2線式電磁導電率計 FLXA21

FLXA21電磁導電率計は、電磁誘導測定の原理に基づく非接触測定のため、酸、アルカリ溶液から含塩溶液まで、化学工業における濃度監視として、食品および薬品工業、メッキおよび表面処理工業、紙・パルプ工業等広いアプリケーションの導電率測定に使用できます。また、強酸、強アルカリの溶液を正確に分析するためのマトリクス補償、出力直線化機能を備えています。検出器は1本のみ接続が可能です。

特長

デジタル通信によるメンテナンス・計装工事費の削減

  • HART通信によるメンテナンス・計装工事費の削減

モジュール構造による拡張性の向上

  • モジュール構造による豊富なシステム構築が可能

進化した各種機能を搭載

  • 健康度およびメンテナンス時期予測
    最新の5つの校正結果を保存し、将来のメンテナンスや校正時期を予測
  • クイックセットアップ機能内蔵
    画面指示(ガイド)により、最小限のセットアップを容易に実現

タッチスクリーンによる操作性の向上、充実の操作画面

  • 画面と対話しながら確実にやさしいオペレーション
  • 各種表示モードを豊富に準備、自由度高く選定可
  • エラー発生時、エラーの内容および対処を表示
  • 日常の操作で取扱説明書が不要

12カ国語対応

日本語、英語、中国語、韓国語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、チェコ語、ポーランド語の12カ国語から選択可能

KOSHA、ATEX 他各種防爆に対応

標準仕様

入力仕様 ISC40GJ 電磁導電率検出器(弊社製)、内蔵温度素子:30 kΩ NTC またはPt1000
測定範囲 導電率:0~ 2000 mS/cm(基準温度25°Cのとき)
温 度:-20~140°C
性能
(変換器単体の模擬入力での性能)
導電率:直線性 ; ±0.4% F.S. ±0.3 μS
            繰返し性 ; ±0.4% F.S. ±0.3 μS/cm
温 度 : 直線性 ; ±0.3°C、繰返し性 ; ±0.1°C
精 度:±0.3°C
(注) F.S.とは、設定レンジの最大値を示します。
温度補償 :NaCl ;±1%、マトリクス ; ±3%
ステップ応答: 8秒以内(90%応答時間、測定値が2桁変動の場合)
概要:

電解プラントでは、pH 計・ORP 計・導電率計・密度計などのプロセス分析計が使用されます。これらは、各工程における溶液の濃度管理などで重要な役割を担いますので、長期間安定に動作することが要求されます。しかしながら、電解プラントでの測定液は、腐食性が強い、液温が高い、検出器を汚すといった分析計にとって非常に厳しい性状を持ちますので、機種の選択には慎重さが必要です。
横河電機の分析計(検出器)には、電解プラントでの実績を積み重ねてきたものがあります。例えば、pH 測定のための“DPA405、DPA406 化学プロセス用検出器“、塩酸・硫酸・苛性ソーダの濃度管理に使用する “ISC40GJ 電磁導電率検出器” などです。

業種:
概要:

概要

原料塩を水に溶かす溶解槽での NaCl 濃度の管理は、電解効率と関わりがあるため、極めて重要です。
溶解槽での過飽和 NaCl 溶液の濃度測定には、NaCl や不純物が析出するために非接触形のセンサ(例えば、γ線密度計)が用いられていました。しかし、保守に手間がかかりすぎ、γ線密度計の場合は放射線の管理も必要といった問題もありました。
FLXA21 2 線式液分析計を採用することにより濃度表示が可能となり、保守性・コストパフォーマンス・測定精度なども大幅に改善できました。

 

お客様の期待

  • 溶解槽の NaCl 濃度を測定したい
  • ランニングコストを削減したい
  • 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい

 

プロセス概略

電解プラントでは、まず、原料塩を溶解槽で水に溶かして塩水にします。この塩水には電解効率を下げる Ca・Mg・硫酸根などの不純物が含まれているので、電解槽にはこれらの不純物を除去した精製塩水にして送液します。電解槽では、精製塩水を電気分解し、苛性ソーダと塩素を生成させます。電解槽陰極側の苛性ソーダ溶液 ( 濃度:約 32%) は濃縮缶で濃縮し、約 48% 濃度の製品にします。

プロセス概略

 

YOKOGAWA のソリューション

測定システム

2 線式電磁導電率計システム

  • 検出器
    ISC40GJ-GG-T1-X □
  • 流通形ホルダ
    ISC40FFJ-PJ
  • 伝送器
    FLXA21-D-P-S-AA-C5-NN-A-N-LA-J
  • ディストリビュータ
    分析計専用ディストリビュータ
     PH201G-A □* B

