概要
排出される大気汚染物質の低減化は地球環境の保全や生物の生命維持に必要であり、このことへの取り組みは産業界の使命ともなっています。都市ごみ焼却場においては、焼却炉を含めた燃焼設備から排出される排ガス中のNOx、SO2、CO2、CO等の濃度を測定して、有害物質の排出を少なくする努力が払われています。都市ごみ焼却施設の排ガス中には水分やダストが多く含まれており、安定な測定を妨げます。サンプリングの豊富なノウハウが活かされた「SG1000 煙道ガス濃度計」は長期の安定稼動を実証し、好評を得ています 。
お客様の期待
- ごみ焼却場の排ガスの成分濃度を測定したい
- 人手をかけずランニングコストを削減したい
- 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい
プロセス概略
一般家庭から排出される生活ごみは、収集されて焼却場で焼却処理されます。都市ごみ焼却場では不特定多数の生活生ごみを処理するため、脱硝装置・集塵装置で処理された排ガス中には、まだ微細な粉塵や HClガスなどが含まれているのが 特徴です。ダイオキシン排出に対する規制も厳しくなり、焼却施設は近年大型化(1日の処理量:600トン)してきています。2004年1月30日付けの新聞記事によれば、2000年度の家庭ごみ焼却施設数は全国で1715ヵ所あり焼却能力は約20 万トン/日とのことです。焼却されている家庭ごみは1日平均11万トンで、余力は産廃ごみの焼却に利用しようとする動きもあるようです。
YOKOGAWA のソリューション
測定システム
- プローブ
加熱形プローブ(挿入長:1m)特注品 - 煙道ガス濃度計 (NO, SO2 , O2 )
SG1000-C-1 □□□□ ..........
フィールドデータ
- プロセス条件
測 定 点:集塵装置出口(煙突入口)
温 度:200~400℃
圧 力:-1~150kPa
ダスト量 :≦50mg/Nm3
水 分 量:10~30vol%
留意点
- 測定ガスには水分が含まれています。結露によってダストが詰まるのを防ぐため、高温温調(200℃)の加熱形プローブを使用します(ワンタッチ操作で保守可能)。
特記事項
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本装置は、高水分・高ダストのアプリケーション(事業用発電ボイラ・石炭燃焼ボイラ・汚泥焼却ボイラ等)へも展開できます。
業種
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再生可能エネルギー
社会の電源構成およびエネルギーシステムが進化を遂げようとしている状況の中、効率的なエネルギーマネジメントは、多様化するエネルギーシステムを最適化するため、今後の社会に欠かせないものとなっています。
YOKOGAWAは、再生可能エネルギー発電事業者様や各種エネルギーマネジメント事業者様へのご支援を通じて、理想的なエネルギーマネジメントシステムを創出し、持続可能な新エネルギー社会に貢献します。 -
電力
石炭、石油、ガスを燃料とする火力発電は電力発電の大半を占めています。横河電機は火力発電所向けの1,000以上の納入実績を持ち、その経験と知識からお客様へ最適オペレーションと安全性へ貢献して参ります。
関連製品&ソリューション
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煙道ガス濃度計 SG1000
赤外線分析計(NDIR)、酸素濃度計との組合せで、各種ボイラ、ごみ焼却などの煙道排ガス中に含まれるNOx、SO2、CO2、CO、O2 を5成分まで同時に連続測定します。低濃度でも安定的測定、前面アクセスでメンテナンスも容易。高感度で長期安定性に優れています。
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煙道ガス濃度計
煙道排ガス測定に必要なNOx, SO2, CO2, CO, O2の5成分の濃度を同時連続測定します。妨害ガスの干渉影響をほとんど受けず、豊富な機能で、各種ボイラや廃棄物焼却炉の排ガス濃度を低濃度でも安定測定します。