横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

電子記録および電子署名に関する規制とデータインテグリティ対応~SMARTDAC+ 拡張セキュリティ機能

データインテグリティとは

医薬品製造、食品製造などの査察において、データインテグリティに関する改ざんや不正行為の指摘が増加していることから、FDA(米国食品医薬品局)やMHRA(英国医薬品庁)をはじめとした規制当局が、データインテグリティの監視を強化しています。そのため、データインテグリティに関するガイダンスが各規制当局から次々と発表されています。データインテグリティの基本原則である”ALCOA+”(A:帰属性、L:判読性、C:同時性、O:原本性、A:正確性、C:完全性、C:一貫性、E:永続性、A:可用性)は、各ガイドラインに採用されています。SMARTDAC+ GX/GP/GM拡張セキュリティ機能はデータインテグリティに対応しています。

 

SMARTDAC+ 拡張セキュリティ機能によるデータインテグリティ対応

電子署名機能

記録計本体および専用のビューアソフトウェアを用いて、データを確認後、電子署名が可能です。オペレータ、製造責任者および品質保証責任者などの3レベルで電子署名(サインイン)が可能です。また、電子署名だけでなく、評価結果(パス/フェイル)とコメント情報も保存することが可能です。

電子署名機能

 

監査証跡機能

操作履歴は自動的に記録され測定データと共にファイルに保存されます。設定変更時は、設定変更の操作とともに、変更内容について確認することができます。
この機能により、データインテグリティで要求されている、誰が、いつ、何を、なぜ変更したのかを確認することができます。
操作履歴は、本体画面、webアプリケーション、また、専用のビューアで確認が可能です。

監査証跡機能

 

ロジカルセキュリティ機能

4つのユーザレベル(システム管理者、準管理者、ユーザ、モニタ)があり、最大で200人登録可能です。準管理者、ユーザそれぞれ個別にアクセス権限を割り付けられます。
データインテグリティは適切なユーザが適切な情報へアクセスすることが求められています。SMARTDAC+は、様々なアクセス権限をもったユーザを作成可能です。

ロジカルセキュリティ機能

 

ガイダンスとデータインテグリティ対応について

各規制当局が発行しているガイダンスは下記になります。

各ガイダンス

発行年月 発行団体 ガイダンス名称
2021年  10月 WHO Guidance on data integrity
2018年  3月 MHRA ‘GXP’ Data Integrity Guidance and Definitions
2021年7月 PIC/S GOOD PRACTICES FOR DATA MANAGEMENT AND
INTEGRITY IN REGULATION GMP/GDP ENVIRONMENTS
2018年12月 FDA Data Integrity and Compliance With Drug CGMP Question and
Answers Guidance for Industry

*2025年5月現在

ALCOA+の項目とSMARTDAC+の対応については下記になります。

データインテグリティの基本原則ALCOA+

ALCOA+ 項目 内容 SMARTDAC+ 対応
Attributable
(帰属性)
データの作成者が明確であること 監査証跡機能により、ユーザ、タイムスタンプ、操作履歴を記録することが可能です。
Legible
(判読性)
データは誰でも読むことができること データは人間が判読可能な形式で表示・保存することができます。
Contemporaneous
(同時性)
データの測定と同時に記録すること 測定された値は即時に自動的にタイムスタンプと共に記録されます。
Original
(原本性)
コピーしたデータが原本のデータと同じであること 記録ファイルは改ざん不可の独自形式で保存されます。そのため、コピーしたデータは原本のデータと同じです。
Accurate
(正確性)
誤りがなく、結果とデータが正確であること 校正されたセンサなどによって取得されたデータを改ざん不可の独自形式で正確に保存します。
Complete
(完全性)
事象を再構築する上で、必要な情報が全て揃っていること 測定値、設定情報、操作履歴、アラーム履歴などデータ取得・操作に関わる全ての情報をデータに記録します。
Consistent
(一貫性)
データが一貫して矛盾がないこと SNTP機能を備え、設定した間隔で連続記録を行います。測定データにはチャネル情報、単位、タイムスタンプなどが自動付与され、設定変更や校正などの操作はすべて監査証跡として時系列で保存されます。
Enduring
(永続性)
データの保存期間中、データが存在すること データは長期保存用のメディアへのバックアップが可能です。ビューアソフトも併せて保存することで、将来にわたって可読可能な状態でデータにアクセスすることが可能です。
Available
(可用性)
データの保存期間中、いつでもデータを確認することができること 記録データは、専用のビューアソフトにて検索・閲覧が可能です。これにより、必要な時に確実にデータへアクセスすることが可能です。

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