ユーティリティ

  • FLXA21 伝送器
    電源電圧:17 ~ 40V DC(ディストリビュータから)
    消費電力:最大 0.9 VA
  • PH201G ディストリビュータ
    電源:100V 仕様:20 ~ 130 V DC/80 ~ 138 V AC,47 ~ 63 Hz
       220V 仕様:120 ~ 340 V DC/138 ~ 264 V AC,47 ~ 63 Hz
    消費電力:24 V DC:約 200 mA
         100 V AC:約 7 VA
         220 V AC:約 11 VA

留意点

  • 測定サンプルには、溶解槽の上澄み液を採取します。さらに、沈降槽を設けて、測定槽にはその上澄み液を入れるようにします。

設置概略図

設置概略図

 

フィールドデータ

1. プロセス条件(原料塩溶解槽)

温 度:: 約 65℃
圧 力:大気圧
測定対象:過飽和塩水
NaCl 濃度管理範囲:200 ~ 360 g/l
            ↓
          18.1 ~ 30 wt% (*)
(*):ユーザーの比重実測データによる。

2.    FLXA21 設定項目

(導電率と濃度の関係は,SC72 パーソナル SC メータで実
測して得た S = 16.3x の一次直線近似式によります。)

  • NaCl 温度補償テーブルを使用
  • 基準温度設定:25℃
出力(%) 濃度(%) 導電率 (mS/cm)
0 18 293
50 24 391
100 30 489
業種:
概要:

食品・飲料品・薬品の製造ラインでは、製品などの製造が終了する毎にタンクや配管などの洗浄・殺菌が行なわれます。また、用いた薬品は、コスト削減のため回収が図られます。この目的の CIP(Clean-in-Place) システムでは、洗浄剤と洗浄水の入れ替えにおける識別等のために、導電率計が使用されます。
FLXA21 2 線式液分析計は、広い測定範囲に対応できる検出器を有した高精度の測定が可能な導電率計です。FLXA21 の採用により、境界面測定の精度がアップするなど、他の導電率計より有利な運転が可能になりました。

業種:
概要:

従来、ボイラ給水タンク給水系での糖液漏れ監視は、1日当たり数回、手分析する方法で行なわれていたため、多大な工数がかかっていました。また、監視が連続的でないため信頼性に欠けており、糖液漏れが発生したときにはそのカバーリングにも多くの費用と時間を必要としていました。
FLXA21/ISC450G 電磁導電率計を採用したことで安定に連続監視ができ、糖液漏れはいち早く検知されるのでトラブルが重大化するのを防げるようになりました。

業種:
概要:

半導体工場では、各製造工程で種々の薬品が使用されます。それらの中に、現像液やフッ酸溶液があります。これらは、希釈装置において、原液を規定の濃度になるよう純水で薄めて調製されますが、このときの濃度管理は導電率を測定することによって行なわれます。
電磁導電率計は、耐食性があり広い測定範囲に適用できる検出器を有しており、多くのプロセスにおいて高精度での測定が可能な導電率計です。FLXA21/ISC450G の採用により、高い信頼性で濃度管理が行なわれています。また、FLXA21/ISC450G は、各製造工程の廃液処理や排水の管理にも採用されています。

アプリケーションノート
概要:

FLEXA シリーズ

横河の液分析計 FLEXA シリーズは、それぞれの検出器に応じた自己診断機能を持っています。診断結果は本体のディスプレイで確認できます。

FLEXA シリーズ

 

2線式 pH/ORP 計 FLXA202

FLEXA シリーズの FLXA202 pH/ORP 計は、検出器のインピーダンス、不⻫電位、スロープ等を常時測定し、電極の汚れ・破損、断線、測定液面低下など検出器の状態を連続的に診断できます。

検出器のインピーダンス連続監視によって、検出器の洗浄周期の最適化や、ガラス電極・比較電極の的確交換を実現できます。

比較電極の状態の例

比較電極の状態の例

 

FieldMate

さらに、FLEXA シリーズと FieldMate と組み合わせることで、現場に出かけることなく、詳細な検出器診断の情報を確認することができます。

FieldMate

FieldMate は機器の設定・調整・管理ツールであり、機器の持つフィールドデジタル通信機能を利⽤することで、中継端子盤や水質監視盤など、作業のしやすい環境で、機器の情報を取得することができます。

FieldMate は FLEXA シリーズの持つ測定・診断情報をリアルタイムに取得・監視することができます。また、それらの値をトレンドとして記録し保存することも可能です。

