2025年6月19日発表
横河電機株式会社の主力製品の一つで、幅広いプラントや産業プロセスの自動制御に新時代をもたらした分散形制御システム(DCS)の先駆けである「CENTUM(センタム)」が、本日で発表から50周年を迎えました。
1975年6月に世界初のDCSとして発表された「CENTUM」は、プラント制御管理のあり方に変革をもたらし、最新機種は10世代目となります。マイクロプロセッサと非アナログCRTインターフェースを採用した制御システムとして、「CENTUM」は世代を重ねるごとに進化を続け、小型化と高機能化を実現し、生産に関わるあらゆる機能と情報を統合する能力を獲得してきました。「CENTUM」の拡張性と相互運用性は、大規模で複雑なプラントへの対応を可能としました。独自のペア&スペア二重系照合方式※1の設計により「CENTUM」は卓越したシステム可用性という伝統を守り続け、今日ではデジタル時代の最新機器やデバイスとシームレスに接続し、より広範な制御監視を可能にしています。
横河電機 代表執行役社長 重野 邦正は次のように述べています。「今日、産業界は持続可能な社会の実現に向けて大きな変革期を迎えています。安全性や効率性の更なる向上、デジタル化の推進、脱炭素への対応など、制御技術への期待はますます高まっています。今や「CENTUM」はDCSという枠を超えて、さまざまなビジネスのニーズに応えるソリューションへと広がりを見せています。私たちはこれからも安心・安全という変わらぬ価値と、変革のための新たな価値を提供し、産業の未来を支えてまいります」。
「CENTUM」は進化を続け、信頼性、安定性、継承性を備えた運転制御の中核システムとしてプラントの生産性向上に貢献してきました。当社は今後も「CENTUMシリーズ」が受け継いできた価値を守りつつ、サステナビリティとイノベーションを追求し、自律操業に向けた未来の産業を支える技術を提供してまいります。
※1 ペア&スペア二重系照合方式:プロセッサモジュールに2つのMPU(マイクロプロセッサユニット)を実装し、同時に同じ制御演算を実行しています。2つのMPUからの出力値を常に比較・照合しています。制御側プロセッサモジュールの2つのMPU間の演算結果に違いが発生した場合には、瞬時に待機側のプロセッサモジュールに制御を切り替えます。このような仕組みによって、制御演算のエラーがプロセス制御に与える影響を最小化しています。
以上