液体密度計

密度は、あらゆる産業プロセスで重要な指標です。検出器から周波数信号をダイレクトに密度値に変換、表示・出力し高精度測定を行ないます。検出器は、一般用のほかに耐圧防爆形およびサニタリ用もラインナップしています。
苛性ソーダ製造における濃度管理、ビール発酵工程における発酵度の管理、乳酸飲料の調合工程においての比重(密度)測定など多くのプロセスで使用されています。

  • 液体密度計は、薄肉円筒の共振周波数が円筒周囲の液体密度によって変化する振動式の原理を採用し、検出器からの周波数信号をダイレクトに密度値に変換し表示します。ワンタッチ校正、自己診断など使いやすさに優れた各種機能が盛り込まれています。

概要:

概要

化学工業の重要な基礎薬品である苛性ソーダは、その多くがソーダの電解プロセスで作られます。電解方式にはイオン交換膜式(IM 法)と隔膜式(D 法)とがありますが、有害物質を使用せず、省エネルギーである点から IM法が主流になってきています。
いずれの方式においても電解で得られた溶液を濃縮して製品苛性ソーダを作る工程が存在しますが、濃度はこの工程で調べられます。その方法として、苛性ソーダの濃度と密度にはほぼ直線に近い相関関係があることを利用、密度を測定して間接的に濃度を知る方法が用いられます。DM8 振動式液体密度計は高感度、高安定性を持つ機器であり、DM8 の採用によって精度の高い管理が実現しました。

 

お客様の期待

  • 苛性ソーダの濃度を測定したい
  • 人手をかけずランニングコストを削減したい
  • 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい

 

プロセス概略

原料塩に含まれる不純物は、原料塩を水に溶かした塩水状態で除去します。精製した塩水からは、電気分解によって苛性ソーダと塩素を生成します。陰極側の苛性ソーダ溶液の濃度は 32% 程度であり、これを濃縮缶で水分を蒸発させて濃縮し、濃度を約 48% の製品レベルまで高めます。
IM 法の場合、密度計の 1 つは陰極液出口部に設置し、この密度計の測定値によって、苛性ソーダが一定の濃度になるよう濃縮缶のスチーム温度と圧力を調節します。もう 1 つの密度計は濃縮缶の出口に設置し、製品品質の管理を目的とした密度測定を行ないます。

プロセス概略

 

YOKOGAWA のソリューション

測定システム

  • 検出器
    VD6D-N1*B
  • 変換器
    DM8C-A □* C
  • 専用ケーブル
    DM8W-L □□□□* A
  • サンプリング装置
    VD6SM- □□□ -P □□ 0-T □□ 0 * B/FN
    (ユーザーが準備する場合もあります。)

ユーティリティ

  • DM8C 変換器 /VD6D 検出器
    電源(変換器に供給):90 ~ 132/180 ~ 264 V AC,50/60 Hz
    消費電力:20 VA

 

フィールドデータ

1. プロセス条件

測定点 陰極液出口部 濃縮缶出口部
温度 70 ~ 80℃ 150 ~ 170℃
NaOH 濃度 20 ~ 35% 40 ~ 48%
測定液密度 1.25 ~ 1.35 g/cm3 1.4 ~ 1.5 g/cm3

DM8C 変換器、VD6D 検出器

2. 苛性ソーダの濃度 - 密度特性

(International Critical Table による)

苛性ソーダの濃度 - 密度特性 イメージ

留意点

  • 苛性ソーダの測定には、耐食性の点から、必ずニッケル製の振動子アセンブリを使用してください。
  • 文献などにある苛性ソーダの濃度 - 密度特性は、溶質が NaOH のみのデータである場合がほとんどです。
    NaOH 以外の成分を含むと特性が異なりますので、濃度換算を行なう場合は、実液で検量線を作成してください。
  • 測定液に気泡が混入していると、正しい密度値が得られません。気泡混入のおそれがある場合は、除去策を講じてください。
  • 濃縮缶出口部の液温は 100℃を超えているため、クーラ等で 100℃以下に冷却してから測定してください。

< 気泡除去策の例 >

気泡除去策の例

条件
入口での温度:0 ~ 100℃  流量:1 ~ 10 l/min
入口での圧力:0 ~ 2 MPa  入出口間差圧:100 kPa 以上

業種:
概要:

