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「高気圧酸素治療装置」の制御を担うCENTUM VP 株式会社中村鐵工所様

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高気圧酸素治療装置、環境衛生設備の専門メーカ
株式会社中村鐵工所様

株式会社中村鐵工所は、1939年の創業以来、常に品質の向上をはかり、また、技術・技能の研鑽を重ね、独自製品の研究開発を進めてこられました。その中でも、特に圧力容器に関する技術の成果を基に、高気圧酸素治療装置を完成させ、全国各地の病院等に納入されています。また、日本で最初の海洋産業機器である「水中エレベーター」を開発し、その分野において先駆的な役割を果たされました。

これらの成果・経験を基に、現在は従来から培ってきた総合力を更に発展させ、設計・製作、 据え付け工事の各部門を充実・強化し、新設プラントの建設工事のみならず、メンテナンス、 補修工事も一連の事業として取り組まれています。

また、お客様のニーズに応えるべく、品質システムISO9001の認証を取得し、品質面は もちろん、コスト面、および一連の体系的な顧客サービスに対応できる体制を整えられました。 環境衛生プラント・土木建設機械関連、一般産業用機械等には豊富な実績をお持ちで、技術開発、研究・実験関連への協力要請にも幅広く対応されています。 豊富な経験を持つ各分野の技術者・技能者を有し、次の世代を担う若い人材の育成にも努められ、お客様の要望に適った総合力の維持・発展についても積極的に取り組まれています。 設計・製造・工事の経験・実績を踏まえた特色を十分に活かし、産業各分野の要望、また、時代の要求に見合ったサービスをさらに提供できる会社となるべく、今後も一層お客様各位のお役にたてるようにと活動されています。 平成17 年にインドネシアには合弁会社「PT.SIKO NAKAMURA DWIKARYA」を設立し、 環境衛生機器の製造を行っています。

株式会社中村鐵工所

Company Profile
会社名:株式会社中村鐵工所
本社住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸1丁目43番1号
工場:〒300-1537 茨城県取手市毛有850番地
設立:1939年2月20日
資本金:4,000万円
事業内容:環境衛生設備機器、高気圧酸素治療装置、 その他一般産業用
機械の設計・製作・据付工事他

 

高気圧酸素治療装置

高気圧酸素治療装置(チャンバー: Hyperbaric Oxygen Chambers)は、密閉されたタンクの中の圧力を大気圧以上に上げる装置で、脳梗塞、腸閉塞、 頭部外傷、突発性難聴、一酸化炭素中毒、減圧症*1などの血行障害や圧力障害などに起因する、さまざまな病気の酸素治療に用いられます。1名の患者を 収容する、第1種装置と、同時に2名以上の患者、または患者と共に治療に従事する医療職員を収容する第2種装置の2種類があります。

チャンバーを使って行われる高気圧酸素治療(Hyperbaric Oxygen Therapy)は、通常の気圧(大気圧)の2~3倍という高気圧環境下で高濃度酸素を吸う事によって、血液中の酸素量を通常の10~15倍に増加させ、酸素不足の状態にある組織に対して自然治癒力を促進させ、改善を図ることで、ダメージを受けた組織の速やかな修復を図る治療です。厚生労働省の基準では、2絶対気圧(大気圧の2倍、水深10mの圧力)で、1時間以上100%酸素を呼吸することを高気圧酸素治療と定めています。

高気圧酸素治療装置

 一方似たような装置として、スポーツ選手の疲労回復などに使用されている酸素カプセルが知られていますが、こちらは空気で圧力を 1.1~1.5絶対気圧程度まで加圧し、通常よりも若干酸素濃度が高い空気を吸入する方式であり、使用目的も構造も高気圧酸素治療に 使われる装置とは大きく異なります。

 *1 減圧症: 身体の組織や体液に溶けていた気体が、環境圧の低下により、体内で気化して気泡を発生し、血管を閉塞することで発生する障害。 スクーバダイビングの後などに起こりやすい。潜水症(病)、空気塞栓症といわれる。

 

CENTUM VP Basic 選定の背景とポイント

制御パターン例高気圧酸素治療では、装置内の気圧を所定の値まで徐々に上昇させたのち、一定時間(60分程度)安定した高気圧状態を維持し、その後、気圧を大気圧まで徐々に戻すという制御が行われます。

制御では、昇圧と減圧に時間をかけることで、気圧の急変による患者の身体への負担をなくし、特に急激な圧力変動が起こらないようにします。
このように、装置の圧力制御は重要なポイントであり、制御装置には高稼働率と高信頼性が求められます。 『CENTUM VP』は、高信頼性、長期安定性といったDCS本来の特長を持つ上、小規模な装置にも採用可能であるという事で選定いただきました。

 

CENTUM VP導入の効果

治療に必要な画面は専用キーボードからワンプッシュで呼び出すことができます。 使用する気圧の制御パターンは複数用意されており、治療では患者の症状に合わせて 選択します。

 パターンの選択が呼び出した画面上でできることはもちろん、治療による患者の症状改善状況に合わせて、途中でパターンの変更を行う場合にもワンクリックで対応できるため、装置を運転する上でストレスがなく、治療に専念することができます。 また、昇圧時間などの制御パターンのプログラム変更を、技師ご自身で容易に行えるように なり、素早く治療に活かすことができるようになりました。

治療結果は毎回保存する必要がありますが、『CENTUM VP』ではこのデータを容易に取得することができるだけでなく、再利用可能な汎用形式のファイルとして自動保存されるので、 治療による症状の改善データを素早く取り出して、解析に活かすことが可能になりました。

コントロールルームイメージ画像

CENTUM VP 配置イメージ

     装置制御に使用されている
     『CENTUM VP』

お客様の声

当初導入した『YEWPACK』から、今回の『CENTUM VP』まで、システムを更新しながら使い続けています。
『CENTUM VP』は、高気圧酸素治療装置にDCSを採用するには最適なシステムでした。DCS専用キーボードから必要な画面をすぐに呼び出せたり、治療データの保存・呼出しが簡単にできるなど、お客様が設備を運転する上でもストレスがなく使い易いと感じています。
また、本システムを構築した横河商事のエンジニアリング能力を高く評価しており、今後も、メンテナンス含めご相談をしたいと思っています。

株式会社中村鐵工所営業部課長菊地泰彦様

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