横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

2019年横河技報[Vol.62 No.2]

No.2 IT/OTコンバージェンスに対する横河の取り組み 特集

巻頭言 プラントにおけるAI 活用 (PDF:546KB/2ページ)

  • 山下 善之*1

*1 東京農工大学大学院 工学研究院 教授


デジタルトランスフォーメーションを産み出すIT/OTコンバージェンスとYOKOGAWAの取り組み (PDF:727KB/4ページ)

  • 金澤 明*1
  • 崎田 智博*1

*1 横河ソリューションサービス株式会社 ビジネスマーケティング本部

   昨今,DX(デジタルトランスフォーメーション)の話題が注目を浴びているが,主としてデジタルデータ自体が産み出す(IT: Information Technology)インテリジェンスにフォーカスされることが多い。一方,製造分野においては,このインテリジェンスを各専門分野の有識者が“ 腹落ち”し,操業(OT: Operational Technology)に適用することで,はじめてDXとしての価値が産み出されている。
   即ち,ものづくりの現場では,ITとOTを融合(コンバージェンス)させ,DXを最大化していくための取り組みが必要であり,YOKOGAWAはお客様との数多くの共創プロジェクトから,この技術やノウハウを磨いてきた。本特集号では,このIT/OTコンバージェンスにおける横河の取り組み,要素技術ならびにソリューション事例を紹介する。


センスメイキングを実現するIIoTソリューション“Sushi Sensor” (PDF:26662KB/8ページ)

  • 北島 昭郎*1
  • 杉崎 隆之*1

*1 IAプロダクト&サービス事業本部 インフォメーションテクノロジーセンター CX事業戦略部

   横河電機が提唱するデジタルトランスフォーメーション(以下,DXという)では,データをどのように集め統合していくかを示すデジタイゼーション(Digitization),データをどのように活用していくかを示すデジタライゼーション(Digitalization),そしてこれらのステップを経て企業,ビジネスの在り方の変革を達成することができると考える。
   この論文では,DX のそれぞれのステップにおいてデータを収集する「センシング」と,データに価値を付加する「センスメイキング」の重要性を説明し,お客様の設備保全の問題を解決するソリューションとしてSushi Sensorを紹介する。また,Sushi Sensor の具体的なアプリケーション例からお客様のメリットについて言及する。さらに,Sushi Sensor によるセンシング,センスメイキングは,設備保全の業務効率向上に留まらず,運転データとの融合により,製品品質を向上させることができる。これによりDXを実現し,最終的にはプラント全体,プラント間,そして企業全体の改革推進に貢献できることを論じる。


産業用IoT向けSushi Sensor温度センサ・圧力センサ (PDF:3304KB/6ページ)

  • 落合 覚*1
  • 山口 昇*1
  • 神谷 光弘*1
  • 岡田 篤典*1

*1 IAプロダクト&サービス事業本部 インフォメーションテクノロジーセンター CX開発部

   横河電機はプラントの設備保全性の向上に向けた産業用IoT(Internet of Things)向け無線ソリューション「Sushi Sensor」の第二弾として,無線圧力センサと無線温度センサを開発した。これらのセンサは分離型構造を採用し,XS110A無線通信モジュールと,XS530圧力測定モジュールもしくはXS550温度測定モジュールの組み合わせからなる。本稿では,分離型構造を採用した背景と本質安全防爆を満足する無線圧力センサと無線温度センサを実現した技術を紹介する。


お客様との“価値共創”によるデータの“インテリジェンス化”への挑戦 (PDF:1996KB/6ページ)

  • 林 俊介*1
  • 真木 智貴*2
  • 新堂 陽平*2
  • 横地 裕*3

*1 横河ソリューションサービス株式会社 ソリューション技術本部 第1エンジニアリングセンター
*2 横河ソリューションサービス株式会社 ソリューションビジネス本部 コンサルティングセンター
*3 横河ソリューションサービス株式会社 コーポレート本部 開発センター

   従来,日本の製造業は“KAIZEN”活動により,継続的な効率化,品質向上活動に取り組み,成果をあげてきた。さらに,昨今の労働力の減少,原料コスト等の高騰,グローバルエリアでの競争激化に打ち克つために,運転データのインテリジェンス化を行い,改善活動,新たな価値を創造する活動が益々注目を集めている。この活動においては,IoT(Internet of Things)の進展により現場から多種多様な大量なデータが取得され,さらに解析技術の進歩,汎用化により簡単に新たな価値を発見することができるようになってきている環境の中で,このアプローチで効果を最大化するためにはユーザとデータサイエンティスト(ベンダー)が一体となり,新しい価値を創造していくこと(共創)が非常に重要なポイントと認識されつつある。
   本稿では,今後の共創活動の参考にしていただくために,ユーザとYOKOGAWAとの二つの共創事例について紹介する。また,本格的なIoT時代到来に備え,ITとOT(Operational Technology)データの価値共創プラットフォーム産業用IoTデータロギング&ダッシュボードについても紹介する。


デジタルトランスフォーメーション時代におけるフィールドワークサポート (PDF:1130KB/6ページ)

  • 青野 裕*1
  • 石川 武弘*1
  • 安藤 友太*2
  • 長澤 英治*1

*1 横河ソリューションサービス株式会社 ソリューションビジネス本部 コンサルティングセンター
*2 デジタルエンタープライズ事業本部 プレミアムソリューション&サービス事業部 高度ソリューションセンター

