YOKOGAWAは、環境や社会に関わる課題の解決そのものが我々の存在意義であると考え、「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」というYokogawa’s Purposeを制定しました。このYokogawa’s Purposeに基づきサステナビリティに関する貢献分野を明確にし、短期、中期、長期のサステナビリティ目標を設定して取り組んでいます。2024年からスタートした新中期経営計画「GS2028」でも継続してサステナビリティ目標を設定しています。
マテリアリティ分析に基づく貢献分野の設定
「社会・環境への影響」および「自社の価値創造や事業モデルへの影響」の両面における重要性をマテリアリティと定義しています。 2021 年に策定した前中期経営計画 AG2023 において、各事業の関係者に対するサーベイに基づき、重要性が高くかつ自社が解決すべき課題(重点課題)と 貢献のテーマ(貢献分野)を選定しました。 GS2028 の策定時にもマテリアリティ分析を実施し、YOKOGAWA の貢献分野を再確認しました 。
マテリアリティ分析のプロセス
- 分析の対象は、「事業機会に関するアイテム」と「マネジメントに関するアイテム」とし、企業価値創造(および毀損防止)に向けた事業活動全般を網羅
- 「社会・環境への影響(社会軸)」および「自社の価値創造や事業モデルへの影響(事業軸)」の両面から個別アイテムのマテリアリティ(重要性)を評価し、注力領域を選定
- ステークホルダーの視点で注力領域の妥当性および網羅性をレビュー
- 選定した注力領域に基づき、解決すべき課題(重点課題)と貢献のテーマ(貢献分野)が適切であることを確認
6つの貢献分野と重点課題
![ThreeGoals_ContributionAreas](http://web-material3.yokogawa.com/19/31433/tabs/ThreeGoals_ContributionAreas_Symbol_JP.png)
貢献分野 | 重点課題 |
---|---|
カーボンニュートラルの達成 | GHG排出の抑制と、安価で信頼できる持続可能なエネルギーへの転換 |
企業や社会の効率化 | DXによる生産の効率化、自律化と資源・エネルギーの効率的利用 |
ライフサイクル最適と環境保全 | プラント資産の長期最適運用と環境負荷低減の両立 |
安全と健康の向上 | ライフイノベーションの推進とプラント、地域社会の安全向上 |
資源循環型エコシステムの創造 | バイオエコノミーや資源循環システムの確立 |
能力を発揮できる環境の実現 | 一人ひとりが尊重され平等であり活躍できる環境の整備 |
サステナビリティ目標
設定した重点課題に対し、2030年に向けた「社会インパクト指標」の目標と、2028年に向けた「事業活動指標」および「サステナビリティ・トランジション売上」の目標を設定しています。社会・環境への貢献を示す「社会インパクト指標」は、「事業活動指標」を推進することで達成を目指します。
「事業活動指標」は、GS2028において社会へ貢献しながら成長を加速するために重要な活動に対して設定しており、それぞれ担当する役員が責任を持ち、目標達成のための活動をグループ内の各組織に落とし込んでいます。指標と目標は、外部環境の変化に応じて適宜、見直していきます。
社会インパクト指標
6つの分野の重点課題に対し、社会的インパクトの観点で2030年に向けた指標と目標を下表のとおり設定しました。
貢献の分野 | 貢献するSDGs | 指 標 | FY30 (FY50) 目標 |
---|---|---|---|
カーボンニュートラルの達成 | ![]() ![]() |
お客様事業のCO2排出抑制量(FY18からの累計) | FY30 10億 t-CO2 (内、50%以上は再生可能エネルギー、新技術による) |
温室効果ガス排出量(Scope1,2)(基準年FY19) | FY30 100%削減 | ||
温室効果ガス排出量(Scope3)(基準年FY19) | FY30 30%削減* FY50 100%削減 *購入した製品/サービス(カテゴリー1)および販売した製品の使用(カテゴリー11)が対象 |
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企業や社会の効率化 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
お客様の生産性効率化で創出された経済価値 | FY30 2兆円 |
エネルギー使用量(売上原単位・基準年FY23) | FY30 30%削減(平均5%改善/年) | ||
ライフサイクル最適と環境保全 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
持続可能な操業に貢献している工場の数 | FY30 2万工場 |
取水量(売上原単位・基準年FY23) | FY30 20%削減 | ||
安全と健康の向上 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
安全や健康に貢献している人数 | FY30 1億人 |
労働災害発生率 (労働災害発生件数÷延べ実労働時間×100万時間) |
FY30 0.40以下 | ||
資源循環型エコシステムの創造 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
持続可能な素材に関する指標 | 中計初年度中を目途に決定 |
能力を発揮できる環境の実現 | ![]() ![]() |
社員のWell-beingを高めるエンゲージメント | FY30 84%以上 |
変革に向けた人財育成・能力開発の実績 | 将来的な横河のビジネスニーズに対応するための従業員の能力向上(スキル等を含む) | ||
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの達成度 |
FY30 女性管理職比率 20% |
事業活動指標
社会インパクト指標の目標達成に向け、各事業セグメントごとに2028年に向けた売上高などの指標と目標を設定していきます。
サステナビリティ・トランジション売上
サステナビリティへの貢献拡大と同時に事業の成長を促進するため、今後、6つの貢献分野における事業活動の売上を、サステナビリティ・トランジション売上として算出していきます。算出にあたっては、国際社会におけるサステナビリティの基準を参照した独自の基準を設定し、その基準をクリアしたものをサステナビリティ・トランジション売上とします。2030年に向けて、売上全体におけるサステナビリティ・トランジション売上の割合を拡大していきます。