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共焦点顕微鏡とは?レーザー顕微鏡との違い、原理や歴史についてわかりやすく解説

共焦点顕微鏡は、サンプル側・検出側と2つの焦点を持つことから「共焦点」顕微鏡、または、コンフォーカル顕微鏡と呼ばれます。本記事では、レーザー共焦点光学系を用いた顕微鏡である共焦点顕微鏡について、分類や原理の他、発展の経緯についても解説いたします。

 

顕微鏡の分類

顕微鏡は研究における用途や、撮像・拡大するための構造、サンプルの観察方法等により分類されます。ここでは顕微鏡を撮像する原理によって、以下の3つに分類し解説します。

  • 光学顕微鏡
  • 電子顕微鏡
  • 走査型プローブ顕微鏡

光学顕微鏡

光学顕微鏡とは顕微鏡のうち、可視光線を利用し、対象を観察するものです。一般的に顕微鏡というと、この光学顕微鏡を指すことが多いといえます。光学顕微鏡は医学や生物学などの分野においてよく使用されており、倍率は幅広く、数十倍から2,000倍程まで、研究内容によって様々に使い分けされます。今回の記事で解説の中心となる共焦点顕微鏡は、光学顕微鏡の一種となります。

電子顕微鏡

電子顕微鏡は、電子レンズを使った顕微鏡を指します。可視光ではなく、電子線を使って観察するのが特徴です。光学顕微鏡よりも倍率が高く、ウイルスやDNAなど極小の対象物も撮像可能です。1932年に発明・1939年に商標登録され、当時の研究に大きな進歩をもたらしました。観察する対象に対して高速の電子線を照射するため、真空状態かつ高電圧下で扱う必要があります。そのため、制御用の装置を備えた大がかりな顕微鏡です。

走査型プローブ顕微鏡

走査型プローブ顕微鏡は、探針・プローブと呼ばれる微小な針で試料をなぞり、試料の形状や性質を観察するタイプのものです。先に紹介した光学顕微鏡および電子顕微鏡とは異なり、撮像にはビームやレンズを使用しません。また、電子顕微鏡使用時のような真空環境は必ずしも必要ではなく、大気中や溶液中の試料を高倍率で観察可能な点も特長です。また、近年では、表面構造の観察のみならず、試料表面における各種物性の画像化が可能になりました。

 

共焦点顕微鏡の歴史と共焦点レーザー顕微鏡との違い

60年以上前にさかのぼる共焦点顕微鏡の歴史について、各年代別に解説します。

  • 1957年:マサチューセッツ工科大学の学生であったMarvin Minskyによって発明された共焦点顕微鏡は、1957年に特許が出願された。この時点で共焦点顕微鏡の基本的な原理は完成していたものの、当時の技術では実用的な顕微鏡としての実現は困難であった。
  • 1970年代:実用化に向けて研究が開始。特に光源としてのレーザー利用により状況が一変。
  • 1982年:走査デバイス、センサーの搭載などの技術改良。デジタル技術の発展も後押しし、商品化が実現。
  • 現在:共焦点顕微鏡はレーザーを光源とする共焦点顕微鏡が主流となった。

また、このような歴史から、レーザーを使わない「共焦点顕微鏡」も過去に検討されていたものの、現在はレーザーを使う共焦点顕微鏡が主流となりました。そのため、現在では「レーザー顕微鏡」と表記された場合、ほぼ共焦点レーザー顕微鏡を指すと考えてよいでしょう。

 

共焦点顕微鏡の原理と特徴

それでは、共焦点顕微鏡の詳しい原理を解説いたします。視野全面を一様一斉に照明する一般の顕微鏡(ワイドフィールド顕微鏡)では、焦点外で発生する光がいわゆるボケとして重畳するのに対し、共焦点顕微鏡は1点ずつボケを排除しながら視野全面をスキャンすることで画像を形成します。

像面(共焦点面)に点光源を置くと、その光は顕微鏡光路を通して焦点面の1点に集光し、そこで発生した光は光の可逆性から同じ像面(共焦点面)に戻り点光源の1点に集光します。ここにピンホールを置くと、焦点面外で発生して集光できないボケ光はピンホールで遮られるため、焦点面の1点からの光を選択的に検出することができます。これが共焦点顕微鏡の原理で、実際の構成では点光源とピンホールはダイクロイックミラーで対称な位置に分離して配置され、ガルバノミラーなどでスキャンして2次元画像を得ます。