   防爆エリアを含めた工場の現場などで機器の点検やメンテナンスを行う場合,従来はフィールドエンジニアが2人1組で実施していた。これは,計器室にいるエキスパートからアドバイスを得ることや,その時の機器の状態を示す測定値やメンテナンスに必要なマニュアルなどを参照することが,現場ではできなかったことに起因する。しかし,IT技術の進歩により,現場に持ち込む端末などを利用して,画面も含めて計器室にいるメンバと通信することができ,リアルタイムにプロセスや機器のデータを参照することができるようになった。このようなことにより,現在フィールドワークの形態が大きく変わりつつあると言える。本稿では,フィールドワークをサポートする技術やソリューションを紹介するとともに,それらを使ったフィールドワークの事例を紹介する。


仮想現実プラントを活用した運転員・保全員の統合トレーニング環境 (PDF:1378KB/4ページ)

  • 佐々木 耕*1
  • 内藤 優太*2
  • プラシャント ブシェット*2
  • 高橋 博文*3

*1 グローバル営業&業種マーケティング本部 MA&ダウンストリーム・ケミカル営業センター ダウンストリーム・ケミカル部
*2 デジタルエンタープライズ事業本部 事業企画センター ソリューション開発部
*3 Yokogawa Saudi Arabia Company,Process Solution Division

   プラントの運転員を対象とした運転教育,および保全員を対象とした保全教育は,現在Off-the-job Trainingの場合,別システム,別シナリオを使って個別に実施されている。On-the-job Trainingの場合は,先のシステムはオンラインでは使用できないため,熟練運転員や熟練保全員が現場に同行するか,別の業務支援システムを導入している。そこで横河電機は,既存のダイナミック・プロセスシミュレーション技術に,最新の3D可視化技術を組み合わせることで,運転教育,保全教育の両方に使えるトレーニング環境を開発した。また,運転・保全の単独・協調トレーニングシナリオを構築するコンサルティングサービスも開発した。


現場の実情調査から導き出した最適解
つながる,つなげる時代の工場・プラントのサイバーセキュリティ対策 (PDF:1714KB/6ページ)

  • 関戸 孝*1
  • 土居 昭一*1
  • 飯島 克典*1
  • 林 健太郎*1

*1 IAシステム&サービス事業本部 ライフサイクルサービス事業部 市場開拓部

   Industrial Internet of Things (IIoT)をビジネスに利用する取り組みが活発になってきている。さまざまなシステムがネットワークにつながり,そのネットワークを介して,あらゆるデバイスがつながっていく。IIoTの世界観では,デバイスに限らず国内外の工場間通信も,会社の垣根を越えてつながっていく。IIoTにより機器がネットワークにつながることは,新たなビジネスが生まれるチャンスであるが,一方で,つながりがもたらす新たな脅威や課題へのチャレンジでもある。
   YOKOGAWAでは,IIoT環境に最適な工場に必要な「安心,安全の操業」「柔軟かつスケーラブルなシステム」「迅速な情報収集かつ正しい判断」という条件に対応できる次世代工場のあるべきITインフラについて検討を進めてきた。本稿では,現在の工場IT基盤の課題発掘,最新技術の検証,および実際の工場現場への対策導入・運用を通じて得た,次世代工場のあるべきITインフラを実現するポイントについて述べる。併せてYOKOGAWAの制御システムセキュリティ対策の取り組みについても述べる。


化学プロセスへのミラープラント適用事例 (PDF:1168KB/6ページ)

  • 尾又 俊彰*1
  • 池田 隆安*2
  • 深野 元太朗*3
  • 鯨 稔夫*2

*1 IAシステム&サービス事業本部 システム事業センター SWアーキテクチャ企画部
*2 株式会社オメガシミュレーション 事業本部
*3 株式会社オメガシミュレーション パッケージ部

   ミラープラントは,DCS( Distributed Control System)とオンライン接続しながら動作し,現在運転中のプラント状態をリアルタイムで計算するプラントシミュレータである。従来,ダイナミックシミュレータはOTS(Operator Training System)のようにオフラインで活用されてきたが,オンラインで動作するミラープラントでは,これまでとは異なったシミュレータの活用が可能である。ミラープラントはすでに実際の化学プロセスで稼働しており,プラントのリアルタイムなDigital Twinとして,プラントの運転支援やオペレーション改善に活用され,更なる展開が期待される。本稿では,化学プロセスへの適用事例として,三井化学株式会社殿の主要化学プラントにミラープラントを適用した事例を報告する。


デジタルフィールド機器のスマートな交換機能 (PDF:1027KB/4ページ)

  • 伊藤 孝優*1
  • 水島 冬樹*1
  • 石井 理義*2
  • 幅口 健二*3

*1 IAシステム&サービス事業本部 システム開発センター システムソフトウェア技術部
*2 IAシステム&サービス事業本部 システム開発センター システムハードウェア技術部
*3 IAシステム&サービス事業本部 システム開発センター HWアーキテクチャ企画部

   近年プロセス制御の現場に,IIoT(Industrial Internet of Things)が浸透してきた。フィールド機器においても,プロセス値の高精度化や,自己診断結果を自律的に報告する等の高度な機能がデジタル技術により実現されている。しかし,これらのフィールド機器は,保守時に専門知識が必要である。そのため,機器故障時の交換作業に従来よりも時間がかかり,プラントの生産活動に甚大な影響を及ぼす可能性がある。横河電機は本リスクの解決策として,機器交換時の人手による復旧手順を簡素化させる通信モジュールの機能を開発した。本稿では,その技術的な特徴と効果を紹介する。


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