FieldMate DeviceViewer より

FieldMate DeviceViewer より

 

FLEXA シリーズと FieldMate の組み合わせ

FLEXA シリーズと FieldMate の組み合わせ

材質はポリカーボネートで、UL746CのUV試験に合格したものを使用しています。 屋外でも使用は可能ですが、直射日光が当たる場合は、日除けフード(オプション)をご使用ください。 ...
防爆形の導電率計について
(an-sc-isc-10-explosion-proof)
防爆形の導電率計としては、「FLXA202, FLXA21:2線式導電率/抵抗率伝送器および2線式電磁導電率伝送器」を使ったシステムが用意されています。どちらも、防爆構造は「本質安全防爆構造...
HART5に対応している必要があります。 また、FLXA202/FLXA21の機器設定を行なう場合は、DD(Device Description) のインストールが必要です。
出荷時のネットワークアドレスは、0となっています。ネットワークアドレスは、0~15の範囲で設定することが可能です。 マルチドロップ接続で使用する場合は、1~15のアドレスを設定...
FieldMate では、PV、SV、TV、FV の4つのプロセス変量を見ることができます。 たとえば、pH検出器を2本接続したときのFLXA21の設定で、PVに検出器1のpH値、SVに検出器1の温度値、TVに検出器2の...
HART通信をマルチドロップモードに設定すれば、最大15台までの機器の調整・設定、プロセス変量を見ることができます。 検出器2本を接続したFLXA202/FLXA21を15台接続した場合は、30台の検...
ブレインターミナルは接続できません。 FLXA202/FLXA21にブレイン通信機能はありません。
HART通信によるパラメータ設定はできます。
HART通信とは何ですか?
(an-flxa-comm-04-hart-communication)
アナログ出力にデジタル信号を重畳させる通信方法でHART協会の規定するHARTプロトコルを使用した通信のことです。 デジタル信号に検出器測定値、温度測定値、シリアル番号などの機器...
温度補償はあります。従来機種(EXA202、EXA450シリーズ)と同等です。
PH201Gの出力1と出力2は同じ出力信号です。 したがって、FLXA202/FLXA21の検出器1と検出器2のどちらかの信号しか出力できません。
PH201G通信とHART通信です。 PH201G通信とHART通信を同時に使用することはできません。
FLXAの端子台はM4座金付きですので、M4の丸端子・フォーク端子、またはピン端子を組合わせることができます。
FLXA202/FLXA21とのHART通信を行なうためには、HART通信機能をもった携帯型の通信ターミナル(HARTコミュニケータ)や同等の機能を持つパソコン(パソコン、HARTモデム、ソフトウエア)また...
センサモジュールを交換して測定種類を変更する場合は改造になります。 サービス員が改造作業を行いますので、特注処理が必要です。
pH計ではインピーダンスチェック、導電率計では分極チェック、電磁導電率計や溶存酸素計では校正履歴データなどを参考に予測計算をします。
デジタル通信により現場まで出向かずにデータの取得、設定変更を行なうことができるためメンテナンス性が向上します。 また、FLXA202/FLXA21では(ISCを除き)、2センサ入力でかつデジタ...
pHではスロープ・ゼロを用いてセンサの寿命予測を行います。 校正時の補正値を保存し、校正の履歴はログブックに保存できます。 ログブックには、1つのモジュールあたりすべての種...
FLXA21は、IECEx、ATEX、FM、CSA、NEPSI、KOSHA、およびEACExに対応しています。 FLXA202は、IECEx、ATEX、FM、CSA、NEPSI、KOSHA、EACEx、および TIIS に対応しています。
あります。
デジタル式タッチパネルを採用しており、位置ずれはなく調整は不要です。
液晶の交換は通常必要ありません。
PH202と同じことができます。 FLXA202/FLXA21もPH201Gとの通信が可能で、異常(FAIL)・洗浄(WASH)・ホールド(HOLD)の状態出力をします。 PH201Gは異常時接点出力、ホールド接点出力、洗浄時接点出力...
センサモジュールを追加して2検出器タイプに変更する場合は改造になります。 サービス員が改造作業を行いますので、特注処理が必要です。
購入できます。 ただし、モジュールの交換は、弊社もしくは関連会社が主催するサービス講習会を受講したお客様のみ可能です。
ピン端子、丸形端子、フォーク端子(Y端子)が使用できます。 ただし、ステンレス製ハウジングのケース外部の接地端子には丸形端子を使用してください。 ピン端子:最大径:1.9 mm ...