共焦点顕微鏡はスキャン時間がかかりますが、断層像が得られ、さらにZ方向に振って3次元の画像構築も可能です。

共焦点顕微鏡の原理と特徴

 

 

共焦点顕微鏡を活用するメリット

共焦点顕微鏡の主な特徴・利点をまとめました。 
 

高コントラストの観察像が得られる

共焦点顕微鏡は、ほかの光学顕微鏡と比べて高コントラストかつ解像度が高い画像が得られることが大きな利点です。外から入る不要な散乱光を除去し、迷光の侵入を抑えられるため、通常の光学顕微鏡と比較した際、水平方向の解像度が3割程向上するとされています。これによって画像のにじみが少なく、見やすい画像を得られます。

 

MIP画像を得られる

共焦点顕微鏡を用いることで、MIP(Maximum Intensity Projection)画像を得ることができます。解像度が高く、焦点深度が深いため、細胞やウイルスの構造を詳細に観察する際用いられます。MIP画像は、以下の仕組みで取得可能です。

  • 光学スライス画像をピクセル単位で取得(2次元走査)
  • 光軸方向に移動させながら、最大輝度情報を取り込む

共焦点顕微鏡では、各画素におけるピークの輝度を、1つの画像にまとめることが可能です。結果、違う位置にピントを合わせた画像同士を合成することで、MIP画像を取得できます。

 

非侵襲的に観察できる 

共焦点顕微鏡は、試料に対して接触を避けた観察が可能で、やわらかい試料を傷つけずに測定できます。また、電子顕微鏡を用いる際に必要な、薬剤の導入や細胞の加工などの前処理をせずとも通常使用が可能です。

 

試料の構造に制約を受けない

共焦点顕微鏡は、蛍光さえ受光できれば試料の構造に制約を受けずに観察が可能です。例えば、走査型プローブ顕微鏡では、針先を侵入させられない狭い溝・深い穴の測定はできませんが、共焦点顕微鏡であれば問題ありません。

 

立体イメージを作成できる 

共焦点顕微鏡を用いて、立体イメージを作成する3次元イメージングを行うことも可能です。3次元イメージングでは、対物レンズをサンプルの深さ方向に移動させながら2次元の共焦点画像(断面画像)を1枚ずつ撮影していきます。これを繰り返し、サンプルの全深さ方向に複数の断面画像を取得します。これらの断面画像を画像処理で深さ方向につなぎ、サンプルの3次元画像を生成できます。このような立体イメージは、段差・幅・表面の粗さ・膜厚というような3次元形状の測定に活用できます。

 

 

共焦点顕微鏡を活用するデメリット

非常に高機能な共焦点顕微鏡ですが、欠点もありますので簡単に解説します。

 

スキャンに時間がかかる 

共焦点顕微鏡の欠点として挙げられるのは、スキャンに時間がかかることです。これは、共焦点顕微鏡のスキャンが一点のみの走査によって行われるためです。ただし、後述のスピニングディスク共焦点の技術により、幾分低減可能です。

 

サンプルの退色や光毒性が起こりやすい     

先述の通り、共焦点顕微鏡のスキャンは一点のみの走査によって行われますが、その分単位面積あたりの照射時間が短くなります。そのため、より高強度の光を当てる必要があり、サンプルの退色や光毒性がおこりやすくなるという欠点があります。ただし、スキャン時間と同様、下記のスピニングディスク共焦点の技術により、退色や光毒性を最小化することができます。

 

スピニングディスク共焦点の原理

それでは、上記でも紹介した共焦点顕微鏡のデメリットを克服する技術、「スピニングディスク共焦点」の原理について解説します。共焦点顕微鏡は1点でスキャンしていくため、画像形成に時間がかかり、単位面積当たりの照明時間が短くなる分だけ高強度の光を当てるため、サンプルの退色や光毒性が起こりやすくなります。一方でスピニングディスク共焦点はディスク回転により多点で並行スキャンするため、それらの問題を抑えることができます。

スピニングディスク共焦点は、ディスクに多数のピンホールを螺旋状に配置、共焦点顕微鏡の点光源かつピンホールとし、このピンホールアレイディスクを回転させることによってスキャンします。このディスクは古く1884年に映像伝送用に発明され、発明者にちなんでニポウディスクとも呼ばれます。しかしこのディスクだけでは照明光もほとんどが小さなピンホールで遮られるためS/N(Signal/Noise)が悪く、サンプルが暗い生物用共焦点顕微鏡としてはあまり普及しませんでした。しかし、横河電機の共焦点スキャナユニットである「CSU」シリーズでは、同じ螺旋状にマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイディスクをピンホールアレイディスクの上方に配置し、マイクロレンズで照明光を集光することでピンホールを通し、S/Nを劇的に向上させました。

