2021年9月29日発表
横河電機株式会社（本社：東京都武蔵野市 代表取締役社長：奈良 寿）は、小型軽量かつ高機能なイヤホン型デバイスによるリアルタイム脳波計測技術をもつスタートアップ企業の株式会社CyberneX（サイバネックス、本社：東京都大田区 代表取締役：馬場 基文）に出資したことをお知らせいたします。脳波のデータから心理状態を可視化する実証研究を共同で進め、産業や社会における脳情報の有効活用を可能にするプラットフォームの構築およびアプリケーションの開発を目指します。
近年、脳科学とIT技術を融合させたブレインテック※への関心が高まっています。適用が期待される分野や用途は多く、各国の政府機関をはじめ、民間企業からの投資も増加しています。医療やヘルスケア分野にとどまらず、商品開発や教育といった目的での利用も始まっており、産業界においても積極的に事業活動に取り入れようとする動きが見られます。
CyberneXが開発したイヤホン型デバイスは付け外しが容易で、動いている人の脳波であっても、低ノイズでリアルタイムに測定することができます。日常の生活場面や働いている環境でも使用することができるため実用性が大変高く、従来では把握することが難しかった使用者の感性や感情を可視化することが可能です。また、イヤホン型の特徴を活かして使用者を理想的な心身状態に導くために、音によるフィードバックを行こともできます。さらに今後は血圧や心拍といった脳波以外の生理学的データを組み合わせることも検討しており、より深く人間の心理状態に迫ることを視野に入れています。
一方、当社はさまざまな業種にわたるお客様に向けて、計測、制御、情報の技術を活用した最先端の製品やソリューションをグローバルに提供しています。お客様の持続的な成長に貢献していくためには、お客様の現場が抱える多くの課題を解決し、オペレーションを最適化するソリューションの研究開発を効率的に、スピード感をもって進めていくことが必要になります。画期的な技術をもつスタートアップ企業のCyberneXとプロセスオートメーションにおける強固な事業基盤と豊富な知見がある当社のシナジーを活かし連携をしながら、ブレインテックにおけるイノベーションを創出していきます。
CyberneX代表取締役の馬場氏は次のように述べています。「私たちは脳情報がもつ可能性を追求し、もっと身近に利用されていくことをミッションとしています。人間が人間を深く理解することで、これまでにないコミュニケーションの形が生まれ、いろいろな用途のために開発が進むことを信じています。横河電機との連携を強化し、脳情報を効果的に利用するためのプラットフォームを構築することで、豊かな社会の創造と新たな産業の創出に取り組んでまいります。」
横河電機常務執行役員マーケティング本部長の阿部剛士は、次のように述べています。「デジタルトランスフォーメーションの下、技術がいかに人類にとって有益になるかがさらに重要になってきます。その中で、脳波技術を活用したソリューションは、人間の可能性をますます高めることができると確信しています。産業界ではIndustrial Autonomy（産業における自律化）への移行が進んでいますが、人間と機械はそれぞれの特徴が最大限に活かされた形で共存していくようになるでしょう。また社会においては、人間が人間らしく、豊かな生活を送るためにこれらの技術が利用されていくでしょう。産業向けだけでなく、ライフサイエンスの分野においても新しい価値が創造できるように、CyberneXとのco-innovationを加速させていきます。」
※ブレイン（Brain）テック（Technology）を組み合わせた言葉で、脳波などの脳情報を収集し活用するテクノロジーやソリューションを広く指す
株式会社CyberneX （サイバネックス）の概要
- 設立：2020年5月22日
- 代表取締役CEO/CTO：馬場 基文
- 主な事業内容：生体データを活用した研究開発支援、効果測定のサポート、Brain Computer Interfaceデバイスの開発、およびソリューションの共同開発
- 所在地：東京都大田区蒲田5-26-8 アーデル蒲田 1107号室
- ホームページ：https://www.cybernex.co.jp/
以上
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