概要

近年、二酸化炭素による地球温暖化防止のため石油に代わる燃料として、バイオマスを原料とする再生可能エネルギーが注目されています。その中でも特にエタノール(バイオエタノール)が脚光を浴びています。
DM8 振動式密度計を使い、連続で安定したエタノール濃度測定により品質管理をすることが可能になります。

 

お客様の期待

  • 連続で安定したエタノール濃度を測定をしたい
  • 工数軽減をはかりランニングコストを削減したい
  • 品質向上をはかりたい

 

プロセス概略

製造工程は、供給原料の種類によって分けられます。サトウキビ等の糖質原料については、酵母を用いて発酵し、その後濃縮、蒸留・脱水の工程を経てバイオエタノールが製造されます。米国等では主にトウモロコシ等のデンプン系原料が用いられていますが、デンプンを糖化する工程が入るものの、その後の工程は糖質原料の場合と同様に製造されます。近年、木材等の木質系バイオマスからセルロース類を分離、糖化してエタノールを製造する技術開発も行われています。これら草木質系を原料とする場合には、糖化工程の前に硫酸や酵素などを使った前処理も必要となります。これらエタノール連続生成プロセスに振動式密度計を使用することで、エタノール濃度を連続で安定した測定を実現します。

エタノール連続生成プロセス(糖質系)

 

YOKOGAWA のソリューション

測定システム

  • 一般用検出器
    VD6D-S3*B
  • 変換器
    DM8C-A □* C
  • 専用ケーブル
    DM8W-L □□□□* A
  • サンプリング装置
    VD6SM- □□□ -P □□ 0-T □□ 0*B
    (ユーザが準備する場合もあります。)

ユーティリティ

  • DM8C 変換器 /VD6D 検出器
    電源(変換器に供給):90 ~ 132/180 ~ 264 V AC、50/60 Hz
    消費電力:20VA

 

フィールドデータ

エタノールの体積濃度と密度の関係(概略)

フィールドデータ イメージ1

振動式密度計を用いることにより、エタノール測定において安定した濃度管理ができるようになりました。
また、品質管理・生産性が向上し測定・品質の両面において振動式密度計の優位性を確認することができました。

エタノールの生産方法

 

留意点

  • 検出器内で炭酸ガス等が気化すると、指示値がハンチングするなど、正常な測定が妨げられますので気泡発生防止策を講じてください。
    たとえば、測定液の圧力を上げるため、検出器の出口側配管には絞りを設け、採取サンプルは入口側配管のポンプで昇圧するようにします。
業種:
概要:

概要

ビール工場での重要な管理項目の 1 つに、発酵工程における発酵度の監視があります。
発酵は、あらかじめ決めてあるパターンに従って発酵タンクの温度と圧力を調整し進行させます。発酵が進行するにつれエキス ( 糖分 ) 値は減少しますが、このエキス値の減少と比重には相関があるので比重 ( 密度 ) を測定することにより発酵度を知ることができます。
従来、発酵度の管理はボーメ計を用いて定期的に手分析することにより行なわれていましたが、人手がかからず自動連続測定の可能な密度計が採用されるようになりました。DM8 振動式液体密度計は、高感度・高安定性を持つ計器です。DM8 の採用により、省力化ばかりでなく、精度の高い管理を実現しています。なお、屈折率を利用したブリックス度計を使用して連続監視を行なっていた工場においても、計器コストや精度等で優る DM8 に切り換えています。

 

お客様の期待

  • 連続で安定した液体密度を測定したい
  • 人手をかけずランニングコストを削減したい
  • 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい

 

プロセス概略

ビール製造の発酵工程においては、煮沸後に約 5℃まで冷却した麦汁に酵母を加え、これを発酵タンクに入れて寝かせます。
タンク内の温度と圧力を所定のプログラムに従って制御しながら 7、8 日待つと、酵母の働きで麦汁中の糖分がほぼ分解された状態の若ビールができます。
発酵工程は、発酵の進行に伴う糖分の変化を密度の変化として捉え、密度を測定して管理します。

プロセス概略

 

