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YOKOGAWA

横河電機株式会社

リモートメンテナンス

PLCにおけるITを活用したリモートメンテナンス

 
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 目次
 PLCのさらなる活用法を探る
 
2002年5月 月刊計装5月号掲載
「リモートOME on インターネット」の記事
「PLCにおけるITを活用したリモートメンテナンス」  横河電機株式会社 中山 実
   
1.
はじめに
2.
レンジフリーコントローラ「FA-M3R」
3.
FA-M3Rのリモートメンテナンス
 
1 工場内でのリモートメンテナンス
2 イントラネットや公衆回線を用いたリモートメンテナンス
3 Webを利用したリモートメンテナンス
4 電子メールを利用したリモートメンテナンス
4.
まとめ
   
  ※資料請求・ご意見・ご要望は、資料請求・アンケートページからどうぞ。
   
 
 1.はじめに
 
 近年、製品の機能向上やリードタイムの短縮を目指して、製造装置はさらに複雑化、高機能化してきている。そのため現場の保守についてもさらに高度な技術と知識が必要になってきている。

 このため、保守要員にも高度な技術の教育を行うとともに、装置の異常発生時のダウンタイムを短縮することが必要とされる。

 こんなソリュー ションを解決する方法の1つに、リモートによる装置のメンテナンス機能が必要と されている。本稿では、当社のレンジフリーコントローラ 「FA-M3R」が他社に先駆けて実現した、ITを活用したリモートメンテナンスについて紹介する。
 
「FA-M3R」の外観
 
 2.レンジフリーコントローラ「FA-M3R」
 
「速い」「小さい」「賢い」で好評な 「FA-M3R」(写真1) は、
 
20Kstep/1msecの高速スキャンタイム、最小スキャンタイム200μsと高パフォーマンスを実現
144(W)×100(H)×88(D)mmのはがきサイズで、192点をサポート・最大8192点
デバイス容量344Kで、小中型PLCのサイズと価格で、大型PLC以上の機能を実現
 
 その他、シーケンスCPUの複数実装(最大4CPU)や BASIC CPUやAT互換CPUとのマルチCPUシステムを可能にしている。
 また、多種多様なオープンネットワーク(RS・GP-IB・Ethernet・FL-net・DeviceNet等)もサポートし、PLCの枠を越えた高機能性を実現。PLCのコンセプトリーダとして高い評価を得ている。

 今回 「The IT M@chine Controller」 をコンセプトに、ITで装置を革新するための様々な新商品を発売した。その代表的な商品コンセプトである、「リモートOME*1 on インターネット」 (インタ-ネットを活用したリモートメンテナンス) について紹介する。
*1
リモートOMEは、リモートOperation Maintenance & Engineeringの頭文字を取ったもので、横河電機株式会社が提唱する装置リモート メンテナンスの総称である。
 
 3.FA-M3Rのリモートメンテナンス
 
 「FA-M3R」は、OAではデファクトスタンダードであったオープンネットワークであるEthernetを、他社に先駆けリリースした。
 Ethernetモジュール経由でのプログラミング開発環境を開発ツールに搭載することで、1997に「リモートOME」のコンセプトを提案。単にリモートで、PLCのリレーやレジスタの内容を確認するだけの「メンテナンス」だけでなく、ラダ-開発ツールの全機能を動作可能にし、「オペレーション」 や「エンジニアリング」も可能にしてきた。

 ここでは、「リモートOME」の構築事例を解説すると同時に、インターネット技術を活用した「リモートOME on インターネット」 についてもご紹介させていただく 。(図1)
 
FA-M3Rのリモートメンテナンス機能「リモートOME」
3-1 工場内でのリモートメンテナンス
   プログラム(ラダ-)開発ツールのEthernet対応により、工場敷地内にすでに敷設されているEthernetを経由して、事務棟の装置開発者が、工場に設置されている装置の状況を「FA-M3R」のデータ(リレー・レジスタ)をモニタリングすることで確認できる。

 従来のRS-232-C接続と異なり、高速かつ距離の制限から開放される。

 また、SCADAソフトのEthernet対応も進み Ethernet接続でシステム化が可能になり、GUI化されたエンジニアリング・保守・メンテナンスが可能になっている。
3-2 イントラネットや公衆回線を用いたリモートメンテナンス
   Ethernetを標準ネットワークに採用し、 UDP/IP、TCP/IPといった標準プロトコルのサポートで、社内LAN (イントラネット)への接続も可能となる。
  これにより国内の生産拠点はもとより 海外の生産拠点に設置された製造装置の動作状況をリアルタイムで確認することができ、 またEthernetの活用により世の中のさまざまな周辺機器を同一ネットワークに接続 することができる。

  たとえば、ネットワークカメラによる映像、あるいは音声もEthernet経由で伝達することが可能になり、装置の状況が「目」や「耳」を 用いて状況確認ができることから、海外生産拠点の装置トラブルに対し現状把握のための出張が必要なくなる。
 さらに、トラブル発生時の状況がリアルタイムで把握できるため、問題点の把握が即時可能になり、装置のダウンタイムの削減にもつながる。
 まさにメンテナンスにおいて 「時間」と「距離」の制限がなくなることになる。

