2016年横河技報[Vol.59 No.2]

No.2 プロダクト事業製品の新潮流 特集

巻頭言 サービスデザインの台頭 (PDF:241KB/2ページ)

  • 澤谷 由里子 *1

*1 東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科 アントレプレナー専攻 教授


古くて新しいコトづくりのためのモノづくり (PDF:350KB/4ページ)

  • 結城 義敬 *1
  • 秋定 征世 *2

*1 マーケティング本部 事業開発センター 技術戦略室
*2 マーケティング本部 イノベーションセンター インキュベーション部

「コトづくり」の重要性の議論は今に始まったことではないが,ここ数年のIoT(Internet of Things), ビッグデータの爆発的広まりにより,改めて議論されることが多い。インターネットが世界中の人と人の関係を大きく変えたことに対し,IoT では膨大な数のモノ(センサーやデバイス)がつながり,モノとコトの関係が劇的に変化している。一般消費財(B2C)市場では,多くの人がウェアラブル機器とクラウドサービスを利用し,情報共有することで全く新しい価値を共創する時代が到来した。本稿では,サービスドミナントロジック(SDL)というサービスを起点とした価値共創の考え方を引用し,横河電機の製品が扱われる生産財(B2B あるいはB2B2C)市場におけるコトづくりと,今後のモノづくりのあるべき姿を展望する。


差圧圧力伝送器を使ったレベル測定ソリューション (PDF:1010KB/6ページ)

  • 石原 靖将 *1
  • 岡崎 岳 *1
  • 河野 啓司 *1

*1 IA プラットフォーム事業本部 プロダクト事業センター 伝送器部

レベル計測においては,測定流体の種類や圧力・温度ならびに設置環境により,非接触式の超音波式,レーダー式,接触式のフロート式,圧力式など様々な種類のレベル計が用いられる。特に接触式レベル計測については,直接,測定対象の流体に製品自体が触れる構造となっていることから,対象流体に接液する部品の材質や,圧力を取り出すための接続口などの仕様が多種多様化してきている。その結果,お客様の要求が多様化しており,製品の品質・設計ノウハウなどの維持管理が課題になりつつある。これに加え,お客様のプラント生産での運転の効率化への意識が高まってきており,これら多くの要求に応えるためには,柔軟かつ自由度をもった製品構成によりそれらの要求に応えられる製品を提供する仕組みが必要である。本稿では,差圧圧力を用いたレベル測定に対する当社の取り組みと,レベル測定の課題点を解決するために開発を行ったディジタルリモートセンサ(DRS)形差圧伝送器を紹介する。


高度活用が広がる光ファイバ温度センサDTSXのソリューション (PDF:1229KB/4ページ)

  • 福澤 亨 *1

*1 IA プラットフォーム事業本部 プロダクト事業センター ファイバーセンシング部

プラントの爆発や火災事故は,建物や設備,近隣や環境への損害に加え,生産停止やサプライチェーンへの影響が長期間・広範囲に渡るために,経営や事業継続へ非常に大きなダメージを与えるリスクがある。プラントの事故を未然に防ぐため,設備故障を早期に検知する高度なセンシング技術やデータ解析・処理技術の重要性とそれらの技術への期待が増している。光ファイバ温度センサDTSX においても,温度監視により火災や漏れを検知するだけではなく,異常の早期検知や効率稼働,生産性向上,品質向上などの新しい付加価値につながる高度な活用が求められている。本稿では,DTSX が提供する新しい活用事例を紹介する。


ユーザビリティを追求するリアルタイムOS搭載コントローラe-RT3 Plus (PDF:1210KB/6ページ)

  • 林 崇 *1
  • 池田 哲 *2
  • 堀田 雅夫 *3
  • 石中 秀幸 *3

*1 IA プラットフォーム事業本部 プロダクト事業センター IA コントローラ部
*2 IA プラットフォーム事業本部 グローバル開発センター デジタルハードウェア技術部
*3 IA プラットフォーム事業本部 グローバル開発センター ソフトウェア技術部

e-RT3 Plus は,2015 年12 月にリリースしたLinux を搭載するe-RT3 シリーズの最新モデルである。e-RT3 は,これまで堅牢性・リアルタイム性能・安定性をベースに,お客様・オープンアーキテクチャ・横河電機の技術を融合することで,装置制御に対して多くの魅力的な機能を実現してきた。e-RT3 Plus では,「Accessible」「Visible」「Applicable」の視点で「Usability(ユーザビリティ)」を強化し,装置制御だけでなく,工場から社会インフラまでアプリケーション領域を拡大した。さらに,誰でもアプリケーション開発ができる環境を用意した。本稿では,e-RT3 Plus においてUsability を実現する仕組みと,今後の拡張性について説明する。


「環境調和型製鉄プロセス技術開発」(COURSE50)で重要な役割を果たすガスクロマトグラフGC8000分析システム (PDF:803KB/6ページ)

  • 武井 慎 *1

*1 IA プラットフォーム事業本部 業務革新センター プロダクトサポート部

現在,鉄鋼業界では,地球環境対策として「環境調和型製鉄プロセス技術開発」(COURSE50)という長期国家プロジェクトに産官学一体で取り組んでおり,CO2 削減を目指している。当社は,そのプロジェクトでガスクロマトグラフGC8000 を付加した分析システムを提供することで,試験高炉の炉頂,炉内各部の圧力,温度,各成分測定を可能にした。その結果,固体物で充満している試験高炉内部のガス,温度,圧力の各部水平方向の分布が把握可能となり,試験実施時のCO2 削減レベルの数値把握を可能にした。
本稿は,COURSE50 プロジェクト及び試験高炉測定概要と,パイロットレベルでの総合実証試験において重要な役割を果たしたガスクロマトグラフGC8000 を用いた分析システムを紹介する。


高速・高分解能な抵抗模擬を実現した「測温抵抗体キャリブレータCA330」 (PDF:1435KB/6ページ)

  • 庄子 幸樹 *1

*1 横河メータ&インスツルメンツ 第一技術部

横河メータ&インスツルメンツは,測温抵抗体タイプ携帯型プロセスキャリブレータCA330 を開発した。CA330 は,従来から課題の多かった抵抗発生機能において,抜本的な設計の見直しをおこなった。特に高分解能と高速応答性の両立に対しては,PWM (Pulse Width Modulation) による乗算型DAC (Digital to Analog Converter) の復調処理を,帰還形PWM 方式を改良した新技術によりPWM の分解能を落とさずにキャリア周波数を上げることで,従来の区間積分方式から単純なローパスフィルタによる復調方式に変更でき,高速化することができた。この結果,10 mW の高い設定分解能と,5 msec 以下の高速応答速度の両方を実現できた。本稿では,抵抗発生機能において見直した設計内容と,改良した帰還形PWM を紹介する。


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