光ファイバ温度センサ

広大なプラントのオート監視は技術面、コスト面の課題があり、企業が重視するべきHSE(労働安全衛生・環境)の実現が困難であると言われています。光ファイバを温度センサとして使用する当社のDTSX®シリーズは、防爆、耐誘導性に優れ、ポイントセンサにはできない、「ブランクエリアのない確実な温度監視」を実現。長距離・広範囲の温度監視が可能であることから、コンベア火災検知、ケーブル温度監視、配管漏れ検知、予防保全など、様々な分野でご活用いただけます。

  • 対応距離は最大~50kmのため長距離・広範囲に対応可能です。業界トップの温度分解能を誇るフラッグシップモデルです。シングルモード対応もラインアップしております。

  • 対応距離は~6kmのため小~中規模にも対応可能な普及機種です。業界トップの低消費電力と、幅広い機器本体の耐環境温度を誇り、工業用途に適した製品です。

光ファイバ中の散乱現象

光ファイバ中の散乱現象

  • 光パルスはセンサ用光ファイバ中を進むと、それに伴い各位置で散乱光が発生します。
  • 散乱光の一部は後方散乱光として光パルスの進行方向とは逆方向に戻り、時系列信号として受信されます。
  • 当社の光ファイバ温度センサは、次の散乱光の中で特に温度感受性の高いラマン散乱光を利用して温度分布を測定します。
散乱光の種類 特徴 応用分野
レイリー散乱
(Rayleigh)
●媒質内の密度揺らぎにより発生
●入射光と同じ周波数成分
●損失分布(OTDR)
ラマン散乱
(Raman)
●媒質内の分子振動との相互作用により発生
●主にアンチストークス光の強度が温度に依存
●温度分布(DTS)
ブリルアン散乱
(Brillouin)
●媒質内の音波との相互作用により発生
●周波数が歪みと温度に依存
●歪み分布(DSS)
●温度分布

OTDR:Optical Time Domain Reflectometer
DTS:Distributed Temperature Sensor
DSS:Distributed Strain Sensor

 

測定原理

ラマン散乱光
  • ラマン散乱光はストークス光/アンチストークス光の両方に発生しますが、アンチストークス光の方が温度感受性は高く、両者の強度比から温度が求められます。
ラマン散乱光強度の時系列分布
  • 光ファイバの温度が高いときはアンチストークス光の強度は増大し、低いときには減少します。
強度比(Ias/Ist)を温度に変換
  • 光ラマン散乱光(ストークス光/アンチストークス)強度は温度に変換されます。
  • 光パルスを発光し、ラマン散乱光を受信するまでの往復時間から距離情報に変換することが出来ます。

片方向測定(シングルエンド)方式

片方向測定(シングルエンド)方式

  • 光パルスをセンサ用光ファイバの片端からのみ入射する方式で、測定対象が長距離の場合に有効な測定方式です。
  • ただし、双方向測定方式のようにセンサ用光ファイバの損失変化による測定温度への影響を補正することは不可能なため、高確度な温度測定が要求されるような用途には不向きです。
  • 外力や温度変動に起因する損失変動が比較的少ない火災検知や電力ケーブル監視等において有効な測定方式です。

 

双方向測定(ダブルエンド)方式

双方向測定(ダブルエンド)方式

  • ループ状に敷設されたセンサ用光ファイバの両端から光パルスを入射する方式です。
  • 測定可能な距離は片方向測定に比べて半減しますが、接続部や外力を受けて生じるセンサ用光ファイバの損失変化による測定温度への影響が相殺されるため、高精度な測定を実現します。
  • さらに弊社の双方向測定方式では、センサ用光ファイバの一部に温度同一区間を設けることで、ダークニング(腐食性ガス等によるセンサ用光ファイバの損失変化)や接続部分の損失変動による測定温度への影響を大幅に低減しています。
  • 高温測定や信頼性・安定性が必要なケースには双方向測定方式を推奨します。

 

測定方式の比較

測定方式 メリット デメリット
片方向測定方式 ●センサ用光ファイバの敷設が、双方向測定に比べて容易
●光スイッチが不要
●光ファイバが断線しても断線位置までは継続して測定可能
●位置による損失の変動は補正不能
●温度校正方法が双方向測定より複雑
双方向測定方式 ●光ファイバに沿った損失分布を自動的に相殺
●弊社方式ではダークニング等の影響を低減
●光ファイバが断線した場合、片方向測定に自動切替
●センサ用光ファイバをループ状に敷設する必要がある
●光スイッチが必要
●実質的な測定可能距離は片方向測定方式の半分

温度センサの種類と特長

種類 特徴
光ファイバ温度センサ 光ファイバを温度センサとして使用するため、長距離・広範囲の温度監視に適しています。光ファイバに沿ってサンプリング間隔毎に具体的な場所の特定と、その場所の温度を監視することが可能です。
サーモカメラ 対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出して、温度測定・計測を行なう装置です。非接触で、幅広いエリアの温度分布を測定できるため、工業炉や回転体等の温度監視に適しています。
測温抵抗体 金属の電気抵抗が温度にほぼ比例して変化することを利用した温度センサです。精度の良い温度測定が可能なため、工業用精密温度測定に適しています。
熱電対 2種類の異なる金属を接続して、両方の接点間にその温度差により生じる起電力を利用した温度センサです。安価で広い範囲の温度測定が可能なため工業用温度センサとして広く使われています。
放射温度計 物質から放射される赤外線の強度を測定して温度を測定する温度計です。非接触式温度計であること、遠隔測定が可能であることから、超高温域の温度測定に適しています。

