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【横河計測】高性能光ファイバ試験器「AQ7280 OTDR」シリーズのラインアップ拡充

2022年8月4日発表

 横河計測株式会社(本社:東京都八王子市 社長:山崎 正晴)は、高性能光ファイバ試験器「AQ7280 OTDR」シリーズのラインアップを拡充、8月5日から販売を開始しますのでお知らせします。
 「AQ7280 OTDR」シリーズは、本体とOTDRユニットで構成されています。今回は光ファイバの開発の工程である素線・ケーブルの評価試験に最適な3種類のユニット「AQ7286A」、「AQ7286H」、「AQ7286J」と、ケーブル製造の工程における光ファイバの評価試験の接続切り替えを効率的に行える光スイッチボックス「AQ3550」を発売します。
 これにより、高速・大容量光通信開発の光パルス試験における高精度化と高効率化に貢献していきます。

「AQ7280 OTDR」本体、OTDRユニット

左から、「AQ7280 OTDR」本体、OTDRユニット
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光スイッチボックス

光スイッチボックス
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開発の背景

 スマートフォンの普及やクラウドサービスの拡大、それに伴う動画配信などで大量のデータがやり取りされるようになり、光ファイバ通信網の整備やデータセンターの増設とともに、より快適な通信環境が得られる光ファイバケーブルの開発が行われています。開発では、さらなる通信の高速化、大容量化が追求されており、精細な光信号でも損失を抑えて遠くにデータを送信できる均質な光ファイバの開発や、1本のケーブル内に数千本の光ファイバが収納された多心ケーブルと呼ばれる複雑な光ファイバケーブルの開発が進められています。
 当社のOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)は、これまで光ファイバ通信網の敷設工事や保守作業に用いられ、信頼性と優れた操作性がお客様に評価されてきました。このたび、これまで培ってきた技術を生かし、光ファイバ通信網整備の上流にあたる、素線・ケーブル開発の次世代通信向け新規格の評価試験に適した3種類のOTDRユニットと、多心ケーブル評価試験の効率化に貢献する光スイッチボックスを開発しました。

新製品の特長

  1. 国際標準化規格に準拠した測定精度をもつOTDRユニット
     このたび開発したOTDRユニットは3種類とも国際電気標準会議IEC(International Electrotechnical Commission)の、光ファイバの減衰の測定方法に関する国際標準規格「IEC60793-1-40」に準拠した波長公差±15nm(標準)、±10nm(オプション)を備え、厳しい検査要項が設定される光ファイバ素線の研究・開発でも利用できます。
  2. 多心ケーブル評価の作業効率を向上する光スイッチボックス「AQ3550」
     これまで多心ケーブルの製造検査や通信評価試験は、OTDRに接続できる光ファイバの本数は1本のみという制限から、収納された光ファイバを1本ずつ付け替えながら行っていました。「AQ3550」は出力ポートに同時に12本までの光ファイバが接続できるMPOコネクタを採用しており、OTDRと連動して12本の光ファイバを連続測定することが可能です。あらかじめ光ファイバの接続を済ませておくことで、AQ7280本体のタッチパネル上で測定したい光ファイバを自由に切り替えることができます。
     これにより、数千本の光ファイバを評価する作業時間の短縮と、接続作業機会を減らすことによる作業員の負荷低減に貢献します。

※ 複数本の光ファイバを一括接続できる光コネクタ

モデル一覧

多様な測定ニーズに対応するOTDRユニット3モデル

型式 波長(nm) ダイナミックレンジ(dB) 用途
AQ7286A 1,310/1,550 40/38 主要通信の2波長をそれぞれ発光して光ファイバケーブルを評価試験できます。
AQ7286H 1,310/1,550/1,625 40/38/37 主要通信の2波長に加え、通信波長領域のなかでも最遠に近く、主要通信の2波長に次いでよく試験される1,625nmも評価試験が可能です。
AQ7286J 1,310/1,383/
1,550/1,625
40/37/38/37 主要通信の2波長および1,625nmに加え、光ファイバに混入したOH基の吸収波長(Water-peak波長)である1,383nmも評価試験が可能です。光ファイバ素線の製造やケーブル化工程の検査・試験に使用できます。また、複数の波長の光信号を1本の光ファイバで伝送する波長分割多重方式の通信ネットワーク回線用光ファイバケーブル評価においても有効です。

OTDRと連動して12本の光ファイバを連続測定することが可能な光スイッチボックス

型式 波長(nm) ポート構成 用途
AQ3550 1,260~1,650 1×12 多心ファイバを効率的に評価試験できます。

 

主な対象ユーザ

  • 光ファイバ製造会社
  • 研究機関

主な用途

  • 光ファイバ素線生成における光通信検査
  • ケーブル化工程における光通信検査
  • 敷設された光ファイバケーブルが断線した際の障害位置の特定

以上

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