渦流量計とは?
流体の流れの中に置かれた物体の後流に左右交互に規則的なカルマン渦が発生します。これらの渦の発生頻度は流速に比例することが知られており、この関係を利用して流速から流量を測定するのが渦流量計です。

衛星画像に捉えられたカルマン渦の発生例
(島の後方で規則的に雲が発生)
横河電機の渦流量計とは?
1969年に世界で初めて渦流量計を発売して以来、50年以上にわたり累計50万台を超える販売実績は、当社が長年にわたってお客様と築いてきた確かな信頼の証です。当社の渦流量計は、多彩なラインアップにより最適なソリューションをご提供します。また、製品コンセプトである Total Insight(トータルインサイト)に基づき、製品のライフサイクル全体を通じてお客様を支援します。

製品一覧
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渦流量計 VY シリーズ
横河渦流量計は、1969 年に産業用渦流量計を、1979 年に汎用渦流量計をリリースして以来、渦流量計の代名詞となっています。
長期安定性と高い信頼性により、お客様の生産性向上に貢献しています。
全世界でシリーズ累計 50 万台以上の実績を持ち特注仕様含め様々な仕様を提供しています。 -
FSA130 電磁流量計・渦流量計 ベリフィケーションツール
電磁流量計 AXG, AXW, CAシリーズ (HART 通信形) および、渦流量計 VY (HART 通信形) の健全性の診断および結果のレポートを作成することができます。
本製品をご使用いただくには、別途 FieldMate をご用意ください。 -
Product Finder
「Product Finder」は、用途や測定条件別に製品を探せるWebツールです。豊富な横河製品の中から、お客様の仕様に沿った最適な製品をお選びいただけます。
詳細
渦流量計の歴史
1878年、チェコの物理学者ヴィンツェンツ・ストローハルは、風の流れの中に張ったワイヤが音を発する現象を調べる中で、渦の発生頻度が流速に比例することを発見しました。1911年には、ハンガリーの数学者・物理学者セオドア・フォン・カルマンが、流体中に物体を置くと、その後流で左右交互に渦が自発的に発生する現象(カルマン渦列)を理論的に示しました。これらの研究成果により、渦の発生数を測定することで流速および流量を求める原理が確立されました。1960年代後半になると、この原理を工業計測に応用する研究が進み、現在の渦流量計の実用化へと発展していきました。
当社渦流量計の歴史
渦発生を測定する技術を確立した横河電機は、1969年に世界で初めてフレアスタック向けの挿入型渦流量計を発売しました。1979年には汎用型渦流量計YEWFLOスタイルA 、1981年には現在の検出構造のベースとなるYEWFLOスタイルC、1992年には耐ノイズ性に優れたYEWFLOスタイルE、2000年には当社独自のデジタル信号処理技術 SSP を搭載した耐振性に優れたdigitalYEWFLOシリーズを発売しました。自動ノイズ除去や診断機能を取り入れ、渦流量計の新しいステージを開拓しました。更に、お客様の多彩なアプリケーションとニーズに応えるため、YEWFLOシリーズは絶え間なく進化を続けています。2002年には、1台で飽和蒸気流量測定が可能な温度計内蔵形を、2006年には、省スペース配管を実現するレデューサー形を、また2012年には、400Aまで測定可能な大口径形などラインアップを拡充し、2022年には、渦流量計の歴史を引き継いだ、最新の渦流量計VYシリーズを発売しました。
累計出荷台数50万台を超える実績は、横河電機が長年培ってきた計測技術と製品品質の高さを裏付けるものです。

渦流量計の測定原理
ここまでで渦流量計の歴史をご紹介してきました。以下のページで測定原理を詳しくご紹介しています。
> 渦流量計の基本: 測定原理と測定対象
* 関連情報(チュートリアル)にて掲載

