横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

OpreX Asset Operations and Optimizationのラインアップとして、高度制御ソリューション「Platform for Advanced Control and Estimation R5.03」を開発・発売

2021年5月25日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Asset Operations and Optimizationのラインアップとして高度制御ソリューション「Platform for Advanced Control and Estimation R5.03」をシェルと共同で開発、6月2日から販売を開始することをお知らせします。
 「Platform for Advanced Control and Estimation」は、シェルが自社のプラント操業を通して培ってきた高度制御の技術と、横河電機のリアルタイム制御技術を生かして開発したソフトウェアパッケージで、製品収率の向上やエネルギー使用の効率化を実現することで、プラントの生産性の向上を支援します。今回のバージョンアップは通信規格「Open Platform Communications Unified Architecture (OPC UA) に対応しました。これにより、プラントシステムの相互運用性とセキュリティを向上し、デジタルトランスフォーメーションでお客様の自律操業への移行を支援します。

※OPC Unified Architecture(UA):OPC は産業オートメーション分野やその他業界における、安全で信頼性あるデータ交換を目的とした相互運用を行うための標準規格。OPC UAは、ハードウエアやOSに依存せず、高いセキュリティと拡張性をもち、Industry 4.0の基盤となる通信規格とされる。

OpreX Asset Operations and Optimization

開発の背景

 高度制御システムは、通常の制御システムでは温度、流量、圧力などのプロセス値を目標範囲に維持することが難しい生産工程において、プロセス値を目標範囲内に維持して最適値により近づけ、製品収率の向上やエネルギー使用の効率化を実現するシステムです。昨今では、石油、石油化学はもとより、化学やLNGなどのプラントにおいても、高度制御システムの導入が進んでいます。
 当社の「Platform for Advanced Control and Estimation」は、多変数モデル予測制御(プロセスの動特性をモデル化し、モデルによる予測結果に基づいて多変数の制御を行うシステム)、ソフトセンサ(温度、流量、圧力などのプロセスの測定値からリアルタイムに品質を推定するシステム)、およびユーザーがカスタマイズできる各種演算式を、同一のプラットフォーム上で構築、運用できるソフトウェアパッケージです。当社はお客様の最新のニーズに対応し、継続して機能強化を図っています。今回は、業界で喫緊の課題であるプラントシステムの相互運用性とセキュリティの向上に対応しました。

機能強化の特長

  1. 機能の拡張
    • OPC UAに対応したサーバー接続機能
       産業オートメーション分野等におけるデータ交換の標準規格であるOPCの最新版であり、セキュリティを強化したOPC UAに対応しました。これにより、OPC UA対応機器とのセキュアなデータ交換が実現でき、またデータソースの幅が広がりました。
    • Base Layer Control (BLC) の新規モデルの追加
       BLCモデルとしてproportional integral differential (PID) 制御ロジックを追加しました。このモデルは、分散形制御システム(distributed control system:DCS)のPIDパラメーターを用いてPIDループの動特性を表現します。これにより、BLCモデルのプロセスに対するミスマッチを減らし、制御性を向上します。
    • Shed Logic機能からEvent Logic機能への拡張
       Shed Logicはアプリケーション運用のカスタマイズ機能です。Shed Logicを用いれば、プラントの運転状況に合わせ、ユーザーがアプリケーションの挙動を自由にカスタマイズできます。Shed Logic機能をEvent Logic機能という名称に変更し、機能を拡張しました。これにより、カスタムコードの代わりにイベントのルールおよびアクションの設定が可能になり、プロセッサーに対して様々な処理(測定値の検証、モデル変更など)が可能になりました。
  2. メンテナンス機能の向上
    • Design-Timeアドバイザー
       アプリケーション、プロセッサー、変数のパラメーター値をDesign-Time上で検証し、不正なパラメーターの設定に対して警告メッセージを表示します。これにより、アプリケーションの構成を容易に是正し、アプリケーションの品質を高めることができます。
    • 自動トレンドスケーリング
       トレンドペンのスケール(トレンド表示の上下限値)を自動で調整します。これにより、スケール設定の手間を削減できます。
    • OPCアイテムのパフォーマンス表示
       OPCアイテムの読み込み時間などOPC DA/UA (data access/unified architecture) サーバーアクセス時のパフォーマンスを可視化、また、アクセスするOPCアイテムを一覧で表示できるようになりました。これにより、OPC DA/UAサーバーへのアクセスに関する解析・診断が容易になります。
  3. 実行速度とロバスト性の向上
     アプリケーションのロバスト性と実行速度が向上しました。また、ラボアップデートの速度が大幅に向上し、ロバスト性も向上しました。

主な市場

石油、石油化学、化学、ガスなどの連続プロセスをもつプラントにおける高度制御

OpreXとは

 制御事業の包括的ブランドであるOpreXは、お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、「Platform for Advanced Control and Estimation」はOpreX Transformationのソリューションの一つであるOpreX Asset Operations and Optimizationに属します。OpreX Transformationは、企業活動全体を俯瞰し、生産からサプライチェーン、リスク管理や経営までの領域を含む卓越したオペレーションを実現する包括的ソリューションを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、ビジネスにおける課題解決のために、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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    高度制御ソリューションは、エネルギー消費を抑え製品収率を改善することで、運転利益を生み出します。また、経済効果だけでなく、アラームの減少、手動操作回数が減らせるといったメリットも得られます。 
    Advanced Regulatory Controlモジュール、多変数モデル予測制御、ソフトセンサーやAdvanced Monitoring & Diagnosisツールをコンサルティング・エンジニアリングサービスと併せて提供し、高度制御導入期間を劇的に短縮すると共に、ロバスト性に優れた制御性能を維持し保守を容易にします。

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