横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

直感的な操作が可能な広域モニタリングシステムを発売

2022年9月14日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Data Acquisitionのラインアップとして、「広域モニタリングシステム」を本日、国内向けに発売しますのでお知らせします。本システムは、広域に点在する多数のセンサーや工場等で集中管理されたデータを、携帯電話網等を経由し、産業用クラウドプラットフォームのYokogawa Cloud上で一元管理するものです。ユーザー調査をもとにした、直感的に使えるグラフィカルユーザーインターフェースとシンプルな操作で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた現場の生産性向上に貢献するほか、クラウドのサブスクリプションサービスにより初期コストを抑えて手軽に導入していただけます。

広域モニタリングシステムのイメージ
広域モニタリングシステムのイメージ
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開発の背景

 製造現場では、既設、新設を問わず、当社の産業用IoT向け小型無線センサー「Sushi Sensor」等の各種センサー値や、多様な機器のデータ収集・監視・記録を行うPCソフトウェア「SMARTDAC+ データロギングソフトウェアGA10 R4.01(以下GA10 R4.01、本日発売)」、装置を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)等から得られるさまざまなデータをいつでもどこでも把握できるようにし、運用の効率化を図りたいというニーズがあります。一方でこのようなDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するうえで、一般的にIoTソリューションは下記のような課題がありました。

  1. 製造現場の方がこれまで必要としてこなかったITリテラシー(情報技術を理解し使いこなす力)を求めるケースが多いこと。
  2. クラウドと連携ができる現場機器が少なく、多様なデータを一元化して利活用することが難しいこと。
  3. エンジニアリングが煩雑でシステム導入・維持費用が高額になりやすいこと。

 本システムは、製造現場のDXを支援するために、現場の方でも直感的に使え、点在するさまざまなデータを、コストを抑えてモニタリングできるよう、下記のような実証を経て、このたび製品化しました。なお、今後、AI解析などのサービスも追加予定です。

  1. 分散型アンモニア製造装置の監視(触媒性能のモニタリング)
    アンモニア製造技術を開発するスタートアップのつばめBHBは、分散型アンモニア製造装置において、アンモニア製造装置の運転監視、触媒の消耗を監視する触媒性能のモニタリングを行っています。
  2. 温泉の流量、温度、水位などの監視
    国内のある温泉地域では、地熱資源の有効活用を目的とし、40km以上にわたって点在する温泉給湯設備から配湯される温泉水の流量、温度、水位などのデータをクラウドで統合監視・管理するために活用※1しています。このシステムは、地熱開発と温泉地域の共生の側面からも注目されています。

製品の特長

 本システムの利用にあたっては、用途に応じて、別途、「GA10 R4.01」、クラウド接続モジュール(本日発売)や、関連するエンジニアリング等が必要です。

  1. 直感的に使えるグラフィカルユーザーインターフェースとシンプルな操作
    ユーザー調査を重ね、製造現場の方が直感的に使えるグラフィカルユーザーインターフェースとシンプルな操作を実現しました。専用のIDとパスワードで管理されたWebページ(PC・スマートフォン)は全て日本語で表記されており、直感的にモニタリングを行うことができます。例えば、設定した範囲の値を超えた場合、地図上の緑のアイコンが赤に変わるので、クリックするとそのモニタリング値を示す画面に遷移します。さらに数字をクリックすると、グラフを確認できます。

    PCの画面遷移イメージ
    PCの画面遷移イメージ
    事前に設定した値の指定幅を超える場合はアラームが画面上に表示される
    地図をクリックすると、モニタリング値を示す画面に遷移する
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  2. クラウドと連携できるソフトや機器を準備し、多種多様なデータの取得に対応
    クラウドと連携できるデータロギングソフト「GA10 R4.01」は、お客様側の事前設定もシンプルな操作で済むよう工夫しています。例えば、クラウド環境の設定は、「GA10 R4.01」で登録済みのセンサーを選択し、設定ファイルを専用のWebページにアップロードしていただくだけで完了します。クラウド接続モジュールは、事前のクラウド設定により、現場での設定作業は一切不要です。SIMカードを挿入し、電源を入れるだけでクラウドへのデータ送信が自動的に開始します。また、横河電機の「Sushi Sensor」や既存の伝送器等の各種フィールド機器、PLCだけでなく、他社製品も接続することができるため、設備管理、水質管理、防災管理、生産管理など、幅広い用途でご活用いただけます。
     
  3. 初期導入コスト、保守・運用コストを低減
    本システムは、当社のハードウエア開発や、効率的なOTおよびITエンジニアリングに関するノウハウを盛り込むことでエンジニアリングの負担を最小化しており、お客様の導入、保守・運用コストを低減します。さらに、小規模にも対応し、50データから手軽にご活用いただけます。サブスクリプションサービスであるため、初期コストを抑えて手軽に導入していただけます。
     

※1 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務として横河電機株式会社、国立研究開発法人産業技術総合研究所、地熱エンジニアリング株式会社、西日本技術開発株式会社が共同研究開発したものです。なお、本製品の前進となる実証実験であり、仕様は異なります。

 

主な市場

化学、石油化学、オイル&ガス、電力、エレクトロニクス機器、食品・飲料、製薬、紙パルプ、建設・不動産など

用途

以下用途での広域モニタリング(複数の用途の組み合わせも可能)
・水質管理(上下水道、排水)
・防災管理(火災、河川・ダムの増水等)
・設備管理(ポンプの交換時期、エネルギーマネジメント、ビル等)
・生産管理(材料の残存量等)
・電力管理(電気使用量等)

OpreX とは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control 、OpreX Measurement 、OpreX Execution 、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、「広域モニタリングシステム」はOpreX Measurementの製品・ソリューション群の一つであるOpreX Data Acquisitionに属しています。OpreX Measurementは、高精度な測定、データ収集、分析を可能にする現場機器やシステムを意味します。

以上

本文中で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴ等は、横河電機株式会社、各社および各団体の登録商標または商標です。

 

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