横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

Vol.65 No.1 (2022)

No.1 IT/OTコンバージェンスサービス 特集

巻頭言 Lifecycle Service Transformation: from OT to IT/OT Convergence (PDF:571KB/2ページ)

  • Yu Dai*1

*1 Director, Senior Vice President of Digital Solutions Headquarters


製造業サービスの変革と期待 (PDF:4286KB/6ページ)

  • 横井 博志*1
  • 長谷川 崇*2

*1 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部
*2 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部 事業戦略部

   製造業におけるトレンドおよびマーケット情報や顧客ニーズは,OTを主軸とした高度化のみならず,デジタルトランスフォーメーションに代表されるITとOTを融合させた新たな価値の創出に焦点が置かれるようになった。このような変化に合わせて,顧客がOTサプライヤに期待する役割も大きく変わろうとしている。一方で,IT業界を中心にビジネスを展開するシステムインテグレーターが行っているサービス内容と比べると,OT業界のサービスはIT業界とのサービスについて大きなギャップがあることが分かる。本稿では,One Stop Shopとしてサービスを提供する,製造業サービスという枠を超えたIT/OTコンバージェンスサービスプロバイダーとしてのYOKOGAWAのビジョンとその背景およびロードマップを示すことで,2030年までに実現を目指す製造業サービスの在り方を説明する。


OpreX Managed Serviceの概要 (PDF:4175KB/6ページ)

  • 小林 健夫*1

*1 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部 事業戦略部

   横河電機の保守サービスは顧客への価値訴求を目的に大きく変化を遂げようとしている。COVID-19により加速したデジタル化の動き,オフィスや工場におけるリモート環境の促進,サイバーセキュリティの脅威,ITとOT(Operational Technology)領域の接近,プラント機器・制御機器の複雑さ,少子高齢化による熟練技術者の減少といった多くの複雑な課題に直面するお客様に貢献することが保守サービスには求められている。横河電機は,これらの課題を解決する保守サービスとして,OpreX Managed Serviceをリリースした。OpreX Managed ServiceはDXプラットフォームを活用し,ITSM(IT Service Management)ベースのチケットシステムを導入している。顧客に24時間対応のマネージドサービスを提供し,人,プロセス,テクノロジーを融合させることで,顧客のプラントの保守リスクを低減させ,効率を改善し,安全性を高め,保守コストを削減することに貢献する。本稿では,このOpreX Managed Serviceが提供する価値,開発に至った背景,サービスの概要を紹介するとともに,今後の課題について述べる。


プラント・ヘルスケア・サービス (PDF:1021KB/6ページ)

  • 金澤 祥弘*1
  • 仙波 弘樹*2
  • 中川 慎也*3
  • 隅屋 誠*2

*1 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部 サイバーセキュリティ統括部
*2 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部 サービスCoE 統括部
*3 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部 未踏価値創出研究室

   プラントでは日々様々なデータが出力されている。この多種多量のデータからシステムの健全性を確認するために,どのログの何を確認すれば良いのかわからないといったお客様の声を聞くことがある。このような課題に対応するのがPlant Healthcare Serviceである。本サービスでは,お客様のOperational Technology (OT)アセットから定期的にデータを収集するDigital Transformation (DX)プラットフォームを活用し,データの分析結果に基づいたOTアセットの健康状態に関する情報をお客様に提供する。その情報を基にお客様がリスク評価と最適な保全計画を実施することで,プラントの保全を実現するものである。本稿では,Plant Healthcare Serviceが提供するお客様価値と3つのサービスについて紹介した後,今後の展望について言及する。


OpreX Managed Serviceのプラットフォームアーキテクチャ (PDF:793KB/6ページ)

  • 松藤 克彦*1

*1 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部 ソリューション開発部

   横河電機はお客様への価値訴求を目的とするサービスソリューションであるOpreX Managed Serviceを2020年にリリースした。OpreX Managed Serviceでは「人」「プロセス」「技術」の融合を実現させることで,お客様が抱える課題を解決する。OpreX Managed Serviceを提供するためのコアテノロジーとして開発されたのがDigitalization Platformの「Managed Service Suite」である。今日のOT(Operational Technology)領域には複雑かつサイロ化したアプリケーションやレガシーシステムが抱える種々の課題がある。これら課題を克服して保守運用効率向上や運転リスク回避を実現するためには,スケーラブル,柔軟な拡張性,高いセキュリティを備えたアーキテクチャによる実行支援プラットフォームが必要である。本稿ではManaged Service SuiteがDigitalization Platformとして求められる要件を説明し,如何にこの要件を実現しているのか解説する。