 

比較事例:ケーブル温度モニタリングの場合

  光ファイバ温度センサ
光ファイバ温度センサ
サーモカメラ
サーモカメラ
ポイントセンサ(熱電対)
ポイントセンサ(熱電対)
概要 光ファイバセンサによる
広範囲モニタリング
サーモカメラによる
表面温度モニタリング
ポイントセンサによる
多点モニタリング
検出方法 接触 非接触 接触
モニタリング温度範囲 -200~300°C
(センサケーブルによる)
常温~2000°C
(レンジ切り替え要)
-200~1000°C
(K熱電対)
エリア 超広範囲
DTSX200:~6km/ch
DTSX3000:~50km/ch
狭い
視野角20°
広範囲
メリット 超広範囲、ブランクエリアなし 小エリア検出 小エリア検出
デメリット 小エリアへの制約 ブランクエリアあり ブランクエリアあり
補償導線敷設、メンテ

光ファイバ温度センサの性能を表す代表的なパラメータとして、空間分解能と温度分解能があります。両者は一般的にトレードオフの関係にありますが、弊社では信号処理技術によって高性能を実現しています。

 

空間分解能

空間分解能

  • 空間分解能は温度変化を捉える最小長になります。(「応答距離」と呼称されることもあります。)
  • 空間分解能の定義は、センサ用光ファイバの10~90%の温度変化を識別したときの長さになります。
  • サンプリング分解能は測定データの間隔であり、空間分解能の定義とは異なります。

 

温度分解能

  • 温度分解能は、均一温度環境(恒温槽)下における一定長のセンサ用光ファイバ長手方向の測定値の標準偏差(1σ)で定義されます。
  • 温度分解能は測定ばらつきの指標であり、温度確度とは異なります。(基準温度計を用いて校正することにより高い温度確度で測定が可能となります。)
  • 後方ラマン散乱光は非常に微弱な信号であり、光ファイバ温度センサは測定を繰り返して平均化処理することにより温度分解能が向上します。

DTSX200温度分解能
測定結果の例(DTSX200)

光ファイバセンサケーブルには、用途により最適な種類を選択できます。

  ; ケーブル構造 温度範囲の例 アプリケーションの例
金属保護管
(SUS、インコロイ等)
金属保護管 低温(-200°C~)
常温(-20~+70°C)
高温(~+300°C)
高温鉄皮温度監視
LNG設備温度監視
ケーブルラック温度監視
ベルトコンベア火災監視
石油&ガス井温度監視
金属保護管+樹脂被覆 金属保護管+樹脂被膜 -20~+70°C ケーブルラック温度監視
ベルトコンベア火災監視
トンネル温度監視
フレキメタリック フレキメタリック -20~+70°C ケーブルラック温度監視
ベルトコンベア火災監視
室内温度監視
ノンメタリック
(難燃ポリエチレン)
ノンメタリック -20~+70°C ケーブルラック温度監視
ベルトコンベア火災監視
室内温度監視

 

金属保護管

  • 金属管の中に光ファイバが入っているタイプで、最も適用温度範囲が広いです。
  • フレキメタリック、ノンメタリックと比べると強度が高いです。
  • 使用する環境により金属の種類を選択します。
  • 他のケーブルより高額になります。

金属保護管+樹脂被覆

  • 樹脂被覆があるため海の近くなどでの使用も可能です。
  • フレキメタリック、ノンメタリックと比べると強度が高いです。
  • 樹脂被覆を用いるため適用温度範囲が制限されます。

フレキメタリック

  • ケーブルにいちばん柔軟性があり、取扱いが容易です。
  • 強度を求められる環境では注意が必要です。
  • 樹脂被覆を用いるため適用温度範囲が制限されます。

ノンメタリック

  • ケーブルに柔軟性があり、取扱いが容易です。
  • 強度を求められる環境では注意が必要です。
  • 樹脂被覆を用いるため適用温度範囲が制限されます。
概要:

バスバーまたはバスダクトの温度を正確に把握することができれば、過熱の発生箇所を特定し、破損や焼損を未然に防ぐことができます。YOKOGAWAのDTSXは、強電界下でも電磁ノイズの影響を受けない 『光ファイバケーブル』 を使用しているため、温度分布を1メートル単位で素早く正確に測定できます。また、連続的なバスバーの温度監視によって、過熱が起こっている箇所すなわちボルトの増し締めなどの保守作業が必要な箇所を特定することができます。

アプリケーションノート
業種:
アプリケーションノート
概要:

高圧送電ケーブルの温度分布を正確かつリアルタイムに測定することで、ケーブル温度やホットスポットの状況を監視しつつ、可変速駆動装置(VSD)の出力レベルが動的に制御することが可能となります。これにより安全な状態を維持しながら、生産性を飛躍的に向上させることができます。

業種:
アプリケーションノート
アプリケーションノート

製品概要

    概要:

    広大なプラントのオート監視における技術面、コスト面の課題をDTSX光ファイバ温度センサが解決します。

本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください


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