レーザー光を平行かつ視野をカバーするまで広げ、2枚のディスクを通して個々のマイクロレンズとピンホールの対でマルチビームを形成します。マルチビームは対物レンズを介してサンプルを多点で照明し、そこで発生した蛍光は同じピンホールを通過し、ダイクロイックミラーでレーザー光と分離、反射してカメラに結像します。ディスクの回転とともに蛍光のマルチビームがカメラの撮像面を塗りつぶしてゆき、ディスクパターンの1周期(1螺旋分の回転)でちょうど塗りつぶされ、1画像が形成されます。
このスキャンでは、多点数を増やすと画像形成は速くなりますが、画像は暗くなります。明るくするためには、元のレーザー光を強くするか、多重スキャンすることが必要です。カメラの露光時間をスキャン1周期時間の整数倍に設定することで多重スキャンになります。

スピニングディスク共焦点の原理

 

横河電機の共焦点スキャナユニットCSUの特長

横河電機の共焦点スキャナユニット「CSU」は視野内を約1000本のビームでスキャンします。1本のビームを1000本のビームに分割して並行スキャンすると1/1000の時間でスキャンできますが、ビーム当たりのパワーが1/1000になるため、同じ明るさを得るにはビームを1000倍強くするか、1000回多重スキャンする必要があります。 多重スキャンすると結局同じ時間かかりますが、そこに別の大きなメリットがあります。蛍光退色や光細胞毒性は非線形で、強い光で1回スキャンするより弱い光で多重スキャンする方が顕著に少なくなるのです。

実際のCSUでは、ビームパワーも上げ、サンプルに合わせて明るさと速さと蛍光退色・光細胞毒性のバランスをとる条件を探しますが、その自由度が高いことが大きなメリットです。ガルバノミラー共焦点は、レゾナントスキャナを使って高速化し、高感度PMTを使ってレーザーパワーを下げて低ダメージ化するなどの改善を行っていますが、本質的に並行スキャンでないため多重スキャンできず、CSUのような自由度がありません。

例えば、ガルバノミラー共焦点ではレーザー1mW30fps(33ms)の条件でぎりぎりの明るさで動きが捉えられるが退色があって長時間観察ができない場合、CSU-X1ではレーザー3mW11ms露光(1000fpsとして11回多重スキャン)のように、低退色かつ速く明るい画像を得る条件を探すことができます。

CSUの特長:ライブセルイメージングのデファクトスタンダード

  • 高速に全視野の共焦点画像を得られるため、動くものの観察に適します
  • 低退色・低光細胞毒性のため、生細胞・生体を長期間観察するのに適します

 

共焦点スキャナユニットCSUとガルバノスキャナの比較

  CSU-X1 CSU-W1 高速ガルバノスキャナ例
特長 高速 広視野・高画質 高速
スキャン方法 スピニングディスク
1,500-10,000rpm
螺旋数 12
スピニングディスク
1,500-4,000rpm
螺旋数 3
レゾナントスキャナ 7.8KHz
画像形成 2,000fps(0.5ms)max
カメラに依存
200fps(5ms)max
カメラに依存
30fps(512 x 512 pixel)
420fps(512 x 32 pixel:限定視野)
視野サイズ 10 x 7 mm 17 x 16 mm 12.7 x 12.7 mm
視野内ビーム数 約1,000 約1,000 1

 

CSU-W1 SoRa超解像の原理と特長

理想的なレンズで集光しても、回折によりAiry diskまでしか絞り切れず、これが微小ボケとなり解像度の限界となります。この光学原理は普遍的で逃れる事はできませんが、イメージングにおける様々な工夫でこれを超える解像度(超解像)が実現されています。

共焦点顕微鏡は照明光と発生光の往復の集光プロセスからなり、単一のプロセスより原理的には解像度を上げることができます。点光源から出た照明光は対象に集光し、そこで発生した光が戻ってピンホールに集光します。ここを微視的にみると、絞り切れない微小ボケの照明光分布に応じた光が対象で発生し、その個々の光も戻って絞り切れず微小ボケとなり、その光分布に応じてピンホールを通過します。ここでピンホールを微小ボケに対して極小にすると、その検出分布は微小ボケの光分布に等しくなります。
照明の微小ボケの端ほど発生する光は弱く、戻ってピンホールで検出される光も微小ボケの端になり、より弱くなります。このように微小ボケの光分布が2重に働き、分布が先鋭化して幅が狭まり、解像度が上がることになります。実際の共焦点顕微鏡では、光量を得るためピンホールを適度な大きさ(通常はAiry diskサイズ)に広げているので、そこまでの解像度は得られません。

