横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

肥料・水処理剤の生産設備リプレースのご紹介

多木化学株式会社 本社工場 logo

肥料・水処理剤の生産設備リプレースのご紹介 -YEWMACリプレース-

明治18年の創業以来、老舗の肥料製造会社として豊富な品揃えと品質の高さで業界トップメーカの地位を確立してきた多木化学株式会社。
今回は、肥料や水処理剤の生産設備で長年稼動したYEWMACのリプレース事例をご紹介します。

ユーザ紹介

多木化学株式会社は、明治18年(1885年)に人造肥料の開発に成功し、以来、1世紀以上に渡りアグリ分野、化学品分野において不動の地位とユーザからの厚い信頼を得ています。

近年では、我々の生活に身近な機能性材料や環境関連、バイオテクノロジー分野へも進出し、事業を拡大しております。

アグリ分野の主要製品である肥料は、過燐酸石灰・高度化成・有機化成・コーティング肥料・液体肥料等、豊富に品揃えし、柔軟で安定した生産体制のもと、厳格な品質管理を経て市場へ提供しています。また、専門の農事技師が全国各地のお客様を訪問し、農業技術の改良・普及にも力を入れています。

当社が開発した水処理用無機系凝集剤ポリ塩化アルミニウム(PAC)は、全国の上下水道施設をはじめ、産業界の用水・排水処理に用いられ高い評価を得ています。

所在地 :  〒675-0145 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地

多木化学株式会社 本社工場
多木化学株式会社 本社工場

 

有機複合肥料【しき島6号】 & 苦土過燐酸石灰【マグホス】
有機複合肥料【しき島6号】

苦土過燐酸石灰【マグホス】

ポリ塩化アルミニウム(PAC)
ポリ塩化アルミニウム(PAC)

既設YEWMACの導入背景 [2007年2月1日 インタビュー]

多木化学株式会社 生産技術室
多木化学株式会社 生産技術室
後列左より 牧野様・平尾様・北村様
前列左より 泉係長・櫻井室長

多木化学 本社工場は播磨地方の臨海部に位置し、多種多様な肥料や水処理薬剤等の化学品を生産しております。

最初のYEWMACは1984年(昭和59年)に導入を行い、稼動を開始しました。8インチフロッピーディスクのYEWMAC200からスタートし、YEWMAC300、YEWMAC500とリプレースし、13設備まで拡張しました。

YEWMAC導入以前は、操作盤での監視が主流でした。しかし、世の中の流れがFA化や統合監視となっていくなかで、弊社も生産性の向上や合理的な運転を目的として、統合監視を行うことになり、生産ライン専用コンピュータの検討を行いました。

リプレース   リプレース   リプレース

生産設備が24時間稼動なので、とにかく 【強いハード】を探しました。当時はFAコンピュータがいくつか出てきた時期でしたが、その中でも一番強い!壊れない!誰でもが簡単にさわれるもの!と言うことでYEWMACを選択しました。

YEWMACからASTMACへのリプレース

リプレースの計画は、7年周期で置き換えるように予算取りを進めました。YEWMACからASTMACへのリプレースは、1999年より開始し、昨年の2006年(平成18年)に13設備最後のYEWMACリプレースが終了しました。1年間に1設備~2設備というペースで7年間に渡り古いものから順次リプレースを行いました。

ソフト部分の置き換え期間は、1設備あたり約3ヶ月を要しました。ソフト作成は全て社内で作成しました。社内でエンジニアリングを行うということが基本ポリシーです。今はエンジニアリングを外注に出すという話も聞きますが、やはりそれでは緊急時のトラブル対応ができません。内部でソフト開発していれば勝手がわかりますし、トラブルに早く対処することができます。

YEWMACはYM-BASICという横河オリジナル言語で、ASTMACはVBです。YEWMACもASTMACも横河電機のトレーニングセンターでの講習会に参加し、習得しました。

YM-BASICからVBへの移行作業ですが、最初の設備の移行作業が一番大変でした。一部はカット&ペーストのできる部分もありましたが、ほとんど手書きでのプログラム作成となり、雛形となる標準化プログラムを作るのが大変で時間もかかりました。

しかし、一度雛形を作ってしまえばそれを他の設備にも展開できますので、次の設備からは比較的簡単に移行することができました。

システムのリプレースは2日間程度操業を止めて作業を行います。切り替え作業は定期修理の時期に合わせて行います。肥料は、春肥、秋肥と需要期があり、その時期に出荷が集中するので、夏場が定期修理時期になります。水処理用ポリ塩化アルミニウム(PAC)は水質が悪くなる梅雨、台風時期を除いた時期に定期修理を行います。

システム構成図

YEWMACシステム構成図
YEWMAC システム構成図

ASTMACシステム構成図
ASTMAC システム構成図

いろいろな機種がある中で他社品も検討はしましたが、ASTMACを採用したポイントは、言語はYM-BASICからVBへと変わりましたが、YEWMACからASTMACへのソフト構成部分が変わっていないので、プログラムの継承、移行がスムーズに行えるということです。VBのカスタマイズも簡単に行えるところや汎用パソコンで動くところも良いですね。下位側のハード変更がなかったということもあり、ASTMACの採用をしました。

中央監視室

中央監視室

中央監視室

 

ASTMAC操業画面
ASTMAC操業画面

盤内 FA-M3とVITY-LINER
盤内 FA-M3とVITY-LINER

導入の結果と今後の展開

ASTMACに移行してからも大きなトラブルはなく稼動しています。 プログラム作成時の不明な点は STA (STARDOM Technical Assist) に問い合わせをし、適宜回答をいただいています。今のところ何か問題やトラブルがあったときはSTAへの問い合わせで解決できています。

我々は雛形となる標準化プログラムをまず作成して、これを他の設備にも転用していくという移行方法を取ったのですが、雛形を使うと安心してしまい、新しい技術を取り入れるのが難しくなってしまうとも感じています。こんな便利な機能や使い方があるよ!というノウハウ集のようなものを公開してほしいと思っています。以前、2000年ごろにプログラム作成についてアドバイスをいただきました。これからも技術交流会やセミナーなどで新しいノウハウを吸収する機会があると良いと思います。

今後の課題は、原料の入庫から出庫までの全工程をいかにトータル管理していけるかです。まずは、離れている13設備をLANで繋いで各設備の一元管理を行いたいと思っています。その後、ユーティリティ管理で導入しているVDSと情報結合を行い、総合的に集中管理をするシステムを構築していきたいと思います。

最後に、様々な要求に柔軟に対応できる生産体制を確立していけるよう、今後も生産技術室メンバーで工場改革を行っていきたいと思います。

会社概要

多木化学株式会社

住所 〒675-0124 兵庫県加古川市別府町緑町2番地
設立 明治18年 (1885年) 3月
資本金 21億4,700万円
事業内容 アグリ事業 : 複合肥料、りん酸質肥料、加里質肥料及びその他肥料の製造・販売
化学品事業 : 水処理薬剤、機能性材料、一般化学品及びその他化学品の製造・販売
不動産事業 : 不動産の賃貸及び開発
URL http://www.takichem.co.jp/index.html
社章の由来
多木化学株式会社
  太古創農の時代に田畑を耕すために使用されたスキを図案化したものです。

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