マウス腹腔内ガン組織内における、長時間4 色3D in vivo imaging

はじめに

白血球はガン化したり感染された部位に集まりますが、ある種の白血球は腫瘍を攻撃する代わりに、腫瘍の成長やガンの転移を助けます。このような白血球のガンに対する様々な行動を知ることはガンの解明に繋がるはずですが、白血球の生体内での行動のリアルタイムでの詳細な解明はいまだ成されていません。
本研究ではマウス腹腔内ガン組織内における、各種白血球の挙動をリアルタイム4D解析し、細胞種と腫瘍内部の微小環境によって挙動が大きく異なることを解明するとともに、細胞レベルでのin vivo imaging 手法の有用性を示しました。

各イメージチャネルの画像

図1 c-fms-EGFP マウスに2 MD rhodamine-conjugateddextran( 高分子モデル) もしくは、10 kD AlexaFluor 647-conjugated dextran( 低分子モデル)を静脈注射して撮影した各イメージチャネルの画像
(a)ACTB-EGFP  (b)c-fms-EGFP
(c)10kD dextran (d)2MD dextran

図1 の各イメージチャネルの3D 重ねあわせ 画像

図2 図1の各イメージチャネルの3D重ねあわせ画像(Max. projection)
(a) 赤:2MD dextran 緑:c-fms-EGFP 青:ACTB-EGFP
(b) 赤:10kD dextran 緑:c-fms-EGFP 青:ACTB-EGFP
(c) 赤:10kD dextran 緑:2MD dextran 青:ACTB-EGFP

分化型血管平滑筋のCa2+ イメージング

図3 c-fms-EGFP マウス腹腔内共焦点画像の深さ方向の評価
緑:c-fms-EGFP 青:ACTB-ECFP
(a)0μm (b)10μm (c)20μm (d)30μm (e)40μm (f)50μm (g)60μm (h)70μm
70μm の深さまでクリアに観察できました

c-fms-EGFP マウス腹腔内共焦点画像の蛍光退色評価

図4 c-fms-EGFP マウス腹腔内共焦点画像の蛍光退色評価
緑:c-fms-EGFP 青:ACTB-ECFP
(a)1 回 (b)500 回 (c)1000 回
同一部位を1000 回まで繰り返し撮影しても、 殆ど退色は見られませんでした

実験内容

生きたGFP マウスの腹腔内固形ガン組織を、12時間にわたり複数部位で、4色3Dタイムラプス共焦点観察し、数種類のがん浸潤性ストロマ細胞が、ガン組織内の微小環境によって異なる挙動を示すことを観察できました。

観察方法 生きたGFPマウスの腹腔内固形ガン組織を、12時間にわたり複数部位で4色3Dタイムラプス共焦点観察
マウスは鼻腔経由でIsofluran 麻酔、腹腔内生理食塩水投与、酸素濃度計センサー(腿)で生理状態をモニター実験時にはさらに温水循環装置付毛布で体を覆って、体温を保持
システム 共焦点ユニット CSU10B
レーザ 固体レーザ(405nm)、Ar レーザ(488nm)、Kr レーザ(568、647nm)
Arレーザ、KrレーザはAOTF を使用
顕微鏡 Axiovert200M(Zeiss)
カメラ ICCD XR-Mega-10EX S-30
対物レンズ Fluar 10X NA0.5
ソフト Media Cybernetics InVivo
その他 フィルタホイール、電動XYZ ステージ
撮影条件 露光時間17msec(512×512)、33msec(1024×1024)



生きたGFP マウスの腹腔内固形ガン組織を、12時間にわたり複数部位で、4色3Dタイムラプス共焦点観察し、数種類のがん浸潤性ストロマ細胞が、ガン組織内の微小環境によって異なる挙動を示すことを観察できました。

結果

観察した全てのストロマ細胞(dendritic-like cell、 myeloid cell、 carcinoma-associated fibroblasts) は、ガン組織内部よりガン周辺部位ではるかに運動性が大きいことがわかりました。制御性T 細胞(Regulatory T Cell) は血管近傍を移動し、ガン組織内部の微小環境レベルで異なる酸素濃度に依存的な運動を示しましたが、骨髄性細胞(Myeloid Cell) には、酸素感受性が認められず、その局在パターンと移動速度は、細胞表面マーカーの発現量に依存的でした。
また、深さ方向(~70μm)や蛍光退色(最大1000回)などの評価についても、細胞レベルでのin vivo imaging 手法として十分な結果が得られました。

まとめ

短時間高速変化から、12 時間にわたる長期変化まで幅広く設定が可能で、各種薬剤の影響を細胞レベルで詳細に確認することが可能なことから、効果的なガン治療法の開発に役立つのみならず、発生や疾病の細胞レベルでの新たな研究手法への応用も期待できます。

データご提供:UCSF, Dept of Anatomy Dr.Mikala Egeblad, Dr.Andrew Ewald, Dr.Zena Werb


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