点光源と極小ピンホールの位置にずれがある場合を考えると、照明と検出の光分布がずれ、光が当たっても検出できない領域、検出できるが光がこない領域ができ、両者の光分布の重なる中点の位置を中心に見ていることになります。しかし、極小ピンホールの位置として検出しており、ここに位置誤差が生じます。ピンホールを微小ピンホールの集合として考えると、端の微小ピンホールほど中心の点光源からずれて位置誤差が大きくなります。これがピンホールが大きくなると解像度が下がる原因です。この位置誤差を補正できれば光量を維持しつつ高い解像度を得ることができます。
そのためにはピンホール内の光分布を1/2に縮小すればよく、ピンホール内に画素を設け演算で変換する方式、ピンホールを通過した光をリスキャンして光学的に変換する方式などがあり、Optical Photon Reassignmentと呼ばれています。

CSU-W1 SoRa超解像ではこのOptical Photon Reassignmentをスピニングディスク共焦点で実現しました。ピンホールアレイディスク上でピンホール背面に新たにマイクロレンズを配置し、これでピンホールに戻ってきた光の集光角を2倍にすることで、回折限界で決まる集光スポット径を半分にし、変換を実現します。大きな変換機構が不要で安定、実時間変換可能です。

SoRa超解像の原理と特徴

 

 

共焦点顕微鏡の利用シーン

研究の現場では共焦点顕微鏡の性質を活かした活用がされています。本項では、共焦点顕微鏡の利用イメージを紹介いたします。
 

細胞内の分子レベルでの解析

共焦点顕微鏡を用いると細胞を分子レベルで観察可能です。細胞には、核・ミトコンドリア・ゴルジ体など、さまざまな器官があります。共焦点顕微鏡の特徴である非侵襲性により、これらの微細な動きや、形成過程などを詳細に分析できます。たとえば、タンパク質の局在・分布、細胞内輸送などを、細胞内の蛍光色素を活用することで、分子単位で観察可能です。

 

細胞の形成過程の研究

共焦点顕微鏡では立体イメージを観察できるため、細胞の形成過程を研究する際、非常に有用です。焦点位置を変えた画像を連続的に複数取得することで、細胞の形成過程における立体的な位置関係を観察できます。たとえば、微細な構造変化や染色体の動きなどを共焦点顕微鏡で観察することで、病気や体調異常のメカニズム理解に繋がると考えられています。

 

植物ミトコンドリアの観察

共焦点顕微鏡で、植物における細胞構造の一種である、ミトコンドリアの詳細な構造を観察することも可能です。

  • ミトコンドリアがアクチン繊維上を直線移動している様子
  • カーボンナノチューブがミトコンドリアへ移行している様子

など、共焦点顕微鏡ではピントが合いにくいものに関しても、最適な波長・検出範囲を選んで観察可能です。

 

菌類の細胞構造の観察

共焦点顕微鏡を用いることで、人体だけでなく、菌類の細胞構造までを高解像度で分析できます。例えば、以下のような菌の観察が可能です。

  • 土壌菌の一種であるアーバスキュラー菌根菌(AM菌):菌糸と胞子の形態・核の数など
  • 真菌:細胞壁・細胞質の構造 など

共焦点顕微鏡によって、菌類の細かな観察が可能になることで、治療行為の足掛かりになると期待されています。

 

角膜の検査 

角膜の観察に共焦点顕微鏡を用いると、角膜の基底下神経線維および樹状細胞の定量的な評価が可能です。これによって、角膜神経の本数や長さまで観測できます。この2つの要素は、糖尿病患者が発症する神経障害の重症度を判定できるパラメータとしても有用なものです。そこから派生して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後、後遺症が見られる患者の神経障害を評価するためにも、共焦点顕微鏡が利用されています。

 

 

共焦点顕微鏡の活用事例

共焦点顕微鏡の具体的な活用事例について、横河電機の製品を使った例を基に紹介いたします。

 

