OpreX インテリジェントエッジコントローラーA8は、高性能Cortex-A53プロセッサを搭載したLinuxベースの組み込みコントローラーです。
FA-M3、e-RT3から引き継ぐ堅牢なハードウェア上に、独自の抽象化インターフェース「データストリーム」を搭載。制御対象のハードウェア仕様に影響されないプログラム構築が可能で、開発期間の短縮やアプリケーション再利用性の向上など、柔軟かつ効率的なプログラム開発を実現します。またモーション制御ライブラリやPID制御ライブラリ、EtherCAT Mainデバイスを付加仕様で選択でき、幅広い装置制御に対応します。
特長
高性能プロセッサを搭載したLinuxベースの組み込みコントローラー
ARMプロセッサ(Cortex –A53 Quad core 1.2GHz)の搭載により、高速かつ安定した制御が行えます。
装置コントローラーとしての制御機能を提供(付加仕様にて選択)
- スタンダードライセンス(付加仕様 /STN):モーション制御:8軸、PID制御:16ループ
- アドバンストライセンス(付加仕様 /ADV):モーション制御:32軸、PID制御:64ループ
- 共通:EtherCAT Mainデバイス機能(最大128個のSubデバイスと接続可能)
ハードウェアを抽象化するインターフェース「データストリーム」搭載
データストリームは、ソフトウェアとハードウェアを分離するデバイスインターフェースです。センサやアクチュエータ、通信サービスなどのデバイスが取得したデータをストリーミングし、常に最新の状態でプログラムへ提供します。
プログラムは、設定ツールでハードウェアに割り付けたデータストリームタグにアクセスします。ハードウェア構成が変わってもタグとハードウェアの割り付けを調整するだけで対応できるため、プログラムはハードウェア仕様を意識せずに記述できます。これにより、開発期間の短縮と再利用性の向上を実現します。
デファクトスタンダードな開発環境
世界中のプログラマーに広く採用されるVisual Studio Codeを開発環境に採用しました。
開発言語はC/C++言語に対応します。
設定ツール
データストリームを含む、A8の動作を決定するコンフィグレーションツールです。データストリームで扱うデータストリームタグの割付や通信設定等が可能です。このツールで生成される設定ファイルが、ハードウェアとソフトウェアを連動させます。
強固なセキュリティ機能
役割毎のアクセスコントロールに加え、プロジェクトファイルの暗号化やTPM実装によるマルウェア対策等の機能により、お客様のソフトウェア資産の保護、工場の安定操業に貢献します。

書くべきは、価値あるプログラムだけ
A8は、制御に必要な情報を一元的に管理するアーキテクチャー“データストリーム”を採用しました。データストリームはハードウェアとソフトウェアの依存関係を完全に分離し、設計・実装の並行開発を可能にします。これにより開発スピードと柔軟性が大幅に向上します。
データストリーム
データストリームとは、I/Oや通信データなどの入出力データが自動的に反映され、ユーザープログラムから統一のアクセスを行うための仕組みです。プログラムはデバイスではなく、データストリームのデバイスに紐づいたタグデータにアクセスするため、データ中心のプログラミングが可能となります。
プログラムとハードウェアの関係
従来の構造

各プログラムはデバイス専用のインターフェースでアクセス
A8の構造

各プログラムに最適化されたインターフェースでアクセス
制御アルゴリズムの構築に集中
プログラムからI/O設定やデータ取得等の、「制御アルゴリズムを動かすために必要なコード」が不要になります。
設計者は付加価値の高い制御アルゴリズムの構築に集中できます。
削減が期待できるプログラム
- サービスの初期設定プログラム
各種ハードウェアや通信など、A 固有のサービスにアクセスするためのAPIの呼び出しや手順の設定が不要です。 - イベント監視プログラム
イベント監視対象として登録したデータは、その値に変化があった場合、自動的にプログラムにその変化を通知します。 - データストリーム内のデータ転送プログラム
データ転送設定を使用すれば、プログラムを経由せずにタグ間で転送されます。
コード削減のイメージ