新しい機能です。FLXA202/FLXA21は搭載しています。 過去の校正データからスロープやゼロ点が変化していく傾向を算出し、直近の校正時点からの経過時間で今時点でのスロープ、ゼロを予...
導電率計の校正証明書は、下記製品について発行できます。 SC72 パーソナルSCメータ: 指示部(本体)のみ。検出部は対応できません。 プロセス用導電率計: 下記の変換器(また...
導電率計の精度について
(an-sc-isc-07-accuracy)
導電率計の精度については、JISにも記載されていません(pH計は記載されています)。 pH計と異なり、導電率計に関して標準液や機器自体の精度を認証してくれる国家機関や基準があり...
SDS(Safety Data Sheet)制度とは、「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善に関する法律」(PRTR法)に基づき、対象化学物質または当該化学物質を含有する製品を事業者間で...
プロセス用導電率計および電磁導電率計が正しく測定しているかどうかのチェックには、弊社の「SC72 パーソナルSCメータ」が便利で最適です。 「SC72 パーソナルSCメータ」をプロセス用...
導電率と抵抗率の関係
(an-sc-isc-12-conductivity-resistivity)
抵抗率(Ω・cm)は導電率(S/cm)の逆数で、比抵抗ともいいます。 水処理分野では、1MΩ・cm以上(導電率1μS/cm以下)の水は抵抗率で表されます。
導電率計の校正用溶液について
(an-sc-isc-06-calibration-solution)
導電率計の校正用溶液としては、実験室で調製することができる塩化ナトリウム(NaCl)溶液や塩化カリウム(KCl)溶液が一般的です。 下表に、それぞれの溶液の25℃における導電率の値...
導電率計の校正について
(an-sc-isc-05-calibration)
導電率計に関して、標準液や機器自体を認証してくれる国家機関や基準がありません。 通常、導電率計の校正はJISに従って調製した校正用溶液で行います。したがって、導電率計の値付...
導電率とは溶液中の電流の流れやすさの尺度で、比抵抗の逆数です。 下図のようにL(cm)の距離を隔てて、表面積(cm2)の極板が対向して溶液中に置かれているとすると、その間の溶液の電...
導電率と濃度の関係について
(an-sc-isc-02-relationship)
純水に電解物質を溶かしていくと、溶解量が少ない間は導電率がその濃度に比例して増加していきます。しかし、電解物質の濃度がある程度以上になると解離度(イオンになりやすさ)...
液体の導電率は、液温により大きく変化します。一般に、同じ液でも温度が上がれば導電率は大きくなりますが、その度合いは溶け込んでいるイオンの種類や濃度によって違います。 こ...
導電率の測定方法としては、「電極法」と「電磁誘導法」があります。 電極法には、2電極式と電極表面の汚れや分極の影響を受けにくい4電極式があります。 電磁誘導法は検出器が耐食...
導電率計と電磁導電率計の使い分けですが、純水や浄水など導電率が低い場合は導電率計を、汚れが多い測定水や酸アルカリ溶液のように導電率が高い場合は電磁導電率計をお奨めしま...
pHとpH、導電率(SC)と導電率(SC)というように、同一種類の検出器を2本接続できます。 ただし電磁導電率(ISC)は1本のみです。 PHモジュール、SCモジュールなどモジュールに対応し...
2入力の場合,それぞれの入力の情報が上下に並んで表示されます。 第1入力を上側に表示することもでき、下側に表示することもできます。 検出器1・2の測定値だけでなく、演算結果な...
pHまたは溶存酸素(DO)では差分と平均、導電率(SC)では差分、平均、比率、通過率(%)、除去率(%)、偏差(%)、pH校正(VGB)の演算ができます。ユーザのカスタム演算機能はありません。 ...
表示や出力にかかわらず、健康度チェックは2つの検出器とも常時行っています。
検出器1の表示画面に検出器1の健康度が表示されます。検出器2も同じです。 検出器1と2の両方を表示する画面設定では、それぞれの検出器の表示範囲に、それぞれの健康度が表示されま...
トレンドは画面表示の機能です。 分析計には測定値の出力機能はありませんので、アナログ出力やHART通信を上位機器で記録してください。
HART通信機能を使用することにより、対応可能です。
出力することは出来ません。 FLXA202/FLXA21は2線式伝送器のため、アナログ出力は1つです。
切り換わりません。 自動切り換えは検出器1→2のみです。バックアップ機能を使用する場合は、検出器1をメインにしてください。
FLXA202/FLXA21は、接点入力機能はありません。
エラー内容にもよりますが、エラーは自動復帰します。エラー履歴はログブック機能で確認できます。
横河技報
1.1 MB

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