代替機種はありません。
この無線騒音監視システムは、無線通信規格 ISA100.11a*1 に準拠した無線騒音計を活用した HSE ソリューションです。タービンやコンプレッサなど大きな騒音を発生する機器が設置されたプラントなどの現場で、時間ごとの騒音の分布を監視し、リアルタイムにノイズマップで可視化します。サウンドレベルに応じて作業者の立ち入り時間に上限を設けることで、健全で最適な作業スケジュールを計画できます。また、ノイズマップを使用せず、無線騒音計で測定されたサウンドレベルをレコーダーやロギングソフトウェアに表示、記録することも可能です。
*1: 国際計測制御学会(ISA: International Society of Automation)のインダストリアルオートメーション用無線通信規格 ISA100.11a
About OpreX
OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Measurement配下のOpreX Field Instrumentsに属します。
詳細
特長
無線騒音監視システムは、WN100 無線騒音計と WN30 ノイズマップソフトウェア*2 で構成します。
WN100 はサウンドレベルのポイント測定などの用途として、GX20 ペーパレスレコーダ、GA10 データロギングソフトウェアなどにサウンドレベルの表示や記録することができます。この場合は WN100 は 1 台からの構成になり、WN30 無しでも運用できます。また、WN100 は 1/3 オクターブバンドのスペクトル分析機能*3 を有しています。
WN30 と組み合わせた無線騒音監視システムは、プラント内などの環境に配置した複数の WN100 がサウンドレベルを測定し、YFGW410 フィールド無線用管理ステーション、OPC サーバーを介して PI Server*4 へ送信します。WN30 サーバーが、PI Server にあるデータをもとにノイズマップを生成します。中央制御室やオフィスなど様々な場所にあるコンピュータから、ウェブブラウザを使ってプラントの現在および過去のサウンドレベルをカラースケールや数値にて把握することを可能にします。
*2: WN30 は2020年12月に販売を開始しました。
*3: 1/3 オクターブバンドの表示には WN30 が必要です。WN30 を使用せず 1/3 オクターブバンドの表示するためのソフトウェアは 2021 年リリースを計画しています。
*4: 長期間のデータ保存が必要でない場合は、PI Server なしで動作することも可能です。
*5: WN100とYFGW520(またはYFGW510)アクセスポイントはISA100.11aで接続します。
(WN100 無線騒音計のイメージ)
1. WN100無線騒音計の特長
WN100 は IEC61672 に準拠した 3 つの周波数重み付きサウンドレベル(LAeq,T、 LCeq,T、 LCpeak)を測定します。
バッテリー駆動で保護等級 IP55 の防塵、防水性能を有しており、屋外への設置も可能です。工場内のタービンやコンプレッサなどの大きな騒音を発生する現場の騒音や工場周辺の環境騒音の常時監視に利用できます。また,1/3 オクターブバンドのスペクトル解析*3 も可能です。サウンドレベルの変化と合わせて周波数の変化を通常動作時と比較することで機器の故障検知への活用もできます。
WN100 専用の防振ステージは設置環境から WN100 に伝わる振動の影響を低減します。特に測定するサウンドレベルが低いときに効果があります。
日本防爆規格:本質安全防爆対応品は 2021 年 4 月販売予定です。
2. 作業員の健康*6
作業現場に向かう前にノイズマップを表示することで、作業員はその場所でのサウンドレベルをリアルタイムで確認でき、予想されるサウンドレベルに合わせて設計された耳栓やイヤーマフを持ち込むなどの必要な予防策を講じることができます。 彼らが難聴になることなく、その場所に留まることのできる時間の見積もりに活用できます。
*6: WN30 を使用したアプリケーション
3. 作業計画の設計*6
各国の労働安全関連の法律とガイドラインは、特定のサウンドレベルに従業員がさらされる時間を制限することにより、難聴を防ぐのに役立ちます。 ノイズマップを使用して、適切な作業スケジュールを設計できます。
4. 配線コストの削減
このシステムは無線通信規格 ISA100.11a に準拠しています。 従来の有線システムと比較してこのシステムは、センサーの配線が難しい場所の、広い範囲に設置する必要があるアプリケーションに適しています。 多くのセンサーを備えたシステムであっても、設置コストは低くなります。
ノイズマップ
Video
WN100 仕様
詳細仕様につきましては、一般仕様書をご参照ください。