カルマン渦発生の流体シミュレーション
渦流量計はどのようなアプリケーションに向いているのか?
渦流量計は、幅広い温度・圧力範囲の液体・気体・蒸気を測定できる、汎用性の高い流量計です。製品そのものや製造プロセスの原料となるプロセス流体に加え、製造現場を支えるユーティリティ流体にも幅広く採用されています。
- 液体:工業用水、冷却水、燃料油、化学薬液、純水、液体窒素
- 気体:圧縮空気、燃料ガス、窒素ガス、空気 / 酸素
- 蒸気:飽和蒸気 / 過熱蒸気
近年、エネルギー効率の向上やコスト削減、CO2排出量管理の観点から、水・燃料・空気・蒸気といった「ユーティリティ流体のエネルギーの見える化」に向けて、渦流量計の活躍の場が広がっています。また、バッチプロセスやラインの稼働状況により蒸気流量が大きく変動するケースでも、渦流量計はレンジアビリティ(測定可能な流量範囲)が広い ため、1台で広範囲の流量測定をカバーできます。

渦流量計と他の流量計との違い
ここでは代表的な3つの流量計と渦流量計を比較した場合の違いを簡単にご紹介します。
差圧式流量計に対する渦流量計の特長
- オリフィスなどの絞り機構が不要なため、圧力損失が小さい
- 導圧管や三岐弁などの付属品が不要なため、メンテナンスが少ない
- 測定範囲(レンジアビリティ)が広く、流量変化に対して渦の発生回数が比例するため、データが扱いやすい
電磁流量計に対する渦流量計の特長
- 液体以外も測定可能(気体、蒸気)
- 低導電率の液体も測定可能(純水や油など)
- 高温や極低温、高圧流体でも測定可能(過熱蒸気、LNG、液化窒素など)
コリオリ流量計に対する渦流量計の特長
- 蒸気や圧縮空気など測定条件が幅広く、接続口径も豊富なため、多様なユーティリティ流体の測定に対応
- 構造がシンプルなため、重量・設置スペースを抑えられるとともに、圧力損失が小さく、高い耐久性を備えている
- 1台当たりの導入コストが抑えられるため、エネルギー管理用途での多点設置がしやすく、設備全体の見える化に貢献
渦流量計に必要な直管長とは?
流体の乱れを落ち着かせるために、渦流量計の上流側と下流側に一定の距離が必要です。これを直管長といい、必要な距離を必要直管長といいます。直管長については以下のページにて詳しくご紹介しています。
> 渦流量計に必要な直管長
* 関連情報(チュートリアル)にて掲載

2重曲がり管による流体乱れのシミュレーション結果
さまざまなアプリケーションに対応する多彩なラインアップ
当社の渦流量計はTotal Insight(トータルインサイト)コンセプトに基づき、さまざまな場面でお客様をサポートします。加えて、豊富な ラインアップにより、最適なソリューションをご提供します。液体、気体、蒸気の流量が測定ができます。可動部のないシンプルで堅牢な構造なので、高い信頼性と耐久性を実現します。
詳細は渦流量計 VY シリーズ製品ページをご確認ください。
渦流量計VYシリーズの基本モデルである一般形

渦流量計 VY シリーズの基本モデルです。幅広いアプリケーションでご使用いただけます。保温施工性に優れたロングネック形もあります。
流量+流体温度を同時に測定できる内蔵温度計形

渦発生体に温度センサー(Pt1000)が内蔵されており、流量に加えて流体温度も同時に測定できるモデルです。蒸気アプリケーションに最適です。測定した温度から質量流量や飽和蒸気のエネルギー量(熱量)が算出できるため、蒸気の消費量を見える化することで、エネルギーコストの削減やCO2排出量の削減にも貢献できます。保温施工性に優れたロングネック形もあります。
高温流体、極低温流体でも測定できる高温形 / 極低温形

高温流体、極低温流体でも測定できるモデルです。主に食品加工(乾燥・加熱・殺菌)や急速加熱・均一加熱、酸化防止、自動車・機械部品(加熱・洗浄)などに利用され高温の過熱蒸気の測定や、LNG(液化天然ガス)など極低温流体の測定に最適です。
縮小管/拡大管と一体となったレデューサ形

検出部の上流側、下流側がともにレデューサ(縮小管/拡大管)と一体になったモデルです。季節により流量変動が大きい飽和蒸気アプリケーションや、バッチプロセスなど必要な時だけ流量を測定したい場合に最適です。また低流量測定にも対応しています。
縮小管/拡大管と渦流量計が一体となっているため、 縮小管、拡大管、直管長確保用の短管が不要になり、設置作業の簡素化やコスト低減が図れるだけでなく、接続箇所が少ないことから安全性も高まります。
過酷な高圧プロセスでも安定した測定が可能な高圧形

