横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

PRMを活用した保全業務の最適化で、東南アジア地域におけるクロール・アルカリ製品の安定供給を実現

アサヒマス・ケミカル株式会社 様 logo
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概要

インドネシア ジャカルタに本社を置くアサヒマス・ケミカル株式会社は、苛性ソーダおよび塩化ビニル樹脂(PVC:Polyvinyl Chloride)の東南アジア有数の生産量を誇る化学品メーカです。バンテン州にあるアニョール工場では、2016年、2022年と継続してプラントの増強工事を行い、着実に生産量を伸ばしてきました。

増設された生産設備では、数多くのフィールド計器(流量計、圧力伝送器、温度伝送器等)やバルブ、アクチュエータ等の機器が使用されています。これらの機器の状態を把握し、点検・保守を行うには、非常に多くの手間と時間がかかります。機器のメンテナンスを行うべきかどうかの判断は、保全オペレータの経験によってまちまちで、保全品質の向上にも取り組む必要がありました。そこでアニョール工場では、保全業務のスマート化を実現するために、YOKOGAWAの統合機器管理ソフトウェアパッケージ PRM(Plant Resource Manager)を導入することにしました。

アサヒマス・ケミカル株式会社 様

 

お客様の課題とソリューション

PRM導入の背景

アニョール工場のいくつかの製造プラントでは、HART通信プロトコルに対応した数百台ものフィールド計器や装置が用いられています。効率的にこれらすべての機器の接続チェックとループチェックを行うために、PRMを導入されました。

一方、アニョール工場は東南アジアのトップランナーとして、これまでも日々の改善活動に取り組んでいましたが、次のような課題を持っていました。

  • 機器の点検・整備の時期やメンテナンス項目の判断は、保全員それぞれが持つ知識経験に基づいて行われており、人によってばらつきがあった。
  • 長年、機器の状態にかかわらずTBM(Time-based Maintenance)での保全が行われており、多くの手間と時間を必要としていた。

PRMの活用、すなわちHART機器の持つインテリジェンス情報を最大限活用することで、それらの課題を解決することはできるのか? アニョール工場とYOKOGAWAインドネシアはワークショップを開催し、ディスカッションを行いました。プラントのメンバーは、日々の保全活動の様子を説明し、プラントの課題や要望をYOKOGAWAに伝えました。YOKOGAWAはそれを踏まえて、PRMの豊富な機能や利点を紹介しました。解決策について互いに活発に話し合い、保全業務のスマート化がクリアにイメージできるようになっていきました。

PRMへの機器の登録

アニョール工場から依頼を受けたYOKOGAWAインドネシアは、数百台ものHART機器をPRMに登録しました。PRMにはサードパーティー製を含むさまざまな機器のテンプレートがデフォルトで用意されているため、容易に登録を行うことができます。テンプレートを用いることで、各機器への膨大なパラメータ設定を効率化でき、複数機器の設定をワンクリックで行えるというメリットもあります。管理されているパラメータ情報は、設定内容や変更履歴をいつでも確認できるほか、もしその機器を交換した場合には、保存されているパラメータ情報を使ってすぐに新しい機器を設定することができます。

コミッショニングの期間短縮

アニョール工場は、機器の接続チェックやループチェックをPRMのコミッショニングサポートパッケージ(PRM CSP)を用いて行いました。この機能は一台一台行わなければならない接続チェックやループチェックを自動で実施するものです。PRM CSPはループチェックを自動で実施し、その結果レポートを自動作成します。ループチェックの結果が数値として確認できるため、プラントではチェック作業の精度を従来に比べて飛躍的に向上させることができました。

