
※本記事では、所属する組織ではなく、個人の見解として語っていただきました
※所属や役職は記事制作時(2025年11月)のものです
リーダーは先に歩き、楽しむ姿を見せる
日本企業が若者世代への理解に苦心している中、金間教授が注意喚起するのは「いかに若者にがんばってもらうか」という旧来の考え方だという。
「上司は若者に興味を持たないぐらいが良いですね。興味の対象は、自分自身や、自分がやっていること、そして未来であるべきです。若者に対してではありません」
さらに、企業は若者に何かをやらせようと圧をかけがちだ。この圧こそが逆効果だと、金間教授は指摘する。
「今の上司は、とかく嫌なこと、自分ができないこと、会社としてやってほしいことばかりを若者に振っています。『挑戦しなさい』とか、『若いうちはたくさん苦労するべきだ』と言った瞬間に、若者は自己防衛に徹します」
では、どのような上司の在り方が理想なのだろうか?
「まずは上司自身が、現役選手として楽しむこと。上司が楽しみながら、『来年はこんな挑戦をしたいんだよ』とか、『ちょっと一緒にやってみない?』『手伝ってくれない?』などと誘う。自分がやりたいことを語ることによって、若者は『だったらやってみよう』と思えるのです」

玉木は、「僕は基本的に、自分がやりたくないことは人にやらせない。まずは自分がやってみたり、自分が楽しまないと、やる気にならないですから。やりたくないと思うタスクは、やりたいというお題に変えて人に渡します」と話す。
第1世代から未来共創イニシアチブのメンバーである佐々木史子(人財総務本部マネージャー)も、玉木の言葉にうなずいた。
「未来共創イニシアチブの場合、全員がこの活動に興味を持って集まっています。自分がやりたいことを楽しみながら実践しているリーダーである玉木がいて、ちょっと手伝ってみると私たちも面白さを感じられる仕組みがある。自ら選択した役割を通して、私たち自身も成長しています」

伴走しながら、対話する
玉木は、シナリオアンバサダーと1対1の対話を積極的に行い、キャリアや本業での悩みなども聞いてきた。金間教授は、若者の横で伴走する玉木の姿勢に共鳴する。
「玉木さんは、自分のやりたいことを先に相手に伝えていますね。僕は、これが大事だと思っています。若者は興味のあることに反応できるからです。お互いが向かい合うのではなく、同じ方向を向きながら、『僕はこれをやりたい。一緒にやってみる?』という姿勢。これによって、相手は安心感を持って取り組めます」

一方で、金間教授は伴走の難しさについても述べた。
「伴走すると、相手の興味や強みもよく分かってきます。ただ、伴走するには相当なエネルギーが必要で、全ての若者に伴走することはできません」
働きがいを刺激するストーリーテリングとは
若者からの共感を得る工夫として、金間教授は「ストーリーテリング」の重要性を強調した。
「よく会社の壁に社史などが掛けられていますが、あれがストーリーです。しかしストーリーだけでは駄目で、『テリング』こそが必要です。生身の人であるストーリーテラーが語り、感情が乗れば、高揚感も合わせて伝わる。そこに若者は共感します。結果的に働きがいが刺激され、『一緒に仕事をしたい』と思えるのです」
金間教授は、ストーリーテリングは国境を超えて伝える力があると言う。ところが、日本企業はストーリーを持っていながら、それを語るストーリーテラーの価値を重視していない。だからこそ、共感を得るためには、上司や部下の間、あるいはチームの中で語ることが大事なのだ。
未来共創イニシアチブにおけるストーリーテラーは、玉木である。彼は成功者のストーリーや武勇伝ではなく、自身やYOKOGAWAの先輩たちの経験や想い、そして価値についても語ってきた。金間教授は言う。
「玉木さんは、これを自然にやっています。一つのお手本ですね(笑)」

映画の試写会のように
玉木自身は、上司と部下が同じ方向を見ることの意義を、実際に役員向けのプレゼンテーションの場で経験したという。それまでは、プレゼンの内容を評価してもらう目的で実施していたが、映画の試写会のような形式に変えてみたところ、大きな変化を感じた。
「一般的に、役員は『意思決定』か『レビュー』か、というモードのシチュエーションが多い。でも、この時には、あえて異なるモードで対峙することの重要性を唱え、役員の皆さんにも『映画を一緒に見るような感覚で参加してください』とお願いしてみました。すると、今までに経験したことがないほど、多くの建設的な提案をいただけたのです」
このエピソードに自身が伝えたい内容が集約されていたのか、金間教授はこう口にした。
「本当にその通りです。玉木さんが言ったさっきの言葉が、この記事の最初に来ればいいのではないでしょうか(笑)」
最後に、未来共創イニシアチブについて金間教授が語った言葉を紹介する。
「YOKOGAWAは、働きやすさに関して日本最高峰の企業だと思います。ストレスが低く、人も良い。これに、さらなる価値を加えようとしているのが、未来共創イニシアチブだと思います。今後、どこまで一人一人をプラスの方向に伸ばせるか――その挑戦の仕組みではないでしょうか」

左から:玉木 伸之(YOKOGAWA)、金間 大介教授(金沢大学)、佐々木史子(YOKOGAWA)
通常は、実行する側と評価する側で、仕事が成り立っている。しかし、イノベーションなど挑戦系の仕事では、評価する側も答えを持っていない。そんな時こそ、リーダーも同じ方向を向いて、楽しみながら語り、一人一人の違った視点で若い世代と伴走することが大事なのだ。
個々の能力や興味は、十人十色。未来共創イニシアチブは、「個」の違いを活かし、働きがいを生み出す場として、これからも挑戦を続けていく。

金間 大介(かなま・だいすけ)
金沢大学 融合研究域教授
一般社団法人WE AT副代表理事
一般社団法人日本知財学会理事
趣味:水泳、スキー、ドライブ、映画鑑賞。(でも一番は)研究
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