六甲バター株式会社様
良質なチーズを作るだけでなく、食べ続けていただくことでチーズを生かしていく
六甲バターは、1948年(昭和23年)、農林省指定のマーガリンを製造する平和油脂工業株式会社として創立しました。
1954年に六甲バター株式会社に社名を変更1958年にオーストラリアから輸入したナチュラルチーズを使用し、プロセスチーズを生産、Q・B・Bブランドで日本全国に発売を開始しました。
1968年既存の稲美工場で量産体制を開始、1971年には、日本初の個包装スライスチーズを開発、発売しています。
Q・B・Bブランドのもと、プロセスチーズのトップブランドとして、良質なチーズを作るだけではなく、それをお客様に食べ続けていただくことで、ヒトのからだの中できちんとチーズを生かしていく。
それがQ・B・Bの果たすべき責任と考え、新たなプロセスチーズの価値を創造し、お客様に寄り添った商品作りを進めています。
INDEX
新工場建設プロジェクト

国内・海外、特に東南アジア等ではチーズの需要が高く、プロセスチーズは食の欧米化や健康志向の高まりに加え、家飲み需要の高まりから市場が伸びています。
その中で、主力工場である現在の稲美工場は50年前から稼働しています。
お客様からの安全・安心に対する品質要求を守り続ける難しさ、そして限られた生産スペースに建物が点在していたことから、生産能力の増強、各工程の集約効率化を目的に、
老朽化した稲美工場に替わる新しい基幹工場を建設するプロジェクトをスタートしました。
新工場建設プロジェクト 稼働状況
- 生産ラインの最適配置と最新生産設備導入
- 情報の集中管理と高水準の品質管理体制
- 工場内物流の自動化
- 製造実行システム 六甲バター初導入︕
- AIやIoTを駆使 生産性が高くエネルギー効率に優れる︕

導入効果

自動化のための設備やロボットは、それぞれ単体で導入しただけでは部分最適にしかなりません。
自動化設備への情報連携として、指示を送信し実績を受信する、その中核として自動化を支援するのが製造実行システム」(以下MES)です。
まず、工場へ入荷した原料・資材は場内用のパレットに乗せ換え、自動倉庫に入庫する際にパレットNo.と紐付けを行い、入庫指示を倉庫管理/搬送管理システム(以下WMS)へ連携します。
製造時は基幹システムから製造指図を受信し、原料・資材必要量を算出、バッチ展開を行います。
現場への自動搬送を行うため、いつ何をどれだけ使用するか、出庫指示としてWMSへ連携します。
実際の供給タイミングは、設備間での連携によりジャストインタイムで自動供給されます。
製品の箱詰め後、自動パレタイズされますが、ここでもMESから生産設備(PLC)へ予定データを送信、パレタイズ実績を自動で収集し、販売管理システムへ連携します。
このようなデータ連携により、設備と設備、システムとシステムが“つながる”ことで、自動化を実現しています。
また、これらの現場にあるデータは工場マネージメントにとっても非常に重要です。
MESではリアルタイムに在庫管理を行い、基幹システムと密に連携することで、六甲バターで推進しているアメーバ経営にも活用されています。
そして、一連のモノ・ヒト・設備の実績を管理することで、トレーサビリティの確立を実現しています。

今後の展望
六甲バターでは、MESの導入、搬送の自動化、自動倉庫の導入は初めての経験となります。
運用・設備・動線を意識したユーザ視点での使い勝手の良さ、間違い防止、トレーサビリティの確立など様々な角度からの要件を満たす必要がありました。
WMS・基幹システムとデータが”つながる”システムの検討を清水建設とYOKOGAWAにリードしていただいたことで、このシステム化を実現することができました。
今後、稲美工場に代わって主力となる神戸工場に製造技術を結集し、さらなる増産体制の確立はもちろん、安全・安心な製品を提供し続けていきます。
そして、市場拡大しているアジア周辺諸国や、欧米への輸出向け商品の生産拠点として、保税工場認証の取得も予定し、「東洋一のプロセスチーズ工場」として発信するための基盤を作っていきます。
その中で、ますますMESの役割も重要度が増していきます。YOKOGAWAのサポートにも期待し、システムも人も成長・発展していきたいと思います。

お客様プロフィール
社名 | 六甲バター株式会社 |
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本社所在地 | 神戸市中央区坂口通一丁目3番13号 |
創業 | 1948年(昭和23年)12月13日 |
事業内容 | チーズ及び乳等を主原料とする食品の製造販売 ナッツ・マーガリン及びチョコレート等の販売 |
URL | http://www.qbb.co.jp/ |
業種
関連製品&ソリューション
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MESソリューション
リアルタイムに発生する製造データ、製造オペレーションを管理することで効率的生産活動に貢献します。