新たなリアルタイム制御のかたち
ノード間のコントローラー同期、そしてEtherCATデバイス間のDC同期を統合的に実現することで、±1μsの高精度な制御を可能にしました。この革新的な同期技術は、制御システム全体の時間整合性を保ちながら、複雑な動作を精密に連携させます。さらに、リアルタイム機能の搭載による安定した制御基盤と、タイムスタンプなどのメタデータ活用により、これまでにない“時間にシビアな制御”を実現します。
タイムスタンプ
データストリーム上の全てのデータにタイムスタンプが付きます。
タイムスタンプをイベントトリガーに使用できるため、相対的な“時間”ではなく、絶対的な“時刻”に基づく処理ができます。
イベント監視のためのタイマーやカウンターが不要なり、プログラムがシンプルになるだけでなく、CPU負荷も削減します。

コントローラー間時刻同期
時刻同期機能を持ったコントローラー間通信により、最大16台のA8間での時刻同期が可能です。
本機能により同期されたA 間では、自CPU処理に他CPUで更新されたデバイス情報を時系列で分析できるため、デバイスの変化のみを捉える従来の制御では実現できなかった分散制御を実現可能です。

世界標準のネットワークを採用
世界中の工場で広く採用されるOPC UAとEtherCATを採用しました。OPC UAによる上位システムとのセキュアな連携とともに、EtherCATによるリアルタイム制御を提供します。

制御セキュリティ
お客様の安定操業、そしてソフトウェア資産を守るため、安心のセキュリティ機能を用意しています。役割に応じたログイン権限設定に加え、マルウェアや高度なサイバー攻撃に対する対策としてTPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)を実装しています。
外部からの脅威に対して強固な防御を提供するとともに、今後ますます厳しくなると予想される製造装置のセキュリティ要件にも柔軟に対応できる設計となっています。

About OpreX
OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Control配下のOpreX Control Devicesに属します。
詳細
ドキュメント&ダウンロードに関する注意事項(「A8ユーザー登録」が必要)
製品コンテンツ(ドキュメント&ソフトウェア)は、横河電機会員サイトCustomer Portal(要、会員登録)より、ダウンロードできます。
製品購入後、本ページの右上部にある「A8ユーザー登録」より、製品の登録をお願いします。
注意:
- 製品コンテンツをダウンロードするためには、横河電機会員サイト「Customer Portal登録」と「A8ユーザー登録」の両方が必要になります。
- Customer Portal内で、コンテンツを検索する場合は、「A8」を検索キーワードに指定してください。
ソフトウェア:<https://myportal.yokogawa.com/s/downloads>
ドキュメント:<https://myportal.yokogawa.com/s/documents>
製品情報 :<https://myportal.yokogawa.com/s/product-information>
一部のドキュメントは、製品情報の「A8ドキュメントリスト」からのみダウンロードできます。

本ページ下部の「ドキュメント&ダウンロード」で、コンテンツ(一部)へのリンクを示しています。
CADデータは、「外形図」より、ダウンロードできます。
ドキュメント&ダウンロード
カタログ
- A8 OpreX インテリジェントエッジコントローラー (4.7 MB)
取扱説明書
- A8 ご使用にあたって (252 KB)
- A8 製品の有害物質使用制限管理について (174 KB)
- A8 ハードウェア取扱説明書 ※要A8ユーザー登録
- A8 CPUモジュール取扱説明書 ※要A8ユーザー登録
一般仕様書
- A8 概要 (4.1 MB)
- A8 規格認定/適合モジュール (85 KB)
外形図
- A8 A8HPU 電源モジュール 2D CAD (12.8 KB)
- A8 A8HPU 電源モジュール 3D CAD (258.5 KB)
- A8 A8HCA CPUモジュール 2D CAD (11.0 KB)
- A8 A8HCA CPUモジュール 3D CAD (454.3 KB)
- A8 T9132AA エンドプレート 2D CAD (5.9 KB)
- A8 T9132AA エンドプレート 3D CAD (33.2 KB)
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