共焦点顕微鏡 (Confocal microscopy)とは?

共焦点顕微鏡の原理と特徴

視野全面を一様一斉に照明する一般の顕微鏡(ワイドフィールド顕微鏡)では、焦点外で発生する光が所謂ボケとして重畳するのに対し、共焦点顕微鏡は1点ずつボケを排除しながら視野全面をスキャンすることで画像を形成します。

像面(共焦点面)に点光源を置くと、その光は顕微鏡光路を通して焦点面の1点に集光し、そこで発生した光は光の可逆性から同じ像面(共焦点面)に戻り点光源の1点に集光します。ここにピンホールを置くと、焦点面外で発生して集光できないボケ光はピンホールで遮られるため、焦点面の1点からの光を選択的に検出することができます。これが共焦点顕微鏡の原理で、実際の構成では点光源とピンホールはダイクロイックミラーで対称な位置に分離して配置され、ガルバノミラーなどでスキャンして2次元画像を得ます。

共焦点顕微鏡はスキャン時間がかかりますが、断層像が得られ、さらにZ方向に振って3次元の画像構築も可能です。

共焦点顕微鏡の原理と特徴

スピニングディスク共焦点の原理

共焦点顕微鏡は1点でスキャンしていくため、画像形成に時間がかかり、単位面積当たりの照明時間が短くなる分だけ高強度の光を当てるため、サンプルの退色や光毒性が起こりやすくなります。一方でスピニングディスク共焦点はディスク回転により多点で並行スキャンするため、それらの問題を抑えることができます。

スピニングディスク共焦点は、ディスクに多数のピンホールを螺旋状に配置、共焦点顕微鏡の点光源かつピンホールとし、このピンホールアレイディスクを回転させることによってスキャンします。このディスクは古く1884年に映像伝送用に発明され、発明者にちなんでニポウディスクとも呼ばれます。しかしこのディスクだけでは照明光もほとんどが小さなピンホールで遮られるためS/Nが悪く、サンプルが暗い生物用共焦点顕微鏡としてはあまり普及しませんでした。CSUでは、同じ螺旋状にマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイディスクをピンホールアレイディスクの上方に配置し、マイクロレンズで照明光を集光することでピンホールを通し、S/Nを劇的に向上させました。

レーザ光を平行かつ視野をカバーするまで広げ、2枚のディスクを通して個々のマイクロレンズ‐ピンホール対でマルチビームを形成します。マルチビームは対物レンズを介してサンプルを多点で照明し、そこで発生した蛍光は同じピンホールを通過し、ダイクロイックミラーでレーザ光と分離、反射してカメラに結像します。ディスクの回転とともに蛍光のマルチビームがカメラの撮像面を塗りつぶしてゆき、ディスクパターンの1周期(1螺旋分の回転)でちょうど塗りつぶされ、1画像が形成されます。
このスキャンでは、多点数を増やすと画像形成は速くなりますが、画像は暗くなります。明るくするためには、元のレーザ光を強くするか、多重スキャンすることが必要です。カメラの露光時間をスキャン1周期時間の整数倍に設定することで多重スキャンになります。

スピニングディスク共焦点の原理

共焦点スキャナユニットCSUの特長

CSUは視野内を約1000本のビームでスキャンします。1本のビームを1000本のビームに分割して並行スキャンすると1/1000の時間でスキャンできますが、ビーム当たりのパワーが1/1000になるため、同じ明るさを得るにはビームを1000倍強くするか、1000回多重スキャンする必要があります。 多重スキャンすると結局同じ時間かかりますが、そこに別の大きなメリットがありました。蛍光退色や光細胞毒性は非線形で、強い光で1回スキャンするより弱い光で多重スキャンする方が顕著に少なくなるのです。

実際のCSUでは、ビームパワーも上げ、サンプルに合わせて明るさと速さと蛍光退色・光細胞毒性のバランスをとる条件を探しますが、その自由度が高いことが大きなメリットです。ガルバノミラー共焦点は、レゾナントスキャナを使って高速化し、高感度PMTを使ってレーザパワーを下げて低ダメージ化するなどの改善を行っていますが、本質的に並行スキャンでないため多重スキャンできず、CSUのような自由度がありません。