ITILベストプラクティスによるマネージドサービスへの変革 (PDF:875KB/6ページ)

  • 崔 励光*1

*1 デジタルソリューション本部 ライフサイクルサービス事業部 サービスCoE 統括部

   現場の生産業務の効率化を図るために,各生産プラントではインダストリアルオートメーション(IA)及び制御システムにおけるオープンネットワークの使用を標準化してきた。オープンネットワークの主な利点は,制御システムにリモートアクセスし,プラント操業の的確な情報,アプリケーション,及びリソースをエンジニアリング担当者やプラント関係者と共有できることである。一方,現場での熟練した労働力の減少により,プラント機器の管理や必要に応じた迅速な対応が困難になってきているなかで,メーカーによるオープンネットワークを活用したリモート支援サービスの需要が高まっている。本論文では,そのようなニーズに対応すべく,横河電機がITIL(Information Technology Infrastructure Library)のベストプラクティスを活用して新たなサービスとしてマネージドサービスを立ち上げたことを紹介する。


IIoT SOCサービス (PDF:2119KB/6ページ)

  • 小泉 清一*1
  • 塩崎 哲夫*1

*1 デジタルソリューション本部 DX Platformセンター DXP企画部

   横河電機ではDigital Transformation(DX)の一環としてお客様向けIoT(Internet of Things)クラウドサービス(Yokogawa Cloud)を推進している。DXの推進には強固なセキュリティ対策が不可欠である。そこで社内向けに展開してきたYokogawa Security Operation Center(Y-SOC)のノウハウを活かし,お客様向けIT/OTセキュリティ監視サービスへと発展させ,より安全なDXサービスをご提供している。本稿では,IT/OT Convergenceにおける技術動向について解説した上で,横河電機のIT/OT統合SOCについて事例を通して紹介する。


統合計測ソフトウェアを使用した高精度同期測定 (PDF:2647KB/6ページ)

  • 岩野 研二*1
  • 横平 貫志*2
  • 坂上 高大*3

*1 横河計測株式会社 脱炭素ビジネス本部 技術部 ソフトウェア開発1Gr.
*2 横河計測株式会社 脱炭素ビジネス本部 技術部 ソフトウェア開発2Gr.
*3 横河計測株式会社 脱炭素ビジネス本部 技術部 ハードウェア開発1Gr.

   モーター・インバータを評価する場合,電力計や波形測定器など複数の専用測定器のデータを収集し,各データの関連性を観測する必要がある。複数の測定器から同時にデータを収集し,それらのデータを同一時間軸上で表示可能な統合計測ソフトウェアIS8000を開発した。加えて,時刻同期規格であるIEEE1588のPTP(Precision Time Protocol)に対応し,かつサンプリングクロック同期を実現した専用測定器WT5000,DL950,DLM5000を開発した。
   IS8000,WT5000,DL950,DLM5000を使用することで,測定データの高精度同期とデータ取得から解析,レポート作成という作業のシームレス化を実現し,モーター・インバータ評価に必要なシステムの構築・解析を高効率に行うことが可能となった。


製紙プロセス色管理向上のための高速高精度カラー計 (PDF: 854KB/4ページ)

  • 堀越 久美子*1
  • 真木 隆太郎*1
  • 西田 和史*1

*1 横河プロダクト本部 センシングセンター 開発統括部 アナライザー部 P&W1課

   アジアにおける板紙市場は小売業の成長に伴い今後も成長が予測され,それに伴い板紙の色管理に対する要求が増している。抄紙工程の紙の色度をオンラインで測定することで,紙の色の高度な品質管理が可能になる。抄紙機・塗工機測定制御システムB/M9000VPのLEDカラー計は,抄紙工程においてオンラインで高精度に色を測定できる。今回,高感度分光器を採用することで高感度・高速測定を実現し,また部材を特殊防湿コーティングすることでその耐湿度性を向上した。この結果,LEDカラー計の機能性,安定性を強化し,抄紙工程の品質管理性を向上させた。



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