YOKOGAWA のソリューション

測定システム

  • 検出器 (サニタリ用)
    VD6DS-S3*B
  • 変換器
    DM8C-A □* C
  • 専用ケーブル
    DM8W-L □□□□* A
  • サンプリング装置
    サニタリ用として、VD6SM サンプリング装置は使用できません。必要とする場合は、当社担当にお問い合わせください

ユーティリティ

  • DM8C 変換器 /VD6DS 検出器
    電源 ( 変換器に供給 ):90 ~ 132/180 ~ 264 V AC,50/60 Hz
    消費電力:20 VA

留意点

  • 発酵の進行につれ、麦汁中の炭酸ガス量が増加します。
    検出器内で炭酸ガスが気化すると、指示値がハンチングするなど、正常な測定が妨げられますので気泡発生防止策を講じてください。
    たとえば、測定液の圧力を上げるため、検出器の出口側配管には絞りを設け、採取サンプルは入口側配管のポンプで昇圧するようにします。また、サンプルは、発酵タンクの上部に戻します。

 

フィールドデータ

  • 発酵の進行に伴う糖度の変化と制御する発酵タンク内の温度・圧力との関係 (概略)

フィールドデータ イメージ

  • 密度計設定値
    温度補償係数 - 1.5 × 10-5
    基準温度    20℃
    測定スパン   0.06 g/cm3
業種:
概要:

概要

食品工業においては、生産ラインでの濃度管理が製品の品質(味など)を決定する重要な管理項目となっています。したがって、必要な製造工程から製品をサンプリングしてきて浮秤計等で比重(密度)を測定し、濃度管理を行なっています。この作業は、工数的に大きなものになっています。また、手分析測定における個人誤差等の問題もあり、オンライン測定が望まれています。
ここでは、乳酸飲料の調合工程で「DM8 振動式液体密度計」によるオンライン測定を行なって、製品の品質管理を効率化した例を紹介します。

 

お客様の期待

  • 乳酸飲料の液体密度を測定したい
  • 人手をかけずランニングコストを削減したい
  • 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい

 

プロセス概略

この乳酸飲料調合(希釈)プロセスでは、製品の濃度管理を従来は手分析で比重を測定することによって行なっていました。図のようにプロセス用振動式液体密度計「DM8」でオンライン測定するようにした結果、高精度の濃度管理が可能となったばかりでなく、ロス管理や事故予防監視も効率よく行なえるようになりました。

プロセス概略

 

YOKOGAWA のソリューション

測定システム

  • 検出器 (サニタリ用)
    VD6DS-S3*B
  • 変換器
    DM8C-A □* C
  • 専用ケーブル
    DM8W-L □□□□* A
  • サンプリング装置
    サニタリ用として、VD6SM サンプリング装置は使用できません。必要とする場合は、当社担当にお問い合わせください

ユーティリティ

  • DM8C 変換器 /VD6DS 検出器
    電源 (変換器に供給):90 ~ 132/180 ~ 264 V AC,50/60 Hz
    消費電力:20 VA

 

フィールドデータ

フィールド条件

圧力:150 kPa
温度:4 ~ 6℃

振動式密度計と浮秤計との値比較

測定結果

オンライン測定の DM8 振動式液体密度計を採用することによって各種管理が自動化でき、効率が向上した。

Rの経日変化

 

業種:
概要:

概要

脱脂乳は、原料乳からクリーム分を取り去ったものです。脱脂乳の製造に当たっては残存脂肪分が表示規格内の最小値に近づくことに目標が置かれ、これを達成するためにクリームと脱脂乳の濃度が管理されます。
この濃度管理は、クリーム分と脱脂乳分の濃度と密度に相関性があることを利用して、それぞれの密度を測定することによって行なうことができます。
DM8 振動式液体密度計は高感度、高安定性の機器であり、検出器にはサニタリ用もラインアップされています。DM8の採用によって、面倒な保守を行なうことなく、精度の高い管理が行なわれています。

 

お客様の期待

  • 脱脂乳中の残存脂肪を測定したい
  • 人手をかけずランニングコストを削減したい
  • 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい

 