 イントラネットの接続には、ダイアルアップルータ等の使用で、公衆回線を用いた接続も可能になる。
 これにより、一時的に装置製造メーカがエンドユーザに納めた製造装置の立上げを効率的に実施できるばかりでなく、緊急時の装置の保守が可能になり、装置製造メーカでは、緊急対応・定期保守などを差別化し、ビジネス化することもできる。
 この場合、PHS等での接続(出張時のモバイルアクセス)により、さらに手軽に実現可能となる。
3-3 Webを利用したリモートメンテナンス
   イントラネットを活用したものの一つに、「Webモジュール」 (写真2) がある。

  このWebモジュールを「FA-M3R」に装着することで、「FA-M3R」をWebサーバにすることができる。
 パソコンでPLCを監視する際、SCADA等の高価なソフトウェアをインストールするのが一般的であるが、Webモジュールの装着によりHMIをWebブラウザにすることで、「FA-M3R」で管理する操業データ(リレー・レジスタ)を簡単に監視することができる。

 また異常時等の警報メールの発信や、フィールドデータを長期保存するためにFTPサーバへのデータ保存を可能にしている。(図2)

 操業画面の作成は、HTMLで定義するだけである。操業データをグラフィカルに表示するアプレット (バー表示・トレンド表示等)が標準実装されているため、データの定義(アドレスと文字サイズ・色等)のみで操業画面が完成する。

 また、操業データの設定(書込み)も可能に なっている。Webブラウザからの操作を考慮し、データの書込みはセキュリティを強化、特定オペレータからしか実行できないように定義することも可能である。
 
Webモジュール
写真2 Webモジュール
 
Webを利用したリモートメンテナンス
3-4 電子メールを利用したリモートメンテナンス
 
 今まで様々なリモートメンテナンスの仕組みを、ソリューション提供して好評をいただき、装置開発者のお客様に活用していただいてきた。

 今までに紹介 した方法は、専用のネットワークに接続する等の必要があり、構築や設定にはネットワーク専用の技術者が必要なケースがあった。かつセキュリティの問題もあり、外部からのイントラ ネットのアクセスには大きな壁もあった。

 また公衆回線を用いることによる、ランニングコストの増加が課題となってきた。

 さらに、複数箇所に設置された装置をメンテナンスする場合、装置メーカはエンドユーザごとに回線の増設が必要になっていた。

 そこで、さらに「簡単に」「安価に」「もっと高機能に」とのご要望に答えるために、インターネット技術を活用した「リモートOME on インターネット」 とし、さらにリモートメンテナンスの仕組みを進化させた。そして、インターネットの中でも一番身近な、電子メールを用いたリモートOMEを実現した。(図3)


 これにより、普段業務で用いている電子メールが使用できる環境と、世界中で操業されている 装置にメールアドレスを設定するのみで、装置の状況を確認できる。

 つまり、装置開発技術者が現場のオペレータ(あるいは保全担当者)経由で装置の状況を確認するのでなく、直接装置に電子メールで装置の状況を問い合わせることができる。「早く」「確実に (漏れなく)(誤りなく)」装置の状況が把握できる。

 電子メールでのデータのやりとりは、「FA-M3R」のプログラム開発ツール 「WideField2」 で実現している。
 装置開発者が 開発時使用するプログラミング開発ツール 「WideField2」がメールクライアント機能を持っているので、開発時と全く同じ操作で装置の状況が確認でき、「FA-M3R」と電子メールを用いてデータの送受信を行うため、特別なツール・操作は必要なくなる。

 「WideField2」で電子メール経由による問い合わせ可能な項目は、以下の通りである。
 
各種デバイスの読み書き:PLC内部のレジスタ・リレーの読み書き
システムログ、ユーザログの読み出し:シーケンスCPUで保存しているシステム、あるいは
ユーザで登録した操業ログの読み出し
サンプリングトレースの設定/結果確認:PLC内の複数リレーのタイミングとレジスタの内容が、ロジックアナライザライクにトレースできる。トレースのタイミングの設定とトレース結果の確認
プログラムのアップ/ダウンロード:実際に操業に用いているラダ-プログラムのアップロード/修正後のプログラムのダウンロード
 
 PLC内部データ(リレー・レジスタ)を確認できるのはもちろんのこと、シーケンスCPU内部のシステム・ユーザログをも確認できる。
 実際に操業で発生した イベントを時系列に確認できるので、操業の異常の原因解析も可能になる。

 また、信号のタイミングによる異常も確認できる。
 ロジックアナライザライクに複数信号のタイミングを トレースすることで、信号相互の異常と外部信号の異常も解析可能となる。ケースとしては非常に少ないものの、最終的には、プログラムのダウンロードも可能となり、現場に出張することなく「リモートOME on インターネット」が可能となる。
 
インターネットを利用したリモートメンテナンス
図3 インターネットを利用したリモートメンテナンス
 
 4.まとめ
 
「FA-M3R」は、ITを活用したさまざまな機能が 実用レベルで利用できるようになってきている。OPCサーバにも、この電子メールインタ フェースをサポートしたパートナ商品の開発が進んでいる。
 インターネットは、今後ADSLや光通信の技術、データセンターなどのインフラ技術の革新もあり、これらの活用でさらに 「The IT M@chine Controller」として進化していくだろう。
 
*
リモートOMEは、横河電機株式会社の登録商標です。
* The IT M@chine Controllerは、横河電機の登録商標です。
* その他記載の商品名、会社名等の固有名詞は各社の商標または登録商標です。
 
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