PRM CSPは、機器交換時や定期修繕後の機器の接続チェックも同様に行うことができますので、プラントのライフサイクル全体にわたって保全業務の効率化に貢献します。

PRM CSP 画面例
PRM CSP 画面例

機器の情報を可視化・共有

PRMのデータベースに登録された機器は、デバイスビューア画面で一覧表示することができます。PRMが定期的に収集する各機器の状態がアイコンで表示されるため、異常の有無を直観的に判断できます。
機器の異常時には、PRMのメンテナンスアラーム機能により、アクションガイドとともにアラームが発報され、PRMの画面上でその内容を確認することができます。機器が発するアラーム番号も合わせて通知されるので、現場に行かなくても異常の原因、たとえば測定値の上限・下限レンジの逸脱、導圧管の詰まり、センサ自身の異常、カプセルやアンプなど内部パーツの異常などを把握することが可能です。
これにより、アニョール工場では必要なアクションを素早く的確に行うことができるようになりました。また、これらの情報はメンテナンスに携わるメンバーが24時間いつでも同時に見ることができますので、とるべきアクションについて共有し、互いにアドバイスし合って対応するなど、質が高くムダのない保全業務が実現できます。

デバイスビューア 画面例
デバイスビューア 画面例

デバイスビューアは、CENTUM DCSのヒューマンインタフェースステーション(HIS)のガイダンスメッセージとして伝達することもできます。

日常の保全業務の最適化

PRMを用いたメンテナンスが行われるようになり、人の判断に依存したメンテナンスから定量的な評価へシフトすることができます。このことは、機器の健全性をより高めることにつながり、プラントの安定操業や生産性向上にもつながります。 また、異常が認められた際にアラームとともに伝達されるアクションガイドは、保全員の迅速かつ的確な対応をサポートし、さらには各自の知識スキルの蓄積にも役立ちます。

アクションガイド 画面例
アクションガイド 画面例

最適な保全計画の立案をサポート

PRMのレポート機能や診断機能を用いて、機器の状態を可視化できるフィールドアセットKPIレポートは、各機器や周辺プロセスの異常傾向までを可視化する強力なツールです。

フィールドアセットKPIレポート 画面例

フィールドアセットKPIレポート 画面例
フィールドアセットKPIレポート 画面例

状態に応じた保全活動への完全移行を目指して

作業の結果をPRMに登録することで、多くのメンバーと情報やノウハウを共有することができ、メンバー同士で点検のタイミングやメンテナンス項目について議論しながら作業することで、組織全体でのスキルの向上にも寄与します。

データと経験を蓄積しながら、アニョール工場は保全業務のCBM(Condition-based Maintenance)化を目指しています。PRMの示す機器の情報や保全履歴、診断情報をもとに、必要な箇所を的確にメンテナンスしていくことで、保全業務の効率化、コスト削減、プラントの安全・安定操業、生産効率の最大化を図っていきます。

 

お客様の声

インドネシアや周辺の地域では、まだPRMのような技術を活用しているプラントが少なく、私たちもはじめはPRMが何をもたらしてくれるのか、どう使えば良いのかイメージすることができていませんでした。しかし実際に使ってみると、保全業務にかかる手間や時間を大幅に削減でき、本当に必要な機器に対して適切にメンテナンスができるという大きなメリットがありました。データを見れば現場に行かなくても機器の状態が確認できるので、どれをどのようにメンテナンスすべきか複数メンバーで話し合いながら作業を進めることができ、スキルの向上にも役立っています。

ワークショップも含め、YOKOGAWAインドネシアのサポートはありがたかったです。今回PRM CSPを初めて使用しましたが、マニュアルに書かれていない現場作業の注意事項などについても教えてもらいながら、スムーズに立ち上げを行うことができました。日常の業務も大きく効率化されました。次回の定期修繕時には、さらなる効果が得られるものと期待しています。

PRMの導入によって、私たちはデータに簡単にアクセスできるようになりました。AGCグループの企業理念は“Look Beyond”です。日々の活動を改善し続けなければ、この業界のリーダーであり続けることはできません。幸い、私たちは課題解決に取り組むことにとてもやりがいを感じています。これからもPRMを活用し、保全業務のさらなる最適化にチャレンジしていきます。このことは、東南アジアの市場に品質の高い製品を安定的に供給し続けること、すなわち東南アジア地域の成長に貢献することにつながると考えています。

関連業種

  • 化学

    化学産業は石油化学、機能性化学、ライフサイエンスなど分野も広く、製造現場が抱える課題や解決方法は多様化しています。Digital Transformation (DX) により実現される「新しい働き方」についてお客様と共有し、共にプラントの価値最大化を目指します。

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