プロセス概略

原料乳は、クリーム分離機(セパレータ)で、比重の軽いクリーム分と重い成分の脱脂乳に分離します。クリーム分は、殺菌・清浄化工程を経て、バター類製造の原料とします。脱脂乳は、殺菌・清浄化工程を経た後に乾燥させて “脱脂粉乳” とし、菓子や調味料などの材料として広く使用します。
脱脂乳の残留脂肪分量は、セパレータ出口のクリーム流量を調整することで管理します。密度計はクリームラインと脱脂乳ラインに 2 台設置し、それらの密度測定値によってクリーム流量調整弁の開度を制御します。

プロセス概略

 

YOKOGAWA のソリューション

測定システム

  • サニタリ用検出器
    VD6DS-S3*B
  • 変換器
    DM8C-A □* C
  • 専用ケーブル
    DM8W-L □□□□* A
  • サンプリング装置
    (ユーザ側で準備)

ユーティリティ

  • DM8C 変換器 /VD6DS 検出器
    電源(変換器に供給):90 ~ 132/180 ~ 264 V AC,50/60 Hz
    消費電力:20 VA

留意点

  • 6A パイプ以外のサイズでサンプル配管を施す場合は、レデュース付きクランプを準備してください。
  • 標準のサンプリング装置 VD6SM は、サニタリ用としての仕様は備えていません。(サンプリング装置を必要とする場合は、お問い合わせください。)
  • サニタリ用検出器は、スチームトレース不可です。振動子アセンブリに組み込まれている測温体は、取り外しが可能です。

 

フィールドデータ

プロセス条件
 測定対象:生乳分離後のクリーム分および脱脂乳
 測定条件:温度:30 ~ 40℃
  注:その他の条件等は、ユーザ非公開

DM8C 変換器 VD6DS 検出器

DM8/VD6DS 液体密度計の特長

  • 振動式であり原理上高精度・高分解能
  • メンテナンスフリー
DM8C 変換器 VD6DS 検出器

応用可能事項

  • アイスクリーム製造における 「 オーバーラン 」 管理など、ここで紹介した牛乳以外にも密度に置き換えて測定できるアプリケーションは多数存在します。
業種:
概要:

電解プラントでは、pH 計・ORP 計・導電率計・密度計などのプロセス分析計が使用されます。これらは、各工程における溶液の濃度管理などで重要な役割を担いますので、長期間安定に動作することが要求されます。しかしながら、電解プラントでの測定液は、腐食性が強い、液温が高い、検出器を汚すといった分析計にとって非常に厳しい性状を持ちますので、機種の選択には慎重さが必要です。
横河電機の分析計(検出器)には、電解プラントでの実績を積み重ねてきたものがあります。例えば、pH 測定のための“DPA405、DPA406 化学プロセス用検出器“、塩酸・硫酸・苛性ソーダの濃度管理に使用する “ISC40GJ 電磁導電率検出器” などです。

業種:
概要:

概要

食品工業においては、生産ラインでの濃度管理が製品の品質(味など)を決定する重要な管理項目となっています。
特に糖分析にいたってはブリックス(Brix)値による濃度管理を行なっています。
ここでは、清涼飲料での調合工程で「DM8 振動式液体密度計」によるオンライン測定により、製品の品質管理例を紹介します。

 

お客様の期待

  • 清涼飲料などで安定した糖濃度の測定をしたい
  • 工数軽減をはかりランニングコストを削減したい
  • 品質向上をはかりたい

 

プロセス概略

清涼飲料などの調合プロセスにおいてブリックス(Brix)値により糖濃度管理を行なっています。
振動式液体密度計「DM8」でオンライン測定するようにした場合、清涼飲料などの飲料調合プロセスでも高精度の糖濃度管理が可能となり、長期的な品質管理が行なえるようになります。

清涼飲料などの飲料調合プロセス

 

YOKOGAWA のソリューション

測定システム

  • 検出器(サニタリ用)
    VD6DS-S3*B
  • 変換器
    DM8C-A □*C
  • 専用ケーブル
    DM8W-L □□□□*A
  • サンプリング装置
    サニタリ用として、VD6SM サンプリング装置は使用できません。

ユーティリティ

  •  DM8C 変換器/VD6DS 検出器
    電 源 (変換器に供給):90 ~ 132/180 ~ 264 V AC、50/60 Hz
    消費電力:20 VA

 

フィールドデータ 

  • 糖濃度と密度の関係(概略): 摂氏 20℃標準

 糖濃度と密度の関係(概略)

業種:

本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください


お問い合わせ
トップ