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異質との共創が促す自己変革(2)
未来共創イニシアチブ

異質との共創が促す自己変革(2)

*(1)からの続き

※本記事では、所属する組織ではなく、個人の見解として語っていただきました
※所属や役職は記事制作時(2025年12月)のものです
※取材場所は、MIRAI LAB PALETTE(MLP)

思考の「殻」を破る ~千代田真一~

グローバルイノベーションセンターでアルゴリズムの研究開発に従事する千代田真一。彼は、高校1年生のときに数学の合宿へ参加したことがきっかけで、この分野が多様な物理法則や産業を支えていることを知った。そして大学・大学院では、情報工学・数理工学を専攻。千代田は、未来共創イニシアチブに参加した動機を次のように語る。

「自分の見識を広げ、殻を破るチャンスだと思って応募しました」

千代田が言う“殻”とは何か?

「僕の仕事は、アルゴリズムの実装や、ひたすらプログラムを書くことなどです。自己完結性が強い職種で、この作業がとても心地良かった。自分は内向的な性格で、他者との対話が苦手だったのです」

千代田氏

2040年の未来シナリオを描く上で、千代田が担当したのは、メガトレンドに関する情報収集や整理だった。データや分析には慣れているため、この作業は難なくやり遂げられた。ところが、作成したドラフトについての対話が有識者とうまく進まなかったという。

「対話は、自分たちが導き出した仮説を磨き上げ、情報をさらに深掘りするのが目的でした。でも僕の場合は、資料の流れ通りに、ただ話すだけ……一方通行の紋切り型の説明になってしまっていたのです。対話が続かず、相手からの視点や情報も得られずに終わってしまうことが多々ありました」

その原因を、自らこう顧みる。

「自分は相手に何を伝えたいのか、また相手から欲しいインサイトは何なのか――そういった問いの立て方が抜けていたからだと気づきました」

千代田氏と茂木氏

一方通行の説明から、双方向の有機的な対話へ

千代田は事前準備を見直し、より良い対話となるように、問いの立て方を工夫した。

「まず何を聞きたいのかを自問自答し、各社さんの中期経営計画等を見ながら、先方の関心事項や専門性を理解しようと試みました。『こういう専門性を持つ会社であれば、こういうインサイトがあるだろう』というように、可能な限り聞きたい論点を洗い出したんです。そうすることで、論点を絞った問いを立てられるようになり、深い対話ができるようになりました」

より良いアウトプットには、より良いプロセスが必要だ。千代田は対話を、“自分起点”から“相手起点”へと移した。そして、相手に合わせるのではなく、異なる意見を戦わせることで、対話の価値を向上させていった。

「共創の対話相手には、すごい肩書を持った偉い方々が多数いらっしゃいます。そういう人たちに認められたい、という自分の承認欲求は横に置いて、相手に少しでもインサイトを持ち帰っていただく。そして私たちも、相手からフィードバックをいただくことで、双方にとって益のある場をつくろう、という意識に変わっていきました」

千代田氏

未来シナリオでの学びを、千代田は本業のR&Dで次のように活かしている。

「世界を取り巻く状況によって、技術も変化します。R&Dにおいても、外部環境をしっかりと見ていこうという気運が高まってきました。まだスタートの段階ですが、ホワイトペーパーを活用したり、未来シナリオの見地に基づいた議論を開始しています」

独自の視点で思考を縛らない ~茂木豪介~

茂木豪介は、千代田と同じくグローバルイノベーションセンターで研究開発に関わっている。大学院では生命工学を専攻。現在はプロジェクトマネジメントの取りまとめや、研究開発の効率化および研究成果を会社に還元する施策提案などを行う。

未来シナリオで茂木が担当したのは、シナリオドライバーの選定や表現のブラッシュアップ、ホワイトペーパーの序文作成などだ。

茂木が抱える課題は、どうしても自分の視点に固執して考えてしまうことだったという。

茂木氏

「自分では外からの視点で考えているつもりでも、本当の意味でできていない、と玉木さんから指摘を受けました。言われたことはなんとなく理解できていましたが、どうしたらいいか分からず……そこで苦労しましたね」

やがて、そんな茂木にもターニングポイントが訪れる。

「自分には、どこか『ユニークなことを言いたい』という、ひねくれたところがありました。また、ロジックが通った気になると、それにこだわる。他のメンバーが『もっと高い視座から見てみよう』と投げ掛けて議論したとき、自分の視点を極限にまで広げたつもりでも、他のメンバーからそれを上回る振り幅の意見が出てくる……そんなことを繰り返していくうちに、自分の視野の狭さを痛感するようになりました」

視野の広さ・視座の高さが、多様な選択肢を生む

千代田氏、茂木氏、高畑氏

また、社外の経営者と対話する中でも、相手の視座の高さを目の当たりにした。

「こちらが提示した複雑な情報を読み取り、瞬時に『こんな可能性はないのか?』と切り返したり、いろいろなパターンをパッと考えつく。視座を上げ下げして、フォーカスを柔軟に変える。真の視座の高さとは、こういうことなのかと理解できました。このような対話を通じて、徐々に自説に固執しなくなりましたし、他の可能性も素直に受け入れられるようになったんです」

一方で、茂木の持ち前のこだわりが、議論の膠着状態を打開へと導いたこともある。

例えば当初、シナリオドライバーの環境軸のネーミングは「プラネタリーヘルス」だった。これは文字通り「地球の健康」という意味だが、茂木は人間や動物も含め、生物全体が危機に曝されている現状を示した方がいいと考えた。他のメンバーによると、茂木はシナリオドライバーの候補を考える回数が、他のメンバーに比べて圧倒的に多かったという。さらに検討プロセスが丁寧で、根拠となる事実やデータを1つずつ検討し、シナリオドライバーに変化を加えていった。そういった茂木の粘り強い作業の結果、「生物圏に迫る危機」という表現を導き出した。

茂木氏

「もしかしたら、僕は生命工学で身に付けた実験感覚を自然に活かしていたのかもしれません。一方で、自分の見ている視野が狭く、視座が低ければ、未来を考える選択肢も少ないままだったと思います」

研究開発の仕事では、範囲を絞って深く探究する。逆に言えば、深掘りし続けると、視野が狭くなってしまう。未来共創に参加することで、茂木は探究の深さのみならず、視野の広さ・視座の高さも身に付けることができた。

千代田氏と茂木氏

共創によって何を獲得したのか

アンバサダーたちは「2040年の未来シナリオ」作成を通じて、異なる意見を持つ有識者との対話や、建設的な意見の対立(Constructive Conflict)を経験し、それぞれのリーダーシップを育んだ。彼らはギバーとして他者に貢献し、共創することで、逆に多くを学び、仕事にもやりがいを見いだすことができた。視野が広がり、視座が高くなることで、選択肢が増えた。

無形なものや、異質なものをつなげる価値を理解した4名。異質なものを排除するのではなく、組織において、異質なものとの共創が新たな価値を生むという体験。そこにこそ、未来共創イニシアチブの目指す姿がある。

集合写真
左から:千代田 真一、茂木 豪介、高畑 智夏、玉木 伸之、小林 惇、高畑 圭輔(YOKOGAWA)

 

 

 

千代田氏

千代田 真一(ちよだ・しんいち)
未来共創イニシアチブ シナリオアンバサダー
専門分野:研究開発

趣味:ダーツ

 

茂木氏

茂木 豪介(もぎ・たけゆき)
未来共創イニシアチブ シナリオアンバサダー
専門分野:研究開発

趣味:ラーメン探訪

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