横河電機株式会社
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車載用リチウムイオン電池 製造工程の棚、保管棚のスマート監視(車載用リチウムイオン電池アプリケーション)

DTSX は、光ファイバケーブルを温度センサーとして用いる、ユニークで革新的な温度モニタリングシステムです。

現状の課題

製造工程の棚、保管棚のリチウムイオン電池の発火リスクと経営へ与える影響

大量のリチウムイオン電池を、製造の仕掛棚、エージングなど温度サイクル試験、保管棚でスタックする際、電池の熱暴走が発生した場合の早期発見は可能でしょうか?

一般的にポイント型センサによる温度監視がありますが、一つひとつの棚が大きいケースなど、ポイント型センサ 1 点での早期発見は困難です。

発見が遅れることで被害が拡大した場合、単なる納期遅延に留まることなく、サプライチェーンへの影響はそのまま社会的、経営的な影響に直結します。

製造工程の棚、保管棚のリチウムイオン電池の発火リスクと経営へ与える影響

 

ソリューションとベネフィット

光ファイバケーブルで製造工程の棚、保管棚を網羅的 / 経済的に監視

従来より使われているポイント型センサの場合一つひとつの棚への設置、配線、端末処理に非常に多くのコストが割かれており、かつ工期が長引く要因にもなっています。
導入後は大量のポイント型センサの健全性を確認するコストも課題となっています。

線形熱感知器 DTSX は、一つひとつの棚が大型であっても、光ファイバケーブルを敷設することで、全ての棚を網羅的に監視することができます。ポイント型センサによる工期の長期化初期費用、維持管理費増などの課題がないため、新しい解決手段として採用されています。

光ファイバケーブルで製造工程の棚、保管棚を網羅的/経済的に監視

また、ポイント型センサと異なる温度異常検出方法として、シンプルな上限警報 / 変化率警報をはじめ、外部温度計との差分警報など、現場環境に合わせて柔軟に構築や設定が可能です。これが早期発見と迅速な初動につながり、被害を最小限にとどめます。

DTSX は、欧州の火災感知規格 EN54-22 を取得し海外で火災検知器として使われています。リチウムイオン電池以外の物流自動倉庫、その他様々な用途で採用されています。

 

DTSX による「光ファイバセンシング」の特長

光ファイバケーブルそのものが温度センサーになります

光ファイバケーブルそのものが温度センサになります

1 m ごとの温度分布監視

  • 監視距離: ~ 50 ㎞
  • 監視温度: -200 ~ 300 °C
  • 最短監視周期: 約 5 秒
  • 温度分解能: 0.03 °C
    *: 各仕様は条件に依存

おもな特長

  • 広いエリア、普段人が立ち入らないエリアでも、24 時間 365 日監視可能
  • 電源不要 / 防爆 / 電磁ノイズの影響なし
  • フレキシブルな敷設
  • DCS などの上位システムとの高い親和性(Modbus / TCP)

 

他の車載リチウムイオン電池アプリケーション

給電用バスバーの健全性監視

リチウムイオン電池工場に設置されている給電用バスバーの接合部分の健全性を監視します。バスダクトに内蔵されかつ天井裏などの死角にある長距離のバスバーを網羅的に監視することで異常を見逃しません。
(詳細は、「車載用リチウムイオン電池アプリケーション (給電用バスバーの健全性監視)」をご覧ください)

給電用バスバーの健全性監視

 

電池組立工程の排気ダクト防災

リチウムイオン電池の組立工程におけるアルミ粉塵などの混入を防ぐ排気ダクトには火災や粉塵爆発のリスクがあります。天井裏など人の死角にある長距離ダクトを網羅的に監視することで異常を見逃しません。
(詳細は、「車載用リチウムイオン電池アプリケーション (電池組立工程の排気ダクト防災)」をご覧ください)

電池組立工程の排気ダクト防災

 

セパレータ / 電極の塗工乾燥炉温度分布確認

リチウムイオン電池を構成するセパレータ / 電極の塗工乾燥工程の乾燥炉内の温度分布を見える化します。最適な温度プロファイルにすることで生産性の向上を実現できます。
(詳細は、「車載用リチウムイオン電池アプリケーション (セパレータ / 電極の乾燥炉温度分布監視)」をご覧ください)

セパレータ/電極の塗工乾燥炉温度分布確認

 

業種

  • 自動車

    自動車業界では、電動化や自動運転など市場の新たな要求に対しタイムリーな対応が求められる中、各社は日々技術革新・生産性効率アップ・環境対応と研鑽を積み重ねています。YOKOGAWAは、自動車業界の事業者様へ、理想的なスマートファクトリー構築支援を行い、持続可能な社会の実現に貢献します。

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  • 電機・電子

    近年、自動車の自動運転化技術が急速に進み、電子部品が数多く車に搭載されています。また医療機器の高性能化も同様の動きとなっております。この為、電機電子部品業界では、製造過程のトレーサビリティや部品の製造履歴を1品1品の単位で管理し、不良ゼロに向けた工場づくりを進めております。当社は、その際に出くわす現場の課題を的確に捉え、設備の予兆管理や品質不良ゼロに向けたスマートファクトリーの実現をお手伝いいたします。

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  • 電池

    電池 (リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、燃料電池など) 産業は、グローバル展開、技術革新などの市場変動の中、多くのお客様は以下のような課題を抱えられています。

    • 高い品質要求への対応、およびトレーサビリティ強化の要求への対応
    • 競争力強化のための生産の効率化・コスト削減
    • 環境・省エネ問題への対応
    • 技術・知識の共有化への対応
      など・・・

    YOKOGAWAは、今後期待されるリチウムイオン二次電池や燃料電池などの材料開発から製造工程に至るまで、各業界・分野で長年培った最新・最高技術と計測・制御・情報のノウハウと実績を有機的に結合させたソリューションを提供しています。

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関連製品&ソリューション

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    DTSX200 は、温度測定対象や領域が小中規模で、光ファイバケーブルが短距離の場合に最適な、普及版機種です。低消費電力であることと、温度測定環境に左右されることが少ないため耐環境性に優れています。

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  • 光ファイバ温度センサ DTSX3000

    DTSX3000 は、「 1台で、もっと長距離で、もっと広範囲に渡っての温度分布監視がしたい」というご要望に応えて開発した光ファイバ温度センサです。長距離温度測定と、高い温度分解能に対応できる機能を備えたフラグシップモデルです。

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  • 線形熱感知器 DTSX1

    DTSX1 は、熱検知に必要な機能を 1ボックスに収納した熱感知器です。光ファイバケーブルで測定して温度データを高精度に解析し、高温の熱検出を行います。

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  • 光ファイバ温度センサ DTSX

    温度センサーに光ファイバを使用した光ファイバ温度センサ DTSXは、長距離・広範囲の生産設備を24時間もれなく温度監視することで、設備異常を素早く検知し、発生場所を特定します。精度の高い予知保全でダウンタイムを回避して工場の安定稼働を実現します。

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