■SS2000を使用した論文が学術誌[Communication Biology(IF=5.2)]に掲載されました。詳細はこちら
A subcellular sampling instrument allows spatial resolution of amyloid deposit-derived organelle-specific effects in microglia | Communications Biology
ドイツのMainz大学のEndres教授とそのラボチームがSS2000を使い、アルツハイマー病の病態解明に繋がる研究をされました。
■SS2000ユーザーによるウェビナーはこちら
Single Live Cell Mass Spectrometry (SiLC-MS) Analysis
講演者:Carla Newman (Scientific Leader (Cellular Imaging and Dynamics), GSK)
細胞内サンプリングシステム
SS2000は共焦点顕微鏡で培養中の細胞を撮像しながら、 1細胞レベルで細胞内の特定の部位や領域を全自動で直接サンプリングするシステムです。細胞を丸ごとサンプリングすることも可能です。培養中の細胞を剥がす必要がないため、位置情報や形態情報が保持されます。
サンプリングの特長

- 全自動操作
- 位置情報・形態情報を持ったサンプリング
- 吸引位置の精密な制御
- 共焦点顕微鏡による高精細画像・イメージング解析
- インキュベータ機能により細胞の活性を維持したままサンプリング
ユースケース

- 細胞内成分を1細胞レベルでサンプリングすることができます。脂質膜を持たない細胞小器官など、生化学的な手法ではサンプリングが難しい細胞内成分でも、直接サンプリングすることが可能です。
- 位置情報を保持したままサンプリングできることにより、癌細胞に隣接する正常細胞と離れた場所に位置する正常細胞からそれぞれ採取し、比較解析する事ができます。
- 形態情報を保持したままサンプリングできることにより、異なる形態変化を示す細胞からそれぞれ採取し、比較解析する事ができます。
- ニューロンの細胞体や軸索など、細胞毎に異なる部位を狙ってサンプリングすることができます。
- 遺伝子導入した細胞やウイルス耐性を持つ細胞など、顕微鏡観察下で特定の細胞や特異な挙動を示す細胞からシングルセルクローニングすることができます。様々な画像解析と組み合わせることで精度よく効率的なクローニングが可能です。
- 同じチューブやウェル内に複数のサンプルを集めることができるので、サンプル量が必要な分析にも用いることができます。
詳細
細胞内成分のサンプリング
細胞内の標的部位のみを自動吸引することができます。細胞質や標的とするオルガネラを含む領域を選択的にサンプリングすることが可能です。

HeLa細胞の核(青)、細胞質(緑)、ミトコンドリア(赤)を染色し、ミトコンドリアが豊富な領域(矢印)の細胞質を吸引した。
細胞の位置情報・形態情報を保持
培養中の細胞を懸濁液にすることなく、標的とする細胞のみをサンプリングすることができるため、位置情報や形態情報を保持したままサンプリングすることが可能です。

正常なMDCK細胞と緑色蛍光標識した異常のあるMDCK細胞を50:1で共培養後、蛍光シグナルを示す異常細胞に隣接する正常細胞(矢印)をサンプリングした。
汎用性の高いサンプル
採取したサンプルはPCRプレートやマイクロプレートへ回収することができます。同じウェル内に複数のサンプルを集めることや吐出せずにガラスチップ内に保持したまま取り出すことも可能です。回収先はサンプルの分解を抑えるための冷却機能や、培養環境を維持するためのインキュベータ機能が搭載されています。採取したサンプルは遺伝子解析や質量分析、シングルセルクローニングなどに用いることが可能です。

共焦点顕微鏡によるライブセルイメージング
当社が開発したライブセルイメージング製品の技術がベースになっています。独自の共焦点顕微鏡技術による高速・高精細な3D撮像が可能です。インキュベータ環境下で共焦点顕微鏡で観察しながら、狙った細胞からサンプリングすることができます。タイムラプス撮影も可能なため、標的とする細胞の動的な変化を捉えることも可能です。サンプリング中の動画やサンプリング前後の画像を記録することができるため、採取したサンプルの分析結果と細胞のイメージングデータを照らし合わせることができます。