ライブイメージングから迫る植物と大気環境の接点

気孔の開閉は光や湿度などの周囲の環境変化に応じて厳密に制御されており、これは気孔を形成する一対の孔辺細胞の膨圧運動によって実現されています。すなわち、孔辺細胞が膨張すると気孔は開き、逆に収縮すると気孔は閉じます。この気孔開閉運動の機構解明は細胞生物学における中心課題であるばかりでなく、植物の炭酸同化作用を通じた大気環境改善に向けた基礎研究と位置づけられます。
本研究では、気孔開閉における孔辺細胞の細胞内構造・オルガネラの動態を明らかにすることを目的に、ライブイメージング法により立体画像(XYZN) および経時画像(XYT)の取得と解析を行いました。
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マウス初期胚発生の長時間多次元イメージング

受精・初期胚発生過程では、様々な現象が時空間的に制御され、かつそれらの多くが「個体発生」という最終目標に向かって原因と結果という関係で結ばれています。その作用機序を解析する上で、細胞の固定や破壊を必要とする従来の実験手法では限界がありました。この問題を解決するには、一連の過程を経時的に観察でき、かつ観察後も引き続き個体まで発生させることが必要です。そこで、個体発生にダメージを与えない初期胚長時間多次元ライブセルイメージング技術の確立を目指しました。
詳細はこちらよりご覧下さい。

 

機能的多ニューロンCa2+ 画像

ニューロンは巨大回路システムの機能素子です。したがって回路の挙動様式や作動原理を解明するためには、膨大数のニューロンの活動を一斉に、かつ細胞個々の個性を損なうことなくモニターする必要があります。
多ニューロンCa2+ 画像法(functional multineuronal calcium imaging、fMCI) は、ニューロンの細胞体の一過性Ca2+上昇がスパイク出力を反映していることを利用して、光学的にスパイク時空パターンを再構築する手法です。本手法は共焦点顕微鏡を活用することでも利用可能です。
詳細はこちらよりご覧下さい。

 

生体内分子イメージングで挑むメタボリックシンドロームの病態解明

従来の切片標本を用いた観察では、脂肪組織における血管や組織間質に存在する細胞群の三次元的構造の詳細は不明であり、生体内の動態も明らかではありませんでした。そこで脂肪組織をよりよくみるために、スピニングディスク共焦点顕微鏡を用いて、生きたままの組織をそのまま染色する「生組織イメージング手法」を実施しました。
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細胞の脱水収縮過程の三次元実時間観察

凍結解凍後に細胞が受けるダメージは、氷の成長に伴う電解質の濃縮の影響を受けます。細胞外の電解質濃度が上昇すると浸透圧が上昇し、その結果、細胞は脱水収縮します。その速度は細胞膜の水透過率に依存し、その速さが細胞の凍結損傷のメカニズムに大きな影響を及ぼすと考えられています。従来の顕微鏡を用いた細胞の浸透的挙動の観察では二次元的な情報しか得られず、脱水収縮速度を求める場合には、液中に浮遊した状態の単離細胞を試料として、投影面積から体積を推定してその変化から算出するしかありませんでした。
そこで、周囲の溶液濃度変化に対する細胞の応答を観察できる灌流顕微鏡に高速スキャンが可能な共焦点スキャナユニットを導入し、細胞の脱水収縮挙動を三次元的に実時間観察しました。そして、単離細胞に加えて付着状態の培養細胞の観察を行い、比較しました。
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マウス腹腔内ガン組織内における、長時間4 色3D in vivo imaging

白血球はガン化したり感染された部位に集まりますが、ある種の白血球は腫瘍を攻撃する代わりに、腫瘍の成長やガンの転移を助けます。このような白血球のガンに対する様々な行動を知ることはガンの解明に繋がるはずですが、白血球の生体内での行動のリアルタイムでの詳細な解明はいまだ成されていません。
本研究ではマウス腹腔内ガン組織内における、各種白血球の挙動をリアルタイム4D解析し、細胞種と腫瘍内部の微小環境によって挙動が大きく異なることを解明するとともに、細胞レベルでのin vivo imaging 手法の有用性を示しました。
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共焦点顕微鏡の展望

共焦点顕微鏡は、観察用機器以外に測定用の機器としての側面も重視されており、以下が期待されています。

  • 画像処理、画像解析などのアプリケーションとの連携強化
  • さまざまな試料に対応できる光学系の技術と光学部品の性能向上

以上2点をクリアしたうえで、非接触測定器として国際標準化できるだけの信頼性と利用実績の積み上げが、共焦点顕微鏡には期待されています。


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