2秒以下の高速測定で微粉炭の自己発火を未然に防ぐ
概要
製鉄所の微粉炭吹込み (PCI) 設備にて、バグフィルタ (集塵器) に堆積した微粉炭が自己発火する安全上の懸念があります。その自己発火の予兆を、一酸化炭素 (CO) 濃度の上昇傾向から捉えることができるため、CO濃度の連続的に測定し、監視することは、発火事故を未然に防ぎ、製鉄所の安全な操業に必要です。CO濃度の測定のために、従来は主に赤外線方式CO計などのオンライン分析計が用いられてきました。しかし、従来の方式は分析計前段にプロセスガスの前処理装置を要するために、応答遅れと保守(費用と工数)の増大が課題でした。この課題を解決するために、レーザガス分析計TDLS8000が有効です。レーザガス分析計は、前処理装置を必要とせず、プロセスに直接設置することができるため、CO濃度の高速測定とランニングコストの大幅削減を実現します。
お客様の期待
- 微粉炭吹込み (PCI) 設備の安全な操業 (火災事故の発生防止)
- 微粉炭の自己発火発生の早期検知
- 応答速度がはやく、連続測定できるCO濃度計
- 前処理装置の保守 (費用と工数) の削減
プロセス概要
石炭を粉砕した微粉炭を、高炉へ供給しています。貯蔵タンクの排気ラインで微粉炭を除去するためのバグフィルタが設置されます。微粉炭は高温環境下で堆積すると自己発火する可能性があります。発火事故予防のために、温度とCOガス濃度の測定が行われます。
YOKOGAWAのソリューション
レーザガス分析計TDLS8000を用いたインライン測定により、CO濃度を高速に検知します。これにより、バグフィルタに堆積した微粉炭の自己発火の予兆をより素早くとらえ、必要な対応を実行することができます。また、前処理装置が不要で、分析計に消耗品がないため、保守作業を最小限に抑えることができます。
TDLS8000の利点
- 高速応答ープロセスガスの直接測定
- 省保守ーサンプリングレス
- 低濃度測定の信頼性ーリファレンスセルの搭載
測定システム
- 形名・仕様コード、部品番号
- TDLS本体:
TDLS8000-G2-C2-□*1)- A1-J-N/RC/**2)
ユニット接続ケーブル:K9775□*3)
- TDLS本体:
- ユーティリティ
- パージガス種類*4);
N2(99.99%以上)または計装空気 - パージガス流量*4);
光学系用: 2~20L/min
プロセス窓用 (片側):typ. 5~50 L/min *4) - 電源;24V DC ± 10%
- パージガス種類*4);
TDLS8000の測定システム構成参考図
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- *1) フランジサイズに応じてコードを選択
*2) 専用オプションコード
*3) ケーブル長に応じてコードを選択
*4) 詳細はアプリケーションにより異なります
- *1) フランジサイズに応じてコードを選択
- 留意点
- パージガスは清浄で乾燥しているものをご使用ください
- TDLSのガスコードは-C1でなく-C2をご選択ください
- プロセスガス中のCO2とH2Oの濃度をご確認後アプリケーションデータシートに反映してください
関連製品&ソリューション
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レーザガス分析計 TDLS8000
過酷な条件下でも燃焼排ガス等のプロセスガス中のO2, CO (+CH4), H2O, NH3 (+H2O)を高精度に安定して測定します。堅牢小型で設置・維持コストを削減、燃焼排ガス NH3 脱硝プロセス、爆発防止の安全監視やプロセス不純物の上限監視など、安全操業に貢献します。