高速・簡易・低コストで水素を測定
一般的な水電解プロセス
一般的な水電解プロセスにおける水素濃度計測は下記の課題が存在します。
(1)分析計の応答が遅いものがある
(2)水電解陽極側は、水分離・除湿の前処理に複数過程が必要
水素を生成する水電解プラントでは、膜劣化による陽極側、陰極側へのクロスリークが安全 管理上の課題であり、一般的な水素濃度測定では、高速応答を実現できないことが安全監視上の大きな課題となっています。
水電解プロセスのガス成分は水素と酸素の2成分であるため、ガス密度でガス濃度の推定が可能です。水素濃度測定におけるガス密度計の適用可能性を本資料でご紹介いたします。
図3 .水素測定の模式図
ガス密度計の水素測定利用メリット
分析計単体だけでなくサンプリングも簡易化できるため 高速応答を実現
- サンプリングの簡易化
シンプルな前処理で測定できるため、サンプリングの簡易化に寄与します。 - 高速応答
ガス密度計単体の応答は約5秒と高速です。 - メンテナンスレス
ランニングコストの削減が可能であり、安価に水素濃度測定を実現できます。
製品詳細
GD400形振動式ガス密度計
測定原理詳細
多重モード自励発振方式
薄膜円筒の共振周波数が周囲の気体の密度により変化することを利用。2種類の周波数を同一円筒に供給し、円筒の共振周波数の比を測定すれば、測定周波数は、密度の関数になり、外乱の影響を受けずに密度を測定できます。
図4.検出器構造
ガス密度計 GD400 仕様
測定対象 | 全てのガス (強腐食性ガスを除く) 流量: 0.1 ~ 1 L/min 温度: -10 ~ 60℃(ただし、結露しないこと) 圧力: 50 kPa ~ 588.4 kPa(abs) |
---|---|
測定原理 | 振動式(多重モード自励発振方式) |
構 造 | 検出器: GD300S;TIIS本質安全+耐圧防爆 Ex d [ia] IIB+H2T5 変換器: GD400G;屋外設置防雨形 GD400S;耐圧防爆 Ex d IIB+H2T6 |
特 性 |
・繰返し性: ± 0.5%FS 以内または± 1 g/Nm3 以内のどちらか大きい方 ・直線性: ± 1.0%FS 以内(出力レンジまたは校正レンジのどちらか大きい方に対して) ゼロ、スパンドリフト;± 3 g/Nm3/ 月以内 ・温度特性: ± 3 g/Nm3/10℃以内(周囲温度変化が 3℃ /1h以下の場合) ・応答特性(90%): 約 5 秒 ( 指示が変化し始めてから90% 指示に達するまでの時間 (ガス流量 0.6 L/min の場合) |
測定範囲 | 密度:0~6 kg/Nm3、比重:0~5 分子量:0~140 MW、濃度:0~100 vol% |
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