石炭化学プラントで安定操業とプロアクティブ・メンテナンスを実現

Sinopec Zhongyuan Petrochemical Co., Ltd. logo

概要

Sinopec Zhongyuan Petrochemical, China
Sinopec Zhongyuan Petrochemical, China

石炭は中国の重要なエネルギー資源であり、広範囲にわたる石炭の化学製品への転換は、近年ますます重要になっています。

シノペック中原石油化学株式会社(Sinopec Zhongyuan Petrochemical Co., Ltd. 以下ZPC)は、中国石油化工股份有限公司(以下シノペック)と河南省政府の大型合弁事業です。母体組織か らの大きな支援を受け、ZPCは、濮陽市に新しく年産60万トンのMTOプラント(Methanol To Olefins: メタノールからオレフィンを製造)と、年産10万トンのプロピレンプラント、および必要なユーティリティと付帯設備を建設しました。これらのプラントは、2011年10月に稼働し、シノペックが進める石炭化学事業発展のための戦略上重要な拠点となっています。

MTOプラントは、石炭由来のメタノールをエチレン、プロピレン等のオレフィンに転換するために触媒を使用します。このMTOプロジェクトは、高オレフィン選択性、高メタノール転換率、低触媒消費を特徴とするシノペック社独自のS-MTOプロセスを使用しています。引火性と爆発性が高い物質を扱うMTOプラントでは、安全·安定操業を確保するために、細心の注意を払ったプロセス制御が必要となります。

この大規模な新設MTOプラントにおいて、ZPCとシノペックエンジニアリング(エンジニアリング、調達、建設 会社以下SEI)は、メイン制御システムサプライヤーとして横河中国を選びました。横河中国はプロセスコントロールシステム(Process Control System: PCS) として統合生産制御システム『CENTUM CS 3000』とプラント設備管理(Plant Asset Management: PAM)を行う統合機器管理ソフトウェアパッケージ『PRM』を納入しました。

The Puyang MTO plant

お客様の課題とソリューション

1. 迅速なプロジェクト実施

S-MTOプロセスの制御ロジックは非常に複雑であり、このプロジェクトのエンジニアリング作業は極めて煩雑で時間がかかるものでした。横河電機のエンジニアは、エチレンや石炭化学分野での豊富な知識と経験を活かし、円滑で、質の高い仕事を予定よりも早く進め、効率的な試運転とスタートアップへとつなげました。ZPCとSEI、横河電機はチーム体制を敷き、終始協力して作業を進めました。その優れた相乗効果により、前倒しでこのプロジェクトを完遂することができました。

2. 安全・安定操業

これらのプラント、特に化学反応と熱交換を含むプロセスの安全性を確保するために、ZPCは厳密にプロセスの監視・制御をする必要がありました。このS-MTOプロジェクトでは、Modbus経由で、他社製の安全計装システム、コンプレッサ制御システム、オンラインプロセス分析計システムを『CENTUM CS 3000』へ統合しました。これにより、オペレータが中央制御室にあるヒューマンマシンインタフェース(Human Machine Interface: HMI)ステーションからプラント全体を監視・制御でき、異常発生時にも、迅速に対応できるようになりました。このようにしてプラントの安全性と安定性が、確保されています。

The MTO plant's central control room

3. 効率的なメンテナンス

このMTOプラントには、複数のメーカにより圧力伝送器、流量計、バルブなど多くのHART対応デバイスが納められています。これらのデバイスに対してリアルタイムの診断機能を持つことは、常時機器の状態を監視し、保全員がデバイスに障害が発生する前に問題を発見するのに役立ちます。これらのデバイスは全て、『CENTUM CS 3000』を経由して、『PRM』で集中管理されています。『PRM』は、HARTプロトコルと『CENTUM CS 3000』のネットワークを使用して、すべてのデバイスデータと診断情報をデータベースに収集します。デバイスの問題が発見された場合、保全員は、この一元管理されたデータベースを使用して、即座に装置を確認し、原因を明らかにすることができます。この設備資産の集中管理により、現場へ行く回数を最小限に抑え、より積極的なプロアクティブ・メンテナンスの実現を促進します。

プラントのスタートアップ時には、エンジニアはPRMを活用して、全てのループチェックを行いました。

お客様の声

ZPCのインスツルメンツ部長は、このプロジェクトの成功について次の3つの要因をあげています。

「第一に、横河電機の『CENTUM CS 3000』の優れた信頼性と安定性があげられます。我々は、特にそのオンラインメンテナンス機能を高く評価しています。制御ドローイングやグラフィックの変更は、プラントの操業を中断することなく即座にHMIへ表示されます。これは、短期間でのスタートアップ完了や、プロセス制御の改善や最適化を行う上で重要です。

第二に、このプロジェクトがシノペックの独自技術を使用した、S-MTOのパイロットプロジェクトであることです。制御系のエンジニアリングをするにあたり、横河電機のエンジニアは、コントロールソリューションを深く理解し、複雑な問題を対処するのに十分な経験を持っていることがわかりました。彼らは、石油化学工場におけるノウハウを有効活用し、ZPCとSEIのエンジニアと協力して、非常に短い時間で高品質のエンジニアリングを行いました。

第三に、ZPCメンバーの『CENTUM CS 3000』操作に対する熟知があげられます。このおかげで、プロジェクト実施中、他のプロジェクト・パートナーは彼らの最大限の能力を発揮して取り組むことができました。

同時に、横河電機のエンジニアが制御のエンジニアリング、FAT、SAT、およびスタートアップに常に関わっていました。何よりも、ZPC、SEI、および横河電機の協力とチームワークが、この短期プロジェクトの成功の鍵となりました。」

関連製品&ソリューション

統合機器管理ソフトウェアパッケージ PRM

プラントで使用されている各種機器・装置の情報を集中管理し、保全員に対してプラントを構成する機器・装置の保全情報を提供します。

統合生産制御システム(DCS)

横河電機は、独自のデジタル制御技術と経験、ノウハウの粋を集めた世界最初の分散型制御システム(DCS)である「CENTUM(センタム)」を1975年に発売開始しました。発売以来、世界100カ国以上、累計27,000システムが採用されています。

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