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異質との共創が促す自己変革(1)
未来共創イニシアチブ

異質との共創が促す自己変革(1)

※本記事では、所属する組織ではなく、個人の見解として語っていただきました
※所属や役職は記事制作時(2025年12月)のものです
※取材場所は、MIRAI LAB PALETTE(MLP)

今回は、「2040年の未来シナリオ」作成という共創プロジェクトをリードしたシナリオアンバサダー4名のストーリーを紹介する。理工系出身の彼らが、第2世代メンバーとして未来共創イニシアチブに参加したのは2023年1月のこと。彼らは1年かけて未来シナリオのドラフトを作成し、次の1年でそれをブラッシュアップ。そして最終的にホワイトペーパー「2040年の未来シナリオ:不確実な地平線を描き出す」へと昇華させた。グローバル企業・組織を対象とする本ホワイトペーパーは、まず英語で作成された。

経営幹部や研究者、そして国内外の専門家との対話を通じて、真の意味での共創を体験した彼らは、現場で何を学び、どのような変化を見せたのか。次世代リーダーである、彼らのリアルな声をお伝えする。

合議制では、良い対話は生まれない ~高畑圭輔~

大学で物理学を専攻した高畑圭輔は、入社後、電子工学分野へ配属され、現在はプラント向けセンサー開発に従事する。彼はある出来事がきっかけで、未来共創イニシアチブへの参加を決意したという。

「未来を描くことを目的に実施した部内活動で、ファシリテーターとしてうまくリードできなかった経験がきっかけでした。このままではいけないと思っていた矢先に、アンバサダーの社内公募があり、直感で手を挙げたんです」

高畑氏

YOKOGAWAの未来シナリオは、まずアンバサダーがドラフト(仮説)を作成し、社内外での対話を通じて内容をブラッシュアップする。その後、「ホワイトペーパー」としてまとめるため、米国に拠点を置くグローバルリサーチ会社と英語でディスカッションを行う。高畑はその中心的役割を担った。

「私たちの未来シナリオは、国や産業を超えてスコープをBtoBtoCにまで広げました。未来について対話する際のツールとして、誰でも活用できる内容を目指しました。だからこそ、グローバルな視点で検討し、あらゆるデータやファクトで情報を整理・分析し、検証しながら、ホワイトペーパーを完成させたのです」

その過程で、高畑は貴重な経験をする。

シナリオは、蓋然性の高い重要な変化(メガトレンド)と、将来を左右する2つの重要な不確実要因(シナリオドライバー)の掛け合わせによって描かれる。シナリオドライバーを決定するために、高畑は米国チームと何度もやりとりを重ねたが、最初のうちは議論がスムーズに進まなかった。

その原因は、自分の決断よりもチームの合議を優先していたからだと、高畑は振り返る。実際に本業の開発職では、合議による正解を求められることが多い。

小林氏と高畑氏

一方、米国チームは皆プロフェッショナルで、とにかく処理やレスポンスが早かった。

「合議制だと時間がかかるし、結果的にも良いものができないからやめるべきだと、未来共創イニシアチブ プロジェクトリーダーの玉木(伸之)さんに指摘されたのです。そこで気づきました。自分たちは、正解がない課題を話し合っているのだから、私が小さな決断を重ねていく方法が、良い対話を生み出すのだと――それからは、重要な部分だけを、メンバーや詳しい人に相談するやり方に切り替えました」

仕事は選択の連続である。これを機に、高畑は自らの決断をより重視するようになっていく。

リードする決意がもたらした変化

玉木は、高畑の変化について次のように語る。

「彼は当初、正解を求めて、自らのモヤモヤや考えを言語化しなかった。でも相手は異なる文化圏のプロフェッショナルですから、自分の考えを明確に伝えないと、何も返ってこないわけですね。だから僕は、今どう思っているかを言語化するよう、彼に助言しました」

