえで、残余排出量10%は、カーボンクレジットによりオフセットすることを想定
YOKOGAWAのGHG削減目標
| 目指す姿(サステナビリティ指標) | SBTから認定を取得した目標 | |
|---|---|---|
| Scope1+Scope2 |
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| Scope3 |
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| Scope1+Scope2+Scope3 |
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※3:GHG排出量を90%削減したうえで、残余排出量10%は、カーボンクレジットによりオフセットすることを想定
※4:カテゴリー1(購入した商品・サービスによる排出)とカテゴリー11(販売した製品の使用による排出)が対象
Scope1, 2
削減目標と実績
2024年度は、前年度より事業活動は拡大したものの、エネルギー使用量の削減を目的にした「減らす」施策と、クリーンなエネルギー調達に切り替える「置き換える」施策を中心にグループで約3.2億円を投資して75件のプロジェクトを実施した結果、グループ全体のGHG排出量(Scope1,2)を前年度より約14%削減、基準年である2019年度比で約42%削減しました。これは、グループ全体で技術や知識の向上に取り組み、削減プロジェクトを推進した結果です。
| 指標 | GHG排出量Scope1,2 (基準年2019年度) |
|---|---|
| 目標 | 2030年度までにカーボンニュートラル達成※5 ※5 GHG排出量を90%削減したうえで、残余排出量10%は、カーボンクレジットによりオフセットすることを想定 |
| 実績 | 2024年度41.7% |

Scope1, 2:削減目標と実績
Scope1, 2排出量の削減に向けて
カーボンニュートラルの達成に向けて、エネルギー使用量の削減を目的とした「減らす」、自らクリーンエネルギーを創ることを目的とした「創る」、クリーンなエネルギー調達に切り替える「置き換える」の3つを軸とした活動に取り組んでいます。目標達成に向けて、グループ共通施策やロードマップを明確にするとともに、投資に対する経済合理性を判断するための指標としてインターナル・カーボン・プライシング(ICP)を活用しています。また、役員の報酬制度や社員の目標管理制度にGHGやエネルギーに関する指標を組み込んでいます。

グループ共通施策
| 「減らす」 エネルギー使用量の削減 |
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|---|---|
| 「創る」 自らクリーンなエネルギーを創る |
|
| 「置き換える」 クリーンなエネルギー調達に切り替える |
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Scope1, 2削減のロードマップ
「減らす」、「創る」、「置き換える」の3つの活動を推進することで排出量削減を着実に進め、2030年度のカーボンニュートラル達成を目指します。
2023年度に策定したロードマップ

⑴減らす:エネルギー使用量削減
エネルギー使用効率化の指標と目標
YOKOGAWAは2030年度に向けて事業を拡大するための設備資産の拡張を計画しており、エネルギー使用量の大幅な拡大を見込んでいます。一方、世界的なエネルギー効率改善への要求の高まりやエネルギー調達コストの高騰をうけて、より少ないエネルギーでより大きな価値を生み出し続ける必要があります。YOKOGAWAはグループ全体の効率改善を目指してエネルギー使用効率指標を掲げ、2030年度までに2023年度比でエネルギー使用量(売上原単位)※6を30%削減する目標を設定しています。
2024年度は、グループ各社でエネルギー削減施策を遂行することにより、エネルギー使用量(売上原単位)を前年度比で14.3%削減し、年間のエネルギーコストを1.0億円削減することができました。今後も「エネルギー使用効率化」と「価値拡大」の両立を目指して、目標達成に向けた取り組みを進めていきます。
※6一次エネルギー換算したエネルギー使用量と連結売上高により算定しています。
| 指標 | エネルギー使用量(売上原単位・基準年2023年度) |
|---|---|
| 目標 | 2030年度30%削減 |
| 実績 | 2024年度14.3% |

⑵創る、⑶置き換える:再生可能エネルギー由来電力の創出と調達
再生可能エネルギー由来電力の使用実績
2025年3月末時点でドイツ、オランダ、英国、ベルギー、スペイン、イタリア、中国、韓国、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、ブラジル、インド、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、南アフリカ共和国、オマーン、日本の21カ国、36サイトで再生可能エネルギー由来電力を使用しており、グループ全体の電力使用量に占める再生可能エネルギー由来電力の割合は2024年度は42%と大幅に上昇しています。