標的細胞やサンプリング位置をイメージング解析により自動で選択可能です。(細胞の形や核の大きさ、オルガネラの密度などからターゲットを自動選択)
製品仕様

| 自動サンプリング機能 | チップ先端内径 | 3μm、5μm、8μm、10μm |
|---|---|---|
| インキュベータローダ環境 | 37℃、5%CO2、加湿 | |
| コレクションローダ環境 | 37℃、5%CO2、加湿(加湿時) / 4℃(冷却時) | |
| コレクションローダ搭載可能容器 | 96well PCR プレート(0.1mL、0.2mL)培養用マルチウェルプレート(96well) | |
| サンプリング位置決め精度 | XYZ軸設定分解能:0.1μm | |
| イメージング機能 | 共焦点方式 | マイクロレンズ付き広視野ニポウディスク共焦点 |
| インキュベータローダ搭載可能容器 | 細胞をサンプリングする場合: φ35mm ディッシュ(最大3枚搭載可能) マルチウェルプレート(6well、24well、96well) ※ いずれもイメージング用の底厚0.2mm以下のものに限る |
|
| 細胞観察する場合: φ35mm ディッシュ(最大3枚搭載可能) マルチウェルプレート(6well、12well、24well、48well、96well、384well、1536well) スライドガラス(最大4枚搭載可能) |
||
| 蛍光励起レーザ | 405、488、561、640 nm(Uniformizer搭載) | |
| 蛍光フィルタ | フィルタサイズ:φ25mm、最大スロット数:10(電動切替)、隣接切替速度:100ミリ秒 | |
| 透過照明 | 明視野 LED光源 | |
| 対物レンズ | ドライ:4x、10x、20x、40x 長作動:20x、40x | |
| 電動ステージ | XYZ軸設定分解能:0.1μm | |
| オートフォーカス | レーザ方式 | |
| カメラ | sCMOSカメラ 2,000 x 2,000 ピクセル 画素サイズ:6.5 x 6.5μm | |
| その他 | 専用ワークステーション | 採取・測定・解析用ワークステーション、24インチモニタ2台 |
| 計測ソフトウェア | 細胞の計測(2D、3D、タイムラプス、マップ撮像)、過去データの閲覧、レポート作成(画像、動画)、1細胞のサンプリング、細胞内成分のサンプリング | |
| 解析ソフトウェア | データの解析(3D、タイル、ラベルフリー、テクスチャ解析、Deep Learning、ゲート)、3Dビューア、グラフ表示、レポート作成(画像、動画、EC50、IC50、Z'-factor) | |
| サイズ・質量 | 本体:W1,217 × D643 × H595 mm・145kg ユーティリティボックス:W275 × D432 × H298 mm・18kg ガス混合器:W275 × D432 × H298 mm・10kg 専用ワークステーション:W172 × D471 × H414 mm・14kg ディスプレイ:W531 × D500 × H166 mm・5.6kg |
|
| 動作環境 | 温度:15~30℃(動作安定のため23±2℃を推奨) 湿度:30~70% 結露なきこと(動作安定のため40~70%を推奨) |
|
| 消費電力 | 本体とユーティリティボックスとガス混合器:1,200VAmax 専用ワークステーション:950VAmax ディスプレイ:42VAmax×2 |
|
| 出力データ形式(計測ソフトウェア) | 撮像画像形式:16bit TIFF(OME-TIFF、TIFF) 出力画像形式:TIFF、PNG、JPEG 出力動画形式:WMV、MPEG4 |
|
| 出力データ形式(解析ソフトウェア) | 数値データ:CSV 出力画像形式:TIFF、PNG、JPEG 出力動画形式:WMV、MPEG4 |
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このたび、ライフ事業のビジョンを策定しました。
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そして、お客様と共に、BIA(Bio Industrial Autonomy) の世界を実現していきたいという思いを込めています。
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プレスリリース | ソリューション&製品 2021年12月1日 1細胞解析に革命をもたらす細胞内サンプリングシステム「SS2000」を開発
~ 特定の細胞や細胞内成分を自動で収集し、効率的な創薬研究を支援 ~
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