例えば、ガルバノミラー共焦点ではレーザ1mW30fps(33ms)の条件でぎりぎりの明るさで動きが捉えられるが退色があって長時間観察ができない場合、CSU-X1ではレーザ3mW11mS露光(1000fpsとして11回多重スキャン)のように、低退色かつ速く明るい画像を得る条件を探すことができます。

ライブセルイメージングのデファクトスタンダード

  • 高速に全視野の共焦点画像を得られるため、動くものの観察に適します
  • 低退色・低光細胞毒性のため、生細胞・生体を長期間観察するのに適します

 

共焦点スキャナユニットCSUとガルバノスキャナの比較

  CSU-X1 CSU-W1 高速ガルバノスキャナ例
特長 高速 高視野・高画質 高速
スキャン方法 スピニングディスク
1,500-10,000rpm
螺旋数 12
スピニングディスク
1,500-4,000rpm
螺旋数 3
レゾナントスキャナ 7.8KHz
画像形成 2,000fps(0.5ms)max
カメラに依存
200fps(5ms)max
カメラに依存
30fps(512 x 512 pixel)
420fps(512 x 32 pixel:限定視野)
視野サイズ 10 x 7 mm 17 x 16 mm 12.7 x 12.7 mm
視野内ビーム数 約1,000 約1,000 1

 

CSU-W1 SoRa超解像の原理と特長

理想的なレンズで集光しても、回折によりAiry diskまでしか絞り切れず、これが微小ボケとなり解像度の限界となります。この光学原理は普遍的で逃れる事はできませんが、イメージングにおける様々な工夫でこれを超える解像度(超解像)が実現されています。

共焦点顕微鏡は照明光と発生光の往復の集光プロセスからなり、単一のプロセスより原理的には解像度を上げることができます。点光源から出た照明光は対象に集光し、そこで発生した光が戻ってピンホールに集光します。ここを微視的にみると、絞り切れない微小ボケの照明光分布に応じた光が対象で発生し、その個々の光も戻って絞り切れず微小ボケとなり、その光分布に応じてピンホールを通過します。ここでピンホールを微小ボケに対して極小にすると、その検出分布は微小ボケの光分布に等しくなります。
照明の微小ボケの端ほど発生する光は弱く、戻ってピンホールで検出される光も微小ボケの端になり、より弱くなります。このように微小ボケの光分布が2重に働き、分布が先鋭化して幅が狭まり、解像度が上がることになります。実際の共焦点顕微鏡では、光量を得るためピンホールを適度な大きさ(通常はAiry diskサイズ)に広げているので、そこまでの解像度は得られません。

点光源と極小ピンホールの位置にずれがある場合を考えると、照明と検出の光分布がずれ、光が当たっても検出できない領域、検出できるが光がこない領域ができ、両者の光分布の重なる中点の位置を中心に見ていることになります。しかし、極小ピンホールの位置として検出しており、ここに位置誤差が生じます。ピンホールを微小ピンホールの集合として考えると、端の微小ピンホールほど中心の点光源からずれて位置誤差が大きくなります。これがピンホールが大きくなると解像度が下がる原因です。この位置誤差を補正できれば光量を維持しつつ解像度に回復させことができます。
そのためにはピンホール内の光分布を1/2に縮小すればよく、ピンホール内に画素を設け演算で変換する方式、ピンホールを通過した光をリスキャンして光学的に変換する方式などがあり、Optical Photon Reassignmentと呼ばれています。

CSU-W1 SoRa超解像ではこのOptical Photon Reassignmentをスピニングディスク共焦点で実現しました。ピンホールアレイディスク上でピンホール背面に新たにマイクロレンズを配置し、これでピンホールに戻ってきた光の集光角を2倍にすることで、回折限界で決まる集光スポット径を半分にし、変換を実現します。大きな変換機構が不要で安定、実時間変換可能です。

SoRa超解像の原理と特徴

 


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