ビール工場での重要な管理項目の 1 つに、発酵工程における発酵度の監視があります。
発酵は、あらかじめ決めてあるパターンに従って発酵タンクの温度と圧力を調整し進行させます。発酵が進行するにつれエキス ( 糖分 ) 値は減少しますが、このエキス値の減少と比重には相関があるので比重 ( 密度 ) を測定することにより発酵度を知ることができます。
従来、発酵度の管理はボーメ計を用いて定期的に手分析することにより行なわれていましたが、人手がかからず自動連続測定の可能な密度計が採用されるようになりました。DM8 振動式液体密度計は、高感度・高安定性を持つ計器です。DM8 の採用により、省力化ばかりでなく、精度の高い管理を実現しています。なお、屈折率を利用したブリックス度計を使用して連続監視を行なっていた工場においても、計器コストや精度等で優る DM8 に切り換えています。
ビール製造の発酵工程においては、煮沸後に約 5℃まで冷却した麦汁に酵母を加え、これを発酵タンクに入れて寝かせます。
タンク内の温度と圧力を所定のプログラムに従って制御しながら 7、8 日待つと、酵母の働きで麦汁中の糖分がほぼ分解された状態の若ビールができます。
発酵工程は、発酵の進行に伴う糖分の変化を密度の変化として捉え、密度を測定して管理します。
液体密度計は、薄肉円筒の共振周波数が円筒周囲の液体密度によって変化する振動式の原理を採用し、検出器からの周波数信号をダイレクトに密度値に変換し表示します。ワンタッチ校正、自己診断など使いやすさに優れた各種機能が盛り込まれています。