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ナノデリバリーイメージングシステムご活用例

ナノデリバリーイメージングシステムご活用例

  • 相分離性タンパク質のデリバリーと核内構造体形成の可視化
  • 人工抗体(モノボディ)の核内デリバリーと液-液相分離破壊の観察
  • 抗体デリバリーによる細胞内分子/オルガネラの免疫染色
  • 化合物のデリバリーと核移行の観察

 

相分離性タンパク質のデリバリーと核内構造体形成の可視化

筋萎縮性側索硬化症や前頭側頭型認知症などの神経変性疾患では、相分離制御の異常が起こることが報告されています。FUS(Fused in Sarcoma)は、細胞内で相分離を起こすタンパク質の一つであり、これらの神経変性疾患に関連すると考えられています。

従来、FUSの解析は、遺伝子を細胞に導入して発現させる方法が一般的でしたが、細胞質で翻訳された直後のFUSタンパク質の動態をリアルタイムに解析することには制限がありました。本実験では、FUSタンパク質そのものを細胞内に直接送達した場合の即時的な細胞内応答を検証するために、SU10を用いてGFP-FUSを細胞質内へデリバリーし、CSU-W1によるライブセル観察を実施しました。

結果、GFP-FUSが細胞質から核へ移行し、核内で構造体を形成する様子をリアルタイムで可視化することに成功しました。この結果から、SU10とCSUの併用により、遺伝子発現を介さずに、相分離性タンパク質の細胞内挙動を可視化できることが示されました。

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データご提供:奈良県立医科大学 七浦 仁紀 先生、立命館大学 萬年 太郎 先生、徳島大学 齋尾 智英 先生

実験条件

細胞 U2OS
送達物質 GFP融合Fused in Sarcomaタンパク質 (GFP-FUS)
対物レンズ 60x
露光時間 200 ms

ご使用者様の声
SU10による細胞内デリバリーとCSUの高速撮影により、相分離性タンパク質FUSの細胞内挙動を観察できました。神経変性疾患の原因解明につなげていきたいです。

 

人工抗体(モノボディ)の核内デリバリーと液-液相分離破壊の観察

モノボディは、人工的に設計された抗体様タンパク質です。本実験では、核内液滴に関与する分子へ結合し、その相分離を阻害するよう設計されたモノボディを用いました。SU10を用いて、このモノボディを直接核内へデリバリーし、細胞内における液-液相分離を阻害できるかを検証しました。その際、送達直後の細胞応答をリアルタイムで捉えるため、CSU-W1によるライブセル観察を実施しました。また、溶液送達の成否を確認するトレーサーとして、蛍光標識タンパク質(Alexa Fluor™ 405標識ストレプトアビジン)を同時にデリバリーしました。

結果、コントロールモノボディを送達した群では、デリバリー後も核内液滴が維持されました(左図:Control monobody)。一方、標的分子RAD23Bに対するモノボディを送達した場合には、液滴状の蛍光シグナルが消失しました(右図:RAD23B monobodyおよび動画)。これらの結果から、SU10によるモノボディの核内デリバリーにより、細胞内の液-液相分離を直接的に阻害できることが示されました。

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データご提供:東京大学医科学研究所 佐伯 泰 先生、東京都医学総合研究所 遠藤 彬則 先生

実験条件

細胞 HCT-116変異株
送達物質 anti-RAD23B monobody&Alexa Fluor™ 405標識ストレプトアビジン
対物レンズ 60x
露光時間 300 ms

ご使用者様の声
低分子人工抗体モノボディはさまざまな用途で有用な研究ツールです。しかし、細胞への導入が難しく、細胞生物学的な研究への適用が遅れています。SU10を使用し、細胞質や核内に直接モノボディをデリバリーすることで、時間解像度の高い解析ができました。SU10により、モノボディなど有用な研究ツールの適用が進むことを期待しています。

 

抗体デリバリーによる細胞内分子/オルガネラの免疫染色

SU10は、免疫染色に用いられる抗体を、生細胞に直接デリバリーすることが可能です。本実験では、SU10を用いてミトコンドリア外膜に局在するTOMM20に対する蛍光標識一次抗体を細胞質内へデリバリーし、CSU-W1によるライブセル観察を実施しました。

デリバリー直後は、送達部位周辺に強い蛍光シグナルが認められ、その後、細胞質全体へと拡散し、数分間でミトコンドリアの染色像を観察することができました。本手法では、従来必要とされてきた膜透過処理や余剰抗体の洗浄などの操作を一切行っていません。この結果から、SU10による抗体の直接デリバリーとCSUによる高速ライブセルイメージングにより、迅速かつシンプルに生細胞内構造を可視化できることが示されました。

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実験条件

細胞 HeLa
送達物質 Alexa Fluor 647標識 anti-TOMM20 antibody, 0.25 mg/mL
対物レンズ 60x
露光時間 300 ms

 

化合物のデリバリーと核移行の観察

蛍光プローブは、細胞内で起こる生命現象をリアルタイムに解析するための有用なツールですが、すべてのプローブが生細胞膜を透過できるわけではありません。 SU10は、生細胞膜を透過しない物質であっても、細胞質や核内へ直接デリバリーすることが可能です。したがって、SU10を用いて蛍光プローブを細胞内へ送達することで、膜透過性に依存することなく、簡便にライブセル解析を実施できます。

本実験では、ヒストン結合能を有する一方で膜透過性が低い化合物の細胞内挙動を検証するために、SU10を用いてFITC標識した当該化合物を細胞質内へデリバリーし、 CSU-W1によるライブセル観察を実施しました。

結果、化合物は細胞質への送達直後から速やかに核内へ移行し、ヒストンに結合する様子をリアルタイムで観察することができました。この結果から、CSUとSU10を併用することで、わずか数秒の細胞内イベントまでもリアルタイムに可視化できることが示されました。

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データご提供:東京大学大学院 薬学系研究科 川島 茂裕 先生

実験条件

細胞 HeLa S3
送達物質 化合物 (FITC標識、低膜透過性、ヒストン結合性)
対物レンズ 20x
露光時間 50 ms (180 ms間隔)

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