インターナル・カーボン・プライシング(ICP)
経済的合理性の高いGHG削減施策を推進するため、2022年度よりICPの運用を開始しました。GHGやエネルギー削減の施策計画時に想定されるGHG排出量の増減を金額換算し、財務的な判断に加味することで、GHG排出量の影響を踏まえた意思決定をしています。
グループ全体を対象に、Scope2の削減に大きく寄与する再生可能エネルギー電力の調達への投資をターゲットに炭素価格を設定しています(ICPのタイプ:implicit price、価格:2,000円/t-CO2)。ICPの方針や炭素価格は、サステナビリティ委員会で審議し決定します。
今後は、Scope1やScope3、また、設備投資などを含む事業計画の立案などにも順次ICPを適用し、炭素価格を設定していきます。
報酬制度や目標管理制度への組み込み
Scope1およびScope2の削減ならびにエネルギー使用効率化に関する目標は、執行役の報酬制度の評価指標として組み込まれています。また、これらの指標は、社員の目標管理制度にも組み込まれており、役員レベルの実行責任者から各組織のメンバーへとカスケードされています。これにより、グループ全体で目標達成に向けた取り組みを推進しています。
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Scope3
削減目標と実績
Scope3では、2030年度までに「購入した商品・サービス(カテゴリー1)」および「販売した製品の使用(カテゴリー11)」の合算で2019年度比30%の削減、そして、2050年までにScope3の全カテゴリーでカーボンニュートラルを達成することを目指しています。
2024年度は、カテゴリー1とカテゴリー11の合計で基準年である2019年度比で3.8%の削減となり、前年度より10.9%の減少となりました。サプライヤーとの協調活動に注力しており、排出量の増加を抑制しました。なお、2024年度の実績より、カテゴリー1の算定方法を見直しました。転売品の調達を算定の対象範囲に含めるとともに、一部の主要サプライヤーから直接入手した排出量の実績(一次データ)を当社グループの排出量の算定に反映しています。
| 指標 | GHG排出量Scope3(基準年2019年度) |
|---|---|
| 目標 |
2030年度までに30%削減 (2019年度比)※7 |
| 実績 | 2024年度3.8%削減※7 ※7 カテゴリー1(購入した商品・サービスによる排出)とカテゴリー11(販売した製品の使用による排出)が対象 |


削減への取り組み
YOKOGAWAにおいては、Scope3全体の約87%がカテゴリー1とカテゴリー11に由来しており、カーボンニュートラル達成の重要な鍵となっています。2050年度の目標達成に向けて、サプライヤーとの協働、既存製品の低消費電力化、GHG排出量の少ない製品やソリューションの開発を加速し、GHG排出量の削減に取り組んでいます。Scope3の削減は、短期間での実現が困難なためロードマップを描き、長期的な視点で取り組むことで目標達成を目指していきます。
購入した商品・サービス(カテゴリー1)
2023年度までは、調達金額に外部データベースで公表された排出原単位(二次データ)を乗じて、カテゴリー1排出量を算定していました。 しかし、この方法では、お取引先様の温室効果ガス(GHG)削減の取り組みを算定結果に反映できないという課題がありました。
この課題に対応するため、お取引先様との対話・エンゲージメントを強化し、2024年度からは、一部の主要サプライヤーから直接入手したGHG排出量の実績(一次データ)を当社グループの排出量の算定に反映しています。
2025年度には、一次データの活用範囲をカテゴリー1排出量の6%まで拡大しました。また、カテゴリー1排出量の5%について、第三者認証済みデータを活用し、データの信頼性向上に努めるとともに、今後の一次データ活用拡大に向けたデータ集計の標準化を進めています。
販売した製品の使用(カテゴリー11)
既存製品の設計変更や新製品開発時に省エネルギー設計を推進しています。また、カテゴリー11の算定に活用していた製品の電力使用量を、製品の最大使用電力値から実運用値に変更し、算定精度の向上を図りました。
2024年度は、カテゴリー11の排出量が大きい製品を優先し、設計の見直しに着手しました。消費電力がより少ない部品への変更、製品重量の最適化や製品の省電力モードの追加など、さまざまな施策を検討しています。2025年1月に販売を開始した電池電極WEB厚さ計「OpreX Battery Web Gauge ES-5」では、新しいフレーム構造による軽量化を実現し、従来機種と比べて、総消費電力を2分の1以下に削減しました。
TCFDの提言に基づく情報開示
YOKOGAWAは、2019年2月に金融安定理事会(FSB)が気候変動に関する財務情報の開示を推進するために設立した「気候関連財務情報開示タスクフォースTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」による提言の支持を表明し、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を行っています。
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