概要
半導体工場では、各製造工程で種々の薬品が使用されます。それらの中に、現像液やフッ酸溶液があります。これらは、希釈装置において、原液を規定の濃度になるよう純水で薄めて調製されますが、このときの濃度管理は導電率を測定することによって行なわれます。
電磁導電率計は、耐食性があり広い測定範囲に適用できる検出器を有しており、多くのプロセスにおいて高精度での測定が可能な導電率計です。FLXA402/FLXA202 の採用により、高い信頼性で濃度管理が行なわれています。また、FLXA402/FLXA202 は、各製造工程の廃液処理や排水の管理にも採用されています。
お客様の期待
- フッ酸溶液の濃度管理を手軽に行いたい
- ランニングコストを削減したい
- 耐食性のある接液部にしたい
- 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい
プロセス概略
半導体工場では、従来、使用する各種薬品はあらかじめ使用濃度に希釈されたものを購入していました。しかし、半導体市場での価格競争激化で製造コストの大幅削減が必要となり、今日では、希釈薬品と価格に大差の無い薬品原液を購入して、自社で必要濃度に希釈し使用することが一般的になりました。
【フッ酸希釈装置】
ウェハ洗浄やエッチングで使用するフッ酸溶液の濃度は、通常2.5~5%です。購入した48%フッ酸原液に超純水を加え、所定のフッ酸濃度に調製します。
【現像液希釈装置】
現像液は、2~3%濃度のものが使用されます。この現像液は、15~20%濃度の原液を超純水で希釈して調製されます。
YOKOGAWA のソリューション
測定システム
2 線式電磁導電率計システム
- 検出器
ISC40GJ-GG-T1-X □ /Z Z: テフロン包み - ホルダ
<流通形の場合>ISC40FFJ-PJ/Z - 伝送器
FLXA202-D-BーD-AB-C5-NN-A-N-LA-J-NN - ディストリビュータ
PH201G-A1*B
4 線式電磁導電率計システム
- 検出器
ISC40GJ-GG-T1-Y □ /Z Z:テフロン包み - ホルダ
<流通形の場合>ISC40FFJ-PJ/Z - 変換器
FLXA402-A-B-AJ-C5-NN-A2-WR-□-□-J-NN
ユーティリティ
- FLXA202 2 線式液分析計
電源電圧:16 ~ 40 V DC
消費電力:最大 0.9 VA - PH201G ディストリビュータ
電源:100 V AC,47 ~ 63Hz - FLXA402 4 線式液分析計
電源:90 ~ 264V AC,50/60Hz
消費電力:最大 35 VA
留意点
- PH201G の接点出力は常時励磁で、電源オフ時、または保守時に「閉」となります。
フィールドデータ
測定例
フッ酸の直線性
現像液の導電率と濃度の関係
業種
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半導体装置メーカー向けソリューション
経営課題の解決からオンライン通信(SECS・GEM・EDA I/F) 、EES(Equipment Engineering System)、IoT・AI・ビッグデータを駆使したデータ解析や予防保全(CBM)に至るまで、半導体装置メーカー様の課題を解決するトータルソリューションの提供を行っています。
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電機・電子
近年、自動車の自動運転化技術が急速に進み、電子部品が数多く車に搭載されています。また医療機器の高性能化も同様の動きとなっております。この為、電機電子部品業界では、製造過程のトレーサビリティや部品の製造履歴を1品1品の単位で管理し、不良ゼロに向けた工場づくりを進めております。当社は、その際に出くわす現場の課題を的確に捉え、設備の予兆管理や品質不良ゼロに向けたスマートファクトリーの実現をお手伝いいたします。
関連製品&ソリューション
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4線式液分析計 FLXA402
FLXA402は、複数の検出器が接続可能であり、pH/ORP計、導電率計、電磁導電率計、溶存酸素計から検出器を選択できます。優れた操作性や機能を兼ね備えると同時に、HARTやModbus通信による拡張性にも富んでおり、IIoT環境の構築にも貢献、設置・運用コストの削減を提案します。
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電磁導電率検出器 ISC40GJ , ISC40SJ
汚れ・磨耗・腐食の対策が必要なアプリケーションでも高精度で導電率を測定します。
測定可能範囲:1 μS/cm~1999 mS/cm
プロセス温度:-10~130°C -
導電率検出器
2電極式、4 電極式、各種アプリケーション対応の検出器を用意しています。
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導電率計
上水・下水などの水質測定から各種プロセス液の導電率測定および抵抗率の測定も可能です。サニタリ形やハンディタイプもラインアップしています。