横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

コンプレッサー駆動用蒸気タービン制御と複数コンプレッサートレインの統合制御を可能にする 統合生産制御システム「CENTUM VP R6.10」を開発・発売

2022年11月16日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、コンプレッサー駆動用蒸気タービン制御と複数コンプレッサートレインの統合制御を可能にする、統合生産制御システム「CENTUM VP (センタム・ブイピー)R6.10」を12月13日に発売しますのでお知らせします。OpreX Control and Safety Systemのラインアップである「CENTUM VP」には、Compressor Controls LLC(コンプレッサーコントロールズ社、以下CCC)と当社で共同開発した、同一のシステムでプロセス制御とターボ機械制御を実現するソリューション「CCC InsideTM for Yokogawa CENTUM VP」を実装でき、「CENTUM VP R6.10」ではこのソリューションの機能を拡張しました。この機能拡張により、お客様は一つのシステムで制御できる範囲が広がり、オペレーションのみならず、エンジニアリング、調達、メンテナンスの効率化を実現できます。

 ※ コンプレッサートレイン:複数台のコンプレッサーと、このコンプレッサーを駆動させるためのモーターや蒸気タービンがシャフトに連結した構成のもの。

開発の背景

 従来、プラントに多数存在するターボ機械の制御とプロセスの制御には、それぞれ異なるシステムが使われており、ユーザーには複数の異なるシステムの管理・運営を強いられることが一般的でした。これを解決するため、当社はCCC社と「CCC InsideTM for Yokogawa CENTUM VP」を共同開発し、「CENTUM VP」でプロセス制御とターボ機械制御を可能にするソリューションとして2021年11月に発売しました。
 お客様のプラントには蒸気タービンやコンプレッサートレインが多く存在し、一つの生産制御システムで制御できる範囲を拡大、オペレーション、エンジニアリング、メンテナンスの効率化を実現したいというニーズがあります。
 今回の「CENTUM VP R6.10」の開発では、こうしたお客様のニーズに応えられるよう、「CCC InsideTM for Yokogawa CENTUM VP」で、コンプレッサー駆動用蒸気タービン制御とコンプレッサートレインの統合制御も可能にし、制御できる範囲を拡大しました。

主な特長

  1. コンプレッサー駆動用蒸気タービン制御をサポートすることで制御の対象範囲を拡大
     今回の機能拡張では、CCCの制御アルゴリズムを「CENTUM VP」上で動作をさせて、コンプレッサー駆動用蒸気タービン制御を可能にしました。これにより、同じヒューマン・マシン・インタフェース(HMI: human machine interface)から、これまでのプロセス制御に加えて、蒸気タービンを含むコンプレッサー全体を一括して操作・監視できるようになります。また、同じハードウェアを使用することができるため、エンジニアリングや調達、メンテナンスの負担が減り、予備品や保守費の削減が見込め、保守の計画と実施の工数削減に役立ちます。

    CCC Inside™ for Yokogawa CENTUM VPの統合操作監視画面の例
    CCC Inside™ for Yokogawa CENTUM VPの統合操作監視画面の例
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  2. 複数コンプレッサートレインの統合制御により全体最適な制御に貢献
     複数コンプレッサートレインの統合制御の機能ブロックをCCC社と共同開発したことにより、お客様のプラントに多く存在する複数のコンプレッサートレインの制御を可能にし、コンプレッサーの負荷を分散させることで、全体最適な制御を実現しました。

主な市場

石油精製、石油化学、化学、電力、ガスなど

主な用途

コンプレッサー駆動用蒸気タービン制御と複数コンプレッサートレインの統合制御

CCC InsideTMについて

 CCCはこれまで、ターボ機械制御において40年以上の経験と10,000以上の納入実績と100名以上の専門家を有するグローバル企業です。CCC Inside™はCCCが培ったターボ機械制御の技術とアルゴリズムを分散形制御システム(Distributed Control System:DCS)に組み込むために開発されました。ターボ機械制御アルゴリズムはCCCの専用プラットフォームであるCCC Pro Built™のアルゴリズムと同じであり、その一貫性と信頼性を維持しながらDCSからの操作監視やアラームの統合が可能になります。CCC InsideのエンジアリングとコミッショニングはCCCのグローバルプロジェクトとサービスチームが行います。

CENTUMシリーズについて

 「CENTUM」は、当社が1975年に世界に先駆けて発表したDCSで、当社の旗艦システムです。2008年に発売された「CENTUM VP」は、シリーズ9世代目の製品で、40年以上にわたって培った技術と経験が集約されており、従来の「CENTUM」との互換性を継承しつつ、最新の技術を取り入れて進化し続けています。

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycleの5つのカテゴリーから成り立ち、CENTUM VPはOpreX Controlの製品・ソリューション群の一つであるOpreX Control and Safety Systemに属しています。OpreX Controlは、お客様の経営、操業、業務の変革に迅速に対応し、高効率、高品質、安全で安定した操業基盤を支える高信頼の制御テクノロジーを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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