無線仕様 | 通信プロトコル | ISA100.11a(IEEE802.15.4 )準拠 |
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通信レート | 250 kbps | |
周波数帯域 | 2400 - 2483.5 MHz | |
無線セキュリティ | AES 128 bit 暗号化 | |
出力電力 | 8.0 dBm 未満 | |
アンテナ | + 2 dBi 無指向性アンテナ | |
性能仕様 | 周波数重み付き サウンドレベル |
測定パラメータ: LAeq,T(A 特性時間平均サウンドレベル) LCeq,T(C 特性時間平均サウンドレベル) LCpeak(C 特性ピークサウンドレベル) |
レベルレンジ: ノイズフロアから最大レベルまでの範囲として規定 1 kHz の正弦波電気信号入力時 LAeq,T: 60 dB ~ 140 dB LCeq,T: 70 dB ~ 140 dB LCpeak: 80 dB ~ 143 dB |
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直線動作範囲: IEC 61672 class 2 に準拠 1 kHz の正弦波電気信号入力時 LAeq,T: 75 dB ~ 140 dB LCeq,T: 80 dB ~ 140 dB |
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測定精度: IEC 61672 class 2 の周波数重み付け特性に準拠 水平面全方向から正弦波音響信号入力時の平均値 LAeq,T: 周波数重み付け特性A の受容限度値内 LCeq,T: 周波数重み付け特性C の受容限度値内 |
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スペクトル分析 | 1/3オクターブバンド中心周波数: 25 Hz ~ 16 kHz( 29 バンド) |
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レベルレンジ: ノイズフロアから最大レベルまでの範囲として規定 25 Hz ~ 8 kHz バンド: 60 dB ~ 140 dB 10 kHz,12.5 kHz バンド: 65 dB ~ 140 dB 16 kHz バンド: 70 dB ~ 140 dB |
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測定精度: 水平面全方向から正弦波音響信号入力時の平均値 40 Hz ~ 2 kHz バンド: ± 3 dB 25 Hz、 31.5 Hz、 2.5 kHz ~ 16 kHz バンド: ± 5 dB |
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測定時間間隔 (測定周期) |
10 秒~ 600 秒の範囲で設定 | |
電源仕様 | バッテリーパック | 専用バッテリーパック 塩化チオニルリチウム電池 2 本使用 |
電池寿命 | 下記条件において約 2 年 ・測定間隔 1 分 ・周囲温度: 23 °C ± 2 °C ・サウンドレベル測定:LAeq,T、 LCeq,T、 LCpeak のみ |
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設置環境 | 周囲温度 | 動作時:- 20 ~ 70 °C 保管時:- 25 ~ 70 °C |
耐振動 | 設置環境から無線騒音計へ伝わる振動はサウンドレベルの測定に大きく影響します。専用の防振ステージを使うことで、一般的なオフショアプラットフォームで発生する4 m / s2rms 程度の振動に対して、LAeq,T は 65 dB 程度の下限値まで測定できます。 | |
水平姿勢 | 防振ステージの許容傾き角度:± 6 ° | |
保護等級 | 保護等級 | IP55 |
適合規格 | 電波法 | 工事設計認証(日本); 証明規則第 2 条第 1 項第 19 号 認可番号:007 - AH0275 |
防爆 | 日本防爆規格:本質安全防爆 ※ 2021 年 4 月販売予定 ATEX、IECEx 本質安全防爆 |
ドキュメント&ダウンロード
カタログ
- 無線騒音監視システム (1.0 MB)
取扱説明書
- WN100 ISA100 DTM (5.1 MB)
一般仕様書
- WN100 無線騒音計 (1.2 MB)
- WN30 ノイズマップソフトウェア (1.4 MB)
ソフトウェア
- フィールドバス DD/CF ファイル - WN100 無線騒音計 (78 KB)
外形図
- WN100 無線騒音計 (912 KB)
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