導電率の測定は液中の電解質の割合を判定するために用いられ、pHと並んで最も重要な管理指標となっています。
当社は、各種測定システムおよび多種類の検出器を用意し、産業界の幅広い用途に対応しており、水道水、ボイラ給水をはじめ各種製造プロセス水や液成分の導電率や濃度の監視・管理用として広く利用されています。
FLXA402 | FLXA202 | FLXA21 | SC500G | |
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電源 | AC:100~240VAC DC:12~24VDC |
24VDC | 24VDC | AC:88~132VAC, 176~264VAC |
通信機能 | 4-20mA, HART, Ethernet (Modbus TCP), RS-485 (Modbus RTU) | 4-20mA, HART | 4-20mA, HART, FF and PA* | 4-20mA |
接点出力 | 4リレースイッチ | ― | ― | 4リレースイッチ |
測定項目 | SC:導電率、抵抗率、濃度 ISC:導電率、濃度 |
SC:導電率、抵抗率、濃度 ISC:導電率、濃度 |
SC:導電率、抵抗率、濃度 ISC:導電率、濃度 |
導電率、濃度 |
材質 | ケース・カバー: アルミダイキャスト |
ケース・カバー: アルミダイキャスト |
ケース・カバー: ポリカーボネート |
ケース: 鋼板、アルミニウム合金 前面枠:ABS樹脂 |
防爆 | FM防爆 | TIIS防爆 | ― | ― |
* FF(FOUNDATION Fieldbus)とPA(Profibus)通信はFLXA21のみで利用可能
FLXA402は、複数の検出器が接続可能であり、pH/ORP計、導電率計、電磁導電率計、溶存酸素計から検出器を選択できます。優れた操作性や機能を兼ね備えると同時に、HARTやModbus通信による拡張性にも富んでおり、IIoT環境の構築にも貢献、設置・運用コストの削減を提案します。
モジュール構造による豊富なシステムの構築、拡張性を備えた新世代の液分析計です。堅牢なアルミダイキャストケースを採用しています。pH/ORP、導電率測定では、従来タイプのアナログ形検出器のほか、SA11 SENCOMスマートアダプタと専用検出器による、デジタル検出器との組み合わせが可能です。TIIS、ATEXなど各種防爆に対応しています。
高/中/低レンジ用の3種類をラインアップし、2出力で導電率の他、温度出力も可能です。
食品製造プラントのCIP設備など洗浄液の濃度管理や液種判別およびタンクの空検知測定などに多く使用されている小型・軽量で、サニタリ性に優れた導電率計です。
当社ロングセラーSC82の機能を継承した実績のあるパーソナルSCメータです。300点データメモリ、時計表示、自己診断など、便利で多彩な機能を持ち、本体は防水構造IP67対応、水回りの現場にも最適です。
導電率とは
導電率とは、溶液中を電流が流れる時の流れやすさの尺度であり、『電圧(E)は電流(I)と抵抗値(R)の積で表すことができる(E=I×R)』というオームの法則にもとづいています。抵抗値は電圧/電流と表すこともできます。導電体の両端に電圧を印加すると、その導電体の抵抗値に応じた量の電流が流れます。導電率は、電極間にある溶液の抵抗値の逆数にセル定数を乗じたものです。
導電率の測定法
導電率の測定に用いられる検出器には、電極式と電磁誘導式の2種類があります。
電極式検出器を用いる場合には、溶液中に浸したセンサ電極(その形状でセル定数が決まります)の間に交流電流を流して生じる電圧を測定します。センサ電極間の溶液が導電体です。
電解プラントでは、pH 計・ORP 計・導電率計・密度計などのプロセス分析計が使用されます。これらは、各工程における溶液の濃度管理などで重要な役割を担いますので、長期間安定に動作することが要求されます。しかしながら、電解プラントでの測定液は、腐食性が強い、液温が高い、検出器を汚すといった分析計にとって非常に厳しい性状を持ちますので、機種の選択には慎重さが必要です。
横河電機の分析計(検出器)には、電解プラントでの実績を積み重ねてきたものがあります。例えば、pH 測定のための“PH4C、PH4CT 化学プロセス用検出器“、塩酸・硫酸・苛性ソーダの濃度管理に使用する “ISC40GJ 電磁導電率検出器” などです。
食品・飲料品・薬品の製造ラインでは、製品などの製造が終了する毎にタンクや配管などの洗浄・殺菌が行なわれます。また、用いた薬品は、コスト削減のため回収が図られます。この目的の CIP(Clean-in-Place) システムでは、洗浄剤と洗浄水の入れ替えにおける識別等のために、導電率計が使用されます。
FLXA202/FLXA21 2 線式液分析計は、広い測定範囲に対応できる検出器を有した高精度の測定が可能な導電率計です。FLXA202/FLXA21 の採用により、境界面測定の精度がアップするなど、他の導電率計より有利な運転が可能になりました。
半導体工場では、各製造工程で種々の薬品が使用されます。それらの中に、現像液やフッ酸溶液があります。これらは、希釈装置において、原液を規定の濃度になるよう純水で薄めて調製されますが、このときの濃度管理は導電率を測定することによって行なわれます。
電磁導電率計は、耐食性があり広い測定範囲に適用できる検出器を有しており、多くのプロセスにおいて高精度での測定が可能な導電率計です。FLXA402/FLXA202 の採用により、高い信頼性で濃度管理が行なわれています。また、FLXA402/FLXA202 は、各製造工程の廃液処理や排水の管理にも採用されています。
従来、ボイラ給水タンク給水系での糖液漏れ監視は、1日当たり数回、手分析する方法で行なわれていたため、多大な工数がかかっていました。また、監視が連続的でないため信頼性に欠けており、糖液漏れが発生したときにはそのカバーリングにも多くの費用と時間を必要としていました。
横河電機のFLEXAシリーズ 電磁導電率計を採用したことで安定に連続監視ができ、糖液漏れはいち早く検知されるのでトラブルが重大化するのを防げるようになりました。(AN10D01K01-02)
発電所等におけるボイラ水の水質管理項目には、復水器以降での海水の漏洩検知や供給水の純水装置に使用するイオン交換樹脂のブレーク監視があり、導電率計が使用されます。
このアプリケーションでは、純水管理用のレンジと海水漏洩検知用の2レンジが必要ですが、異なるレンジでの2つの出力信号を出すことのできる FLXA402 を採用することにより、1台で両方の管理が可能となります。
なお、導電率計はボイラ水用純水の管理などにも使用されます。