ライブセルでの細胞観察とその解析は、技術の進歩とともに重要度を増しています。また、同一の実験条件であっても細胞ごとにその挙動が異なるため、多数の細胞を個々に継時的に追跡する必要があります。そこでCV7000のステージインキュベータを用いて細胞を培養しながら3日間のタイムラプ ス観察を行い、取得した画像に対してトラッキング解析を試みました。
タイムラプス観察の結果、CV7000のステージインキュベータにおいて3日間のタイムラプスを通して細胞が順調に分裂・成長している様子が観察されました(図1a)。また、CV7000解析支援ソフトにより個々の細胞を認識した結果、細胞数が増加していることを示す数値データが得られました(図1b、c)。続いてトラッキング解析を行い、各細胞の移動距離を数値化し、Spotfire®によりグラフを作成しました(図2)。その結果、タイムラプス全体を通して、細胞分裂の様子を系統樹のように時系列で関連付けて追跡することができました。CV7000解析支援ソフトにより数値化できる項目は他にも細胞の面積や蛍光強度など多岐に渡るため、これらを指標にして細胞の挙動についてより多角的に評価する事も可能です。
図1 細胞の時系列画像と認識結果
画像中の数字は撮影開始からの経過時間を示しています。
タイムラプス全体を通して、細胞が順調に増殖している様子が、画像および数値化データいずれからも確認できます。
(a) 6時間ごとのタイムラプス原画像
(b) 5時間ごとの細胞認識画像
(c) 細胞の認識結果に基づいた細胞数の変化
図2 トラッキング解析による細胞の移動量の算出
取得した画像に対しトラッキング処理を行い個々の細胞の重心の軌跡を認識しました(a)。太い線が細胞1つ1つの輪郭を、中心の細い線が細胞の重心の軌跡を示しています。個々の細胞について重心の軌跡をグラフ化し、各タイムポイント間での移動距離やその総和である総移動距離、最初のタイムポイントからの最大移動距離を算出しました(b、c、d)。細胞1つ1つにTrack IDを付与し、細胞分裂に伴う細胞の出現や消失も認識できるため、タイムラプス全体を通して、細胞分裂の様子を系統樹のように時系列で関連付けて追跡することも可能です(e)。
Spotfire®はTIBCO Software Inc. の登録商標です。
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