玉木氏

高畑もうなずいて続ける。

「自分がリードするという意思と、最後までやり遂げようという気持ちの両方を持つことが、大事だと分かりました。共創プロジェクトは簡単ではなく、このようなマインドセットがないと、最後までやり切れないからです」

高畑は、かつてのように資料全体をチェックするのではなく、論点を明確にしながら議論をリードできるようになり、意思決定のスピードが格段に早くなった。

高畑氏

この活動での学びを、高畑は職場でも実践している。世界の最新トレンドについて、関心を持ってくれそうな役員や部長らに向けて、積極的に声を掛け、それらを紹介するイベントを実施。また、国内外のYOKOGAWAグループに向けても、未来シナリオの発表ウェビナーを主宰。こうした主体的な行動が上位役職者の目に留まり、彼は新たな部門横断プロジェクトのメンバーに抜擢された。

集団浅慮からの脱却 ~小林惇~

工学部デザイン学科出身の小林惇は、専門性を活かし、YOKOGAWAで製品やプラント制御室の企画やデザインに従事する。

小林は、先述の高畑とともにホワイトペーパーを磨き上げた。彼の役割は、社外の経営者との対話を通じ、自分たちの考え方をアップデートすること。しかしこの過程で、「議論がグループシンク(集団浅慮)に陥っている」という指摘を、玉木から頻繁に受けた。

小林氏

「一つの仮説を検討するために、みんなでホワイトボードに向かって『ああでもない、こうでもない』と腕を組んで考えるシーンが多かったですね。進行は遅いながらも、みんなが納得しながら議論しているし、前に進められている実感もあったので、最初は何が悪いのかが分かりませんでした。するとあるとき、玉木さんから『君たちはディベートをやった方がいい』と言われたんです」

その真意について、小林は自身の見解を述べた。

「ディベートでは自分の立つポジションを持ち、互いの異なる意見をぶつけ合います。各メンバーが自分の意見を表明することで、それぞれの違いが明らかになる。その違いについてみんなで議論した方が良い結果を生むのだと、しばらく経ってから理解することができました」

小林氏と高畑氏

それ以降、小林は議論の進め方を変えた。

「他人と擦り合わせた合意ではなく、自分の意見を理由とともに、明確に説明するようになりました。また、今まで以上に事前の準備をしてから議論に臨むようになりましたね」

その結果、メンバーたちは積極的に発言し、自由闊達な議論を通じて、さまざまな意見を引き出せるようになった。

フューチャー・デザインの実践

小林は幼い頃、モーターショーで展示されていた「未来の車」に憧れていたという。現在、彼は未来シナリオ作成の経験を本業で活かし、フューチャー・デザインにも挑戦している。

小林氏

「デザイナーは、ユーザーの困り事を聞いたり観察したりしながら、ニーズを拾っていくことが多い。でも今は、ユーザーが直面するであろう10年、15年先の変化にまで目を向けるようになりました」

さらに彼は、未来シナリオを顧客の事業戦略に活かすような提案も始めている。

「未来シナリオと、お客さまの中期経営計画で想定されている未来のトレンドを照らし合わせます。その中で、お客さまが想定していなかったトレンドがあれば、私たちの視点を共有しています。このような提案が戦略に示唆を与えるものとして、お客さまにも喜んでいただけているようです」

次回(2)では、R&D部門で活躍しているシナリオアンバサダー2名のストーリーを紹介する。

集合写真
左から:千代田 真一、茂木 豪介、小林 惇、高畑 圭輔(YOKOGAWA)

*(2)に続く

 

 

 

高畑氏

高畑 圭輔(たかはた・けいすけ)
未来共創イニシアチブ シナリオアンバサダー
専門分野:製品開発

趣味:トランペット演奏

 

小林氏

小林 惇(こばやし・じゅん)
未来共創イニシアチブ シナリオアンバサダー
専門分野:UXデザイン

趣味:DIY

詳細

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米国発テックカルチャー・メディア『WIRED』に掲載された、「未来共創イニシアチブ」の英文記事

 

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