No.1 技術報告 特集
多様な用途への適用を目指した近赤外分光プローブ(PDF:1920KB/6ページ)
- 石井 健知*1
- 原 理紗*1
- 筧 和之*2
- 猿谷 敏之*1
- 稲村 一彦*1
*1 マーケティング本部 グローバルイノベーションセンター
*2 横河ソリューションサービス株式会社
透明度の低い原材料を測定対象とするインライン測定技術は,分野を横断した展開が見込まれる。我々は,その実現に向け,インライン測定の課題を解決するために近赤外分光プローブの機能を検討した。このプローブの1つ目の特徴は,配管やタンクの窓越しにプローブを設置することによる脱着の容易性である。これにより,製造を中断することなくプローブを装置から取り外すことができ,分析室での検量線の作成・管理が可能となる。2つ目の特徴は,製造装置に組み込まれた状態で測定系の状態変化を補償するための,定期的なリファレンス測定機能である。本稿では,この機能を評価し,分光器の温度が変化する条件下でも吸光度の変動を抑えられることを確認した。
オフショア無人施設の点検業務自律化に向けたロボット活用 (PDF:1332KB/6ページ)
- 原 朱里*1
- 櫻井 康樹*2
- 谷川 洋平*1
*1 マーケティング本部 グローバルイノベーションセンター
*2 デジタルソリューション統括本部 システム事業部事業センター
近年,プラント向けロボットの市場投入が進み,ユーザーによる実用性の検証が始まっている。当社もロボット事業への参入を進めているが,ベンダーとユーザーの双方において,実運用を想定した具体的なユースケースの設計は進展途上にあるのが現状である。本研究では,日本財団の助成および国際的な海洋技術開発コンソーシアムであるDeepStarの支援のもと,オフショアプラットフォームにおけるロボット活用のユースケースを設計し,三菱重工業株式会社製の防爆型自律点検ロボットEX ROVRの第二世代機“ASCENT”を用いて実証実験を実施した。オンプレミス環境を構築し,オフショアプラットフォームを模擬した環境においてロボットの走行試験を行い,現実的な運用条件下における技術的課題を抽出した。本成果は,プラント施設におけるロボット導入に向けた具体的な指針を提供するものである。
フローイメージング顕微鏡FlowCamによる有害藻類の自動判別および計数技術開発 (PDF:1103KB/6ページ)
- 中西 弘文*1
- 伊藤 友哉*1
*1 マーケティング本部 グローバルイノベーションセンター
現在,水質および海洋環境分野における水中微細藻類の種判別・個体数計測は熟練技術者による手作業に依存しており,精度と効率に課題がある。本研究では,当社製フローイメージング顕微鏡FlowCamを用いた自動判別および計数技術を開発した。上水原水や海水のサンプルには対象外の藻類や異物が多数含まれ,これが誤判別の主因となる。これに対処するため,対象外データの誤分類を抑制する判別補助モジュールを導入して精度向上を図った。ノリ養殖海域における有害藻類Coscinodiscus wailesiiを対象に検証した結果,種判別精度95%以上,細胞密度推定誤差±10%以内を達成した。本技術は,従来手法に比べて高精度かつ効率的な藻類モニタリングを実現し,水質管理や赤潮予測への応用が期待される。
多種多様なロボットで構成されたシステムの操業設計技術 (PDF:827KB/6ページ)
- 菅原 弘樹*1
- 岡田 優也*2
- 畑中 健志*2
*1 マーケティング本部 グローバルイノベーションセンター
*2 東京科学大学 工学院 システム制御系 畑中研究室
近年,プラントに導入可能なロボットが登場し,現場での巡回点検作業や緊急時のファーストレスポンダとしての活用の検討が進んでいる。しかし,現行のロボットは事前の設計や学習の通りにしか機能しないため,多様な状況が発生する現場ではロボットを適用できる業務が限定される。一方で,ロボットの機能拡張による対応作業の拡大や廉価版の登場による導入台数の増加も期待され,これらが実現した場合,ロボットの操業が人では扱いきれないほど大規模化することが予想される。当社はプラントの設備や操業自体が学習し,適応することを目指すIndustrial Autonomyを提唱しており,その実現にはプラントでのロボット操業の自律化が望ましいと考える。そこで,各ロボットの運用計画を設計する技術開発に取り組み,その成果として,実運用上で想定される計算時間の制限を満たす,実運用に適した操業計画設計アルゴリズムを開発した。