
グループ・ディスカッション:世代と業種を超えた対話
第25回GPP講演&ワークショップ開催レポート(全3回)の最終回は、「2040年の世界:4つのシナリオ」を題材として、参加者たちがグループに分かれて行ったディスカッションの様子をお伝えする。
約45分の議論の後、各グループの代表者は、それぞれの気づきや、未来への対応についてディスカッションし、その内容について発表した。その内訳は、人口問題、AI活用からクラフトマンシップ、宗教による行動変容、世代間交流、バリュー・ネットワーク、地政学リスクなど、実に多様な意見だった。その一部を紹介する。

「日本はAIの社会実装が進んでいない。しかし、人口減少や高齢化などの課題先進国だ。課題解決にあたり、日本の技術をどう使うか? その実験場としては非常に良い環境なので、その取り組みに挑戦し、日本の産業力の強さを取り戻せるといい」
「今の延長線上では製造業に未来はないというが、日本は経済複雑性の指標では世界トップをキープしている。その競争力を支えている日本の職能・技能を伝承する必要がある。経験や技能を持った人がAIを使いこなせば、日本の製造業が生き残る可能性はあるのではないか?」
「AIがさまざまなものをつくれるようになったとしても、人間がつくるものを望む人は必ず出てくる。例えば、音楽をダウンロードして手軽に入手できるようになったが、海外の有名歌手のコンサートには何十万払ってでも行く。江戸切子などの工芸品もロボットでつくれるが、職人がつくったものは10倍、100倍の値段で買いたい人がいる」
「人間がAIに取って代わられ、労働する必要がなくなると、人はどうやって生きていくのか? 人と人との出会いがなくなったり、経験や失敗の機会がなくなったりすると、人生に面白みがなくなり、人間は成長しなくなるのではないか」
「人口が激増する中、宗教の軸は大きなインパクトをもたらすのでは? キリスト教だけではなく、イスラム教の影響が大きくなると、行動や経済活動のパターンも変わっていくだろう。またこれからは、世代間よりもリテラシーやモラルのレベルに軸を持つべきではないか?」

イギリスとサウジアラビアから参加したメンバーからは、次のような意見も出た。
「今回、発表された未来シナリオは、組織の成長戦略について経営層との対話ができるツールだと思います。また、共創型リーダーとしての素養が言語化されているので、人的資本の議論でも有用だと感じました」
「企業活動はボーダーレスだけれども、その規則作成は国単位です。例えば、AIなどの地球レベルで考えなきゃいけない課題は、世界全体での枠組みがまだない。その枠組みづくりの方法として、地球メタバースのような空間で考え、世界共通の精神に響くナラティブを使って活用し、AIの規則作成を議論するような未来を考えました」
未来共創イニシアチブは「ネバーエンディングジャーニー」
イベントの終盤では、早稲田大学GSRI所長のマレン・ジョエル・ベーカー准教授が、次のように言葉を添えた。
「シナリオのメガトレンドは私たちに影響しますが、私たちの行動もメガトレンドに影響します。マクロからミクロへの影響だけではなく、ミクロからマクロの影響も忘れないでいただきたい」

今後のGPPについて、参加者から次のような質問が挙がった。
「この活動には終わりがあるのですか?」
それに対し、池上教授はこう答えた。
「今、私たちが見ている未来は今後も変化を遂げていくので、終わりのある方がおかしいかもしれません。つまりGPPは、分岐・発展・収れんしつつも続く『ネバーエンディングジャーニー(終わりなき旅)』であると思っています」
最後に、横河電機 執行役 人財総務本部長の朝長正隆が、締めくくりの挨拶に立った。
「未来共創イニシアチブは、若手が主体となって推進する取り組みです。今日のGPPイベントのような場で、多くの企業、アカデミア、団体とつながることが大事だと思っており、本日、その重要性を再確認しました。池上先生から『ネバーエンディングジャーニー』というお話もありました。主催者としても”ネバーエンディング“を目指していきたいと思いますので、引き続きご協力をお願いいたします」

今回のイベントは、海外に在住する有識者のオンライン参加も含め、50名以上の参加があった。2021年の発足以降も、世界の情勢は刻一刻と変化し続けている。
不確実な時代だからこそ、産官学、世代、国を超えて、「個」でつながるGPPのような共創的活動のコミュニティは、ますます価値を増し、求められていくだろう。
「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」――この Yokogawa’s Purposeの通り、私たちはGPPを通じて、自律と共生で持続的な価値を創造し、地球規模で考える未来社会の一員として、課題解決をリードする活動を目指していく。

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インタビュー
「未来共創イニシアチブ」に関わる社内外の関係者が、対話を通じ、多様な視点で語る活動の価値や意義

活動概要
シナリオプランニングを活用した次世代リーダー育成と、境界を超えた共創ネットワーク構築を目的とした活動の紹介

活動への想い
「正解のない時代」に生まれた、活動発足の背景や志

未来シナリオ
未来を担う若手社員たちが、シナリオプランニングと共創的な対話で描いた「未来シナリオ」

シナリオアンバサダー
YOKOGAWAの各部門から選ばれたミレニアル世代中心のシナリオアンバサダー紹介と成長や学び

未来共創ネットワーク
YOKOGAWAグループ内外のサポーターやパートナー、個社と緩く繋がり、産官学連携で築くネットワーク

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米国発テックカルチャー・メディア『WIRED』に掲載された、「未来共創イニシアチブ」の英文記事
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