高圧の過酷な環境下でも安定した測定が可能なモデルです。天然ガスの輸送ラインや、高圧ガスのパイプライン、石油精製や化学プラントにおける高圧蒸気ライン、高圧ボイラーなど、通常のモデルでは対応できない高圧ガスや高圧スチームなどの現場でご使用いただけます。
保温施工性に優れたロングネック形

一般的な渦流量計よりもネック長が長く設計されたモデルです。保温施工性が一般形よりも優れており、放熱によるエネルギーロスを避けたい蒸気ラインなどに適しています。一般形、内蔵温度計形に対応しています。
分離形: 検出器と変換器を分離することで柔軟な設置形態を提供

分離形は、検出器と変換器を分離してケーブルで繋いで設置できるタイプです。高温、高振動のラインや防爆エリアで使用する場合など、変換器を安全な場所に設置したい場合にご使用いただけます。分離形はすべてのタイプに対応しています。
Total Insight (トータルインサイト) - 製品ライフサイクル全体を通じてお客様をサポート -
Total Insight(トータルインサイト)は 、製品ライフサイクル全体を通じてお客様を支援する当社のフィールド製品共通のコンセプトです。卓越した技術と洞察力によって新しい価値を提供し、ライフサイクル全体の費用最適化に貢献します。

エンジニアリング工数と調達コストの削減

当社の渦流量計は、幅広い流量範囲に対応しており、さまざまな国際規格に準拠しています。また豊富な演算機能も内蔵しており、さまざまな流量測定にお応えします。
運転立ち上げ時間の短縮

当社独自の技術により流量信号を的確に捉え、振動に強く安定した測定を実現します。また、パラメータが設定された状態で出荷されるため、設置してすぐに使用できます。
操業効率向上とミスの削減

機器全体の自己診断が可能です。またリモートメンテナンスにより計器室など離れた場所から機器の健全性が確認できます。さらに機器の計画的な予知保全(状態基準保全(CBM))も実施できます。*1
*1: 「FSA130 電磁流量計・渦流量計ベリフィケーションツール」(HART 通信専用) が別途必要です。
保全作業の効率化

異常発生時、診断機能により異常の切り分けができるほか、渦発生体を取り出す必要がある場合にも当社独自の構造により簡単に取り外すことができます。これらの多彩な機能により、効率的な保全活動をサポートします。
当社の渦流量計はこのような方におすすめします
- 実績があり、信頼できるメーカーから流量計を購入したい 。
- 堅牢性と長期安定性に優れ、メンテナンスも容易な流量計を導入したい。
- 飽和蒸気や過熱蒸気、バッチプロセスなどの蒸気関連のアプリケーションに向く流量計を探している。
- 将来的にスマート工場化に向けたエネルギー効率の向上やコスト削減、CO2排出量の管理を実施したい。加えて、水・燃料・空気・蒸気といった「ユーティリティ流体のエネルギーの見える化」も検討していきたい。
関連情報
このアプリケーションノートでは、近年需要が増加している蒸気流量計の既存設備への導入、及び既設蒸気流量計のリプレースに渦流量計 VY シリーズが最適な理由を説明しています。
広範囲に点在する上水道施設の点検やデータ収集には時間とコストがかかります。広域モニタリングシステムを導入することで、小規模からのクラウドによる一元管理ができ、遠隔監視で運用効率を高めます。
このチュートリアルでは、渦流量計の測定原理や測定対象を簡潔に説明しています。
カルマン渦生成及び流量測定は不均質な流速分布や流体乱れに影響を受けるため、それらを抑える直管長が必要となります。このチュートリアルでは、流体シミュレーションを活用して、その理由を渦流量計VYシリーズを例に説明しています。
このチュートリアルでは、渦流量計VYシリーズが蒸気測定に適している理由を、製品ライフサイクルを通じて、蒸気ラインの例と共に説明しています。
ニュース
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プレスリリース | ソリューション&製品 2022年8月30日 OpreX Field Instrumentsのラインアップとして「渦流量計VYシリーズ」を発売
~渦流量計として初のリモートメンテナンス機能